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トーンダウンした慶田盛氏、町議会で発言、妥協策を模索

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連日「紙爆弾」のようにばら撒かれる「発狂三紙」(タイムス、新報、八毎日)を情報源にしていたら、八重山教科書問題の真実を見失ってしまう。

中川文科相の20日の「国が指導」の発言にしても、例えばタイムスは、次のような挑発的記事で県民を混乱させるだけ。

 国の判断「統制の始まり」(タイムス 21日)
≪沖教組八重山支部の上原邦夫支部長も「法律を守るべき行政官庁が法を犯そうとしている。同省の〃判断”が通れば、教育統制の始まりになる。戦前の『国定教科書』同様になってしまう」と危ぶむ。≫

中川文科相の発言の当日、今回の騒動の火付け役で今後問題解決のキーママンともいえる慶田盛教育長を証人に招いて竹富町議会が開催された。

「発狂3紙」が報道しない慶田盛教育長の心の揺れが八重山日報の記事から読み取れ興味深い。

県の擁護をバックに、そして「地教行法」を盾に、あれほど強行意見を連発していた慶田盛氏が、中川文科相の「国が指導」の発言後、急にトーンダウンしているのがわかる。

■八重山日報 9月21日(水)

≪国、県の指導助言待つ≫

竹富町議会一般質問
教科書問題で慶田盛教育長

法制度の矛盾に直面

竹富町議会(西大舛高旬議長)9月定例議会は20日、一般質問の日程に入り、初日は宮良用範、、新田長男、嘉良直、西表貫之の4氏が登壇した。八重山地区の教科書問題について、慶田盛安三教育長は「地教行法と無償措置法の仲でどちらが優先ということはない。私たちはどういう手だてがあるのか考えられない状況。県や国からの指導助言を待つ以外はない」とした。

新田、嘉良の2紙が一連の教科書問題について質問。 慶田盛教育長は「教科書を管理し執行する権限は市町村教育委員会にある」とする地教行法、「採択地区で同一の教科書採択しなければならない」という無償措置法の2つの法律ついて触れ、八重山地区での教科書採択問題のこれまでの経緯を説明した。慶田盛教育長は「2つの法律を活かして採択は行われる。 これが根拠法となる。2つの法律はどちらが優先ということはない。とし、県や国の指導助言を待つ考えを示した。 新田氏から「来年の授業に支障がない形で解決するのか」と問われ、「断定して申し上げられない。 教育は子どもありき。子どもたちに何が一番いいのかということを真剣に考え、協議していきたい」と答えた。嘉良氏の「教科書の子どもに与える影響は」という質問に対し、浦崎喬教育委員会課長は「教科書は教材の主体。授業の中心にいる子どもたちに影響は大きく、内容によっては子どもの考えを発展させたり、逆行させたりする点がある」と説明した。

           ☆

同じ21日の「発狂3紙」には中川文科相の「国が指導」の部分のみ強調し、発言の重要部分は断片的にしか掲載されていないが、タイムスから中川文科省の投げかけた重要なメッセージを拾う。

≪中川文科相は「子どもの教育に支障が出ない形で収めたい」とした上で「現地のルールの運用で、どのプロセスが正当だったのかも分析したい」と述べた。(タイムス 21日)≫

大臣の投げかけた解決のためのメッセージが「子どもたちに迷惑の掛からない」解決法である。

これを受けて、急にトーンダウンした慶田盛教育長は次のように発言している。

慶田盛教育長
「教育は子どもありき。子どもたちに何が一番いいのかということを真剣に考え、協議していきたい」

ならば、混乱が長引き公民教科書が子ども達の手に渡らない事態を避けるため、無償措置法を尊重し育鵬社版を採択するのか。

いやいや、ことはそう簡単には決着しない。

そうなればこれまで強行発言をしてきた慶田盛教育長の面目が丸潰れになる。

それに大田綾子委員のような強硬派委員を説得するのも困難である。

そこで慶田教育長と打ち合わせたかのように浦崎課長が発言をした。

浦崎喬教育委員会課長
「教科書は教材の主体。授業の中心にいる子どもたちに影響は大きく、内容によっては子どもの考えを発展させたり、逆行させたりする点がある」

慶田盛教育長と浦崎課長の発言から導き出される結論は何か。

次のような妥協策が想定できる。

まず子ども達に迷惑がかからないように無償措置法を尊重し育鵬社版を採択し無償配布し、次に「子供たちに影響が大きい」という慶田盛教育長の面子を立てて東京書籍版を副読本として町の予算で購入し配布する。

この妥協策は中川文科相の次のメッセージからも読み取ることが出来る。

≪中川文科相は今後の対応について「これまでの例もあるので、法の趣旨や沖縄で作っているルールの運用、実際に行われた結果、どこのプロセスが正当なのかを分析し、総合的に判断したい」と述べ、教科書選定・採択に至る協議の有効性についても検証する方針を示した。
(新報 21日)≫

そう、今回の騒動のように、採択協議会が採択した教科書と違う教科書を、茨城県の大洗教育委員会が採択し問題が起きた例が、過去にもあった。 が、文科省の指導で採択協議会の選定した教科書の採択で決着したという。

埼玉県議の鈴木正人氏によると、その時は今回の竹富町教委とは逆バージョンで、採択協議会の決議と異なる教科書は「つくるかい系」の教科書だったという。

この際に妥協案として「つくる会系」教科書を副読本として自費購入していた。

大城県教育長と狩俣課長が、文科省の見解を真っ向から否定する見解を発表した16日以前、玉津石垣市教育長は竹富町教育委にこの妥協案を提示していたことを八重山日報は報じていた。

■八重山日報 9月14日

≪「育鵬社採択」で指導か≫

市教委は妥協案提示

8日の採択協議を文科省が無効と判断したことで、教科書問題は、育鵬社の公民教科書を提示した採択地区協議会の答申を尊重する方向を含め国、県が指導を再検討する方針見通しが強まった。ただ、竹富町教育委が育鵬社版に強く反対していることから、市教委が協議で提案した「妥協策」が現実的解決策として浮上しそうだ。 県が国に国に需要数を報告する期限は16日とされており、8日の協議が無効だったことを踏まえ、3市町は残り3日間で教科書を一本化しなくてはならない。市教委の玉津博克教育長は協議で竹富教育委に対し、3市町が揃って育鵬社版を採択した上で、竹富町のみ東京書籍版を自費で購入して使用する解決法を提示した。

同様の事例は2005年、茨城県大洗教育委の教科書採択をめぐって起こった。 文科省の下村博文政務官は衆院文部科学委員会で、自治体が副教材のような形で、採択地区の決定と異なった教科書を使用することは可能という見解を示していた。 玉津教育長は協議で衆院文部科学委員会の議事録を全委員に配布。文科省見解を説明し「こういう形での解決策もひつようではないか。考慮していただければ、一本化も可能だ」と提案した。しかし、竹富町教委の委員は「竹富町だけの問題ではなく、沖縄の教育を揺るがす問題だ。竹富町だけ別の教科書を使って解決することはあってはならない」(太田綾子委員)などと拒否した。

          ☆

「発狂3紙」のみから情報を得ていると、玉津教育長は他人の意見は一切無視し、自分の意見を押し通す独裁者のイメージを連想させる。

だが、玉津氏の発言はすべて関連法規に従っており、過去の事例等を調査して妥協策を見出す努力をしていたことが記事からうかがえる。

文科省が指導に乗り出すということは、大臣メッセージに込められた「子ども」と「過去の事例」という二つのキーワードから判断して、次のような妥協案に落ち着くものと考える。

≪竹富町が育鵬社版を採択し町の予算で東京書籍版を副読本として購入≫・・・これで一件落着かと思うが、そうは問屋が卸さない勢力力がいる。

まず竹富町教育委の中の大田綾子委員のような存在。 太田氏のような沖教組の回し者ともいえる強硬派委員をどう説得するか。

さらに文科省と竹富町教委の間に入って直接指導する立場の県教委の面子はどうなるのか。

県教委は16日の記者会見で、あれだけ大見得を切った手前、振り上げた拳を容易に下ろすわけには行かないだろう。

さらに攻撃の的を県教委にスウィッチした「発狂3紙」の激しい攻撃を覚悟せねばならぬ。

「裏切り者!」とか「県民感情を踏みにじる気か!」などの罵声が脳裏に響いて大城教育長や狩俣課長は不眠症に陥るだろう。

何よりも県民を惑わした責任を問われ懲戒免職の四文字も脳裏に浮かぶだろう。

県教委を裏切り者呼ばわりで攻撃する最大の組織は、地下茎で県教委人脈と強く絡み合っている「極悪共同体」の会員である沖教組の存在がある。

中川文科大臣の指導が「全体主義の島沖縄」に風を呼ぶか嵐を呼ぶか。それとも強固に塗り固められた極悪共同体の巨大ダムに図らずも蟻の一穴を開ける結果になるか。

【おまけ】

八重山教科書:つくる会と教育長接触か

沖縄タイムス  2011年9月21日 09時37分  

 【八重山】集会で登壇した仲山忠克弁護士が、与那国町の崎原用能教育長が国、県に送った要請文を作成する中で、「新しい歴史教科書をつくる会」関係者が文面を手直しした痕跡のある文書を示した。

 文書は崎原教育長が文部科学省、県教委に対し、3市町の全教育委員が「つくる会」系の育鵬社版教科書の不採択を決議した協議の無効性を主張したもの。文書には添削の跡があり、「崎原様 ありがとうございました。直しは念のためです」の一文も。文の末尾には「藤岡」と書かれていた。

 仲山弁護士は「藤岡」は「つくる会」の元会長、藤岡信勝氏であると指摘し、「崎原教育長は藤岡氏の指示を受けて国に訴えている。教科書選定で特定団体と結び付いている」と批判した。

 崎原教育長と藤岡氏は同日までに本紙取材に対し、いずれも「そのような事実はない」と否定した。

                   ☆

崎原与那国町教育長が、慣れない国への要請文を書くとき、仮に石垣市に訪問中の教科書問題に詳しい藤岡教授に相談したからといって、大騒ぎすべきものではない。

それよりむしろ、その文書作成を依頼した弁護士が依頼人から貰った文書の下書きを反対派集会でこれ見よがしにかざして見せることが大問題ではないか。

この弁護士は依頼人の守秘義務をイデオロギーのためには踏みにじる悪徳弁護士といわれても仕方がない。

「ゾンビの会」の共同代表・仲山忠亮氏と名前のよく似た仲山忠克弁護士の関係は確認できていない。

どなたかご存知の方がおればご一報下さい。

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