今朝(24日)のテレビ各局のワイドショーは、「稲田大臣に特別監査」(テレ朝)、「加計&稲田疑惑」(フジtv)など、依然として加計学園問題で、国民を騙す魂胆だ。
日報問題で文民統制に深刻な懸念 相次ぐリークに「これではクーデターだ」(7/21産経)
南スーダンPKOの日報問題をめぐる混乱は、稲田朋美防衛相の統率力不足が招いた問題だが、防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。
文民統制は、国民から選挙で選ばれた政治家が軍を指揮統制することを指す。戦前や戦中の「軍部の暴走」に対する反省が込められており、多くの自衛官は長年、厳格に原則を守り、政治的活動から距離を置くよう自らを律してきた。
今回の問題で稲田氏は、一貫して「非公表や隠蔽を指示したり、了承したりしたことはない」と主張している。これに対し「非公表方針は稲田氏が了承していた」という正反対の情報が相次ぎ報道されている。
防衛省内では「特別防衛監察の結果、一方的に悪者にされてしまうと反発した陸自サイドが情報をリークしている」(幹部)との見方が大勢を占める。真実がどちらであっても、結果的に政府の信頼が損なわれるのは間違いなく、「これではクーデターではないか」(政府関係者)との声すら漏れる。
一方で、「日報」をめぐっては、問題が実態以上に誇張されてしまったきらいがある。
陸自で見つかった日報の電子データは2月15日、個人保管の資料であるなどの理由で非公表方針が決まった。しかし、それに先立つ6日の時点で同じデータが「統合幕僚監部で発見された」と公表され、7日に一部黒塗りで公開済みだった。つまり、陸自で見つかったデータが公開されなかったからといって、国民が情報公開上の「実害」を被ったわけではない。
防衛省に再調査を求め、統幕から日報データが発見される契機を作った自民党の河野太郎衆院議員は20日付のメールマガジンで「こうした(経緯の)説明もなく、あたかも日報を隠蔽する決定が行われたかのような報道は、間違っていないか」と疑義を呈した。
日報問題の展開に、防衛省内では苦悩も広がる。ある陸自幹部は「組織内で傷つけあっても誰一人、得をしない。国民の信用を失い、周辺諸国を喜ばせるだけだ」と嘆く。非公表方針の決定に関わった省幹部の一人は21日、問題の経過について「全体のマネジメントが適切だったかといえばじくじたる思いはある」と沈んだ表情で語った。
☆ 陸自のリークで防衛大臣が更迭される件と、稲田氏が防衛大臣として資質にかける点は、文科省の件と似て非なる問題である。 確かに稲田氏は防衛大臣に相応しくないと考えるが、制服組の軍人による情報漏洩によって文民たる防衛大臣が辞職に追い込まれることがあっては、文民統制に大きな問題を残すことになる。
稲田問題の一連の経過を整理すると次のようになる。
●2016年12月2日 情報公開請求に対し防衛省が「日報は陸自で廃棄済み」として不開示を決定
●12月26日 統合幕僚監部に電子データで保管されていることが確認
●2017年1月17日 岡部俊哉陸上幕僚長に陸自内でデータが保管されていると報告
●2月15日 黒江哲郎事務次官と岡部陸幕長の協議で隠ぺいを決定。稲田氏が了承(稲田氏は否定) 問題は、いわゆる日報の隠ぺいは一貫して制服組の自衛隊(統幕、陸自の制服組)と背広組の防衛事務次官の独断専行によって行われてきたことだ。 仮に「報告を受けていない。了承していない」という稲田氏の主張が事実だとしても、「報告したが稲田氏は何も言わなかったので了承されたものと思った」という自衛隊幹部の言い分が事実でも、防衛大臣は単なる防衛省の操り人形であって防衛省の実質決定は制服組の自衛隊の幹部、と事務次官によって実施されたことに変わりは無い。 ちなみに自衛隊法(第2条第1項)によれば、事務次官はじめいわゆる背広組も「自衛隊」の一員である。 >防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。
加計学園については一ヶ月前に次のように書いた。(獣医学部新設に反対したのは文科省と獣医師会だ、諮問会議が暴露2017-06-28 )
<加計学園問題の獣医学部新設をめぐるテレビワイドショーの三文芝居はそろそろ止めにしてほしい。
日報問題で文民統制に深刻な懸念 相次ぐリークに「これではクーデターだ」(7/21産経)
南スーダンPKOの日報問題をめぐる混乱は、稲田朋美防衛相の統率力不足が招いた問題だが、防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。
文民統制は、国民から選挙で選ばれた政治家が軍を指揮統制することを指す。戦前や戦中の「軍部の暴走」に対する反省が込められており、多くの自衛官は長年、厳格に原則を守り、政治的活動から距離を置くよう自らを律してきた。
今回の問題で稲田氏は、一貫して「非公表や隠蔽を指示したり、了承したりしたことはない」と主張している。これに対し「非公表方針は稲田氏が了承していた」という正反対の情報が相次ぎ報道されている。
防衛省内では「特別防衛監察の結果、一方的に悪者にされてしまうと反発した陸自サイドが情報をリークしている」(幹部)との見方が大勢を占める。真実がどちらであっても、結果的に政府の信頼が損なわれるのは間違いなく、「これではクーデターではないか」(政府関係者)との声すら漏れる。
一方で、「日報」をめぐっては、問題が実態以上に誇張されてしまったきらいがある。
陸自で見つかった日報の電子データは2月15日、個人保管の資料であるなどの理由で非公表方針が決まった。しかし、それに先立つ6日の時点で同じデータが「統合幕僚監部で発見された」と公表され、7日に一部黒塗りで公開済みだった。つまり、陸自で見つかったデータが公開されなかったからといって、国民が情報公開上の「実害」を被ったわけではない。
防衛省に再調査を求め、統幕から日報データが発見される契機を作った自民党の河野太郎衆院議員は20日付のメールマガジンで「こうした(経緯の)説明もなく、あたかも日報を隠蔽する決定が行われたかのような報道は、間違っていないか」と疑義を呈した。
日報問題の展開に、防衛省内では苦悩も広がる。ある陸自幹部は「組織内で傷つけあっても誰一人、得をしない。国民の信用を失い、周辺諸国を喜ばせるだけだ」と嘆く。非公表方針の決定に関わった省幹部の一人は21日、問題の経過について「全体のマネジメントが適切だったかといえばじくじたる思いはある」と沈んだ表情で語った。
☆ 陸自のリークで防衛大臣が更迭される件と、稲田氏が防衛大臣として資質にかける点は、文科省の件と似て非なる問題である。 確かに稲田氏は防衛大臣に相応しくないと考えるが、制服組の軍人による情報漏洩によって文民たる防衛大臣が辞職に追い込まれることがあっては、文民統制に大きな問題を残すことになる。
稲田問題の一連の経過を整理すると次のようになる。
●2016年12月2日 情報公開請求に対し防衛省が「日報は陸自で廃棄済み」として不開示を決定
●12月26日 統合幕僚監部に電子データで保管されていることが確認
●2017年1月17日 岡部俊哉陸上幕僚長に陸自内でデータが保管されていると報告
●2月15日 黒江哲郎事務次官と岡部陸幕長の協議で隠ぺいを決定。稲田氏が了承(稲田氏は否定) 問題は、いわゆる日報の隠ぺいは一貫して制服組の自衛隊(統幕、陸自の制服組)と背広組の防衛事務次官の独断専行によって行われてきたことだ。 仮に「報告を受けていない。了承していない」という稲田氏の主張が事実だとしても、「報告したが稲田氏は何も言わなかったので了承されたものと思った」という自衛隊幹部の言い分が事実でも、防衛大臣は単なる防衛省の操り人形であって防衛省の実質決定は制服組の自衛隊の幹部、と事務次官によって実施されたことに変わりは無い。 ちなみに自衛隊法(第2条第1項)によれば、事務次官はじめいわゆる背広組も「自衛隊」の一員である。 >防衛省の内部から稲田氏にとって不利な情報が発信されている形跡があり、文民統制(シビリアンコントロール)上の深刻な問題も引き起こしている。
稲田氏が防衛大臣として無能なら、安倍首相は防衛大臣を更迭すれば済むが、自衛隊の制服組の中に気に入らない大臣は情報リークにより更迭できるメカニズムを残したままでは、「自衛隊の暴走」に歯止めをかけるのは困難である。
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