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「オスプレイ恐怖症」、再び?

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「オスプレイ恐怖症」、再び?

日本の国防にとってオスプレイはなぜ必要なのか

2013.05.10(金)

 北村 淳:プロフィール
 

4月29日、小野寺五典防衛大臣とヘーゲル米国防長官がワシントンで会談した際に、ヘーゲル長官から、2013年夏、在沖縄海兵隊へ12機のMV-22B「オスプレイ」が配備されることが公式に通知された。

もっとも、この第2陣の配備は、沖縄の第3海兵遠征軍が使用している老朽化したヘリコプターの交換であり、2012年夏に第1陣の新旧交代のためのオスプレイ12機が岩国基地経由で普天間基地に配備された際には、すでに第2陣の交換配備は予定されていたため、単なる“確認”でしかない)
 
 これに対して、沖縄の有力紙はじめ一部のマスコミや日米同盟分断勢力は、「オスプレイの安全性」に加えて騒音や飛行ルートに関する“約束違反”といった論点を追加して、第2陣オスプレイの配備に反対する動きを開始した。
 
 そして、第2陣オスプレイが岩国基地に一旦揚陸されて普天間基地に飛行して配備される日程が迫ってくると、再び“オスプレイ恐怖症”の宣伝を繰り広げて反対キャンペーンを展開するものと思われる。
 
オスプレイは輸送機である
 
 2012年夏、オスプレイ恐怖症が蔓延した際に、筆者は「オスプレイの安全性」ではなく「オスプレイの日本の国防にとっての必要性」に関する理解が欠かせない、と繰り返し指摘した(「JBpress」2012年7月20日8月14日10月12日、『海兵隊とオスプレイ』並木書房、など
 
 その後、尖閣諸島を巡る日中対立が激化してきたため、「海兵隊がオスプレイを手に入れると、沖縄から尖閣諸島どころか中国本土へすら短時間で出動可能であるため、中国にとっては脅威的存在となり、日本にとっては頼もしい抑止力になる」といった論法で、オスプレイの必要性が説明される場合が少なくないようである。このように理解しても「オスプレイの在沖縄海兵隊への配備は日本の国防にとって必要である」という筆者の結論と合致しはする。しかしながら、本質的に「オスプレイはなぜ日本の国防にとって必要なのか」という議論の本質を理解したことにはならない。
 
 上記のような説明では、あたかも尖閣諸島で日中軍事衝突が発生し、アメリカ政府が軍事介入に踏み切った場合には(このような前提自体、甚だ問題点が多いのであるが)、普天間基地からアメリカ海兵隊第31海兵遠征隊“尖閣奪還上陸チーム”がオスプレイに乗り込んで尖閣諸島まで急行し、中国侵攻軍を撃破するといったイメージを与えかねない。

しかし、海兵隊のMV-22Bオスプレイは、これまで半世紀にもわたって海兵隊に用いられてきたCH-46シーナイト中型輸送ヘリコプターと入れ替え中の新型輸送機である(今夏に沖縄で入れ替えられる予定の12機で、ようやく危険性が極めて高くなっている老朽CH-46との新旧交代がほぼ完了する)。つまり、オスプレイは敵を蹴散らす攻撃機ではないことを明確に認識しておく必要がある。
 

ベトナム戦争で補給活動をする海兵隊CH-46(写真:USMC)

 これまでの各種ヘリコプター
 
 これまでの各種ヘリコプターと比べると、オスプレイの航続距離とスピードは飛躍的に伸びた。普天間基地から尖閣諸島(魚釣島まで434キロメートル)まで完全武装した海兵隊員をオスプレイ1機あたり24名搭載して無給油で送り込むことが可能となったことは事実である。
 
 しかし、アメリカ海兵隊が尖閣諸島奪還のための強襲上陸戦闘ミッションにオスプレイを投入することはない。オスプレイは、尖閣諸島を占領した敵勢力を撃破した後に、負傷者の後送や敵の反攻へ備えるための増援部隊の投入や防御用物資の搬入のために沖縄から飛来することになる。このような役割を果たすことが可能なオスプレイは、奪還作戦全体には欠かせない機種ではあるものの、それによって中国軍を撃破するわけではない。
 
日本が必要とする海兵隊の水陸両用戦・即応能力
 
 オスプレイが日本の防衛にとって必要な理由は、沖縄を本拠地とするアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍(厳密には、それに加えて佐世保を本拠地とするアメリカ海軍第7艦隊第11水陸両用戦隊)の持つ「水陸両用戦・即応能力」が、日本の防衛、とりわけ中国の海洋戦力への対抗上どうしても必要だからである。
 
 沖縄の第3海兵遠征軍に限らずアメリカ海兵隊を特徴づける能力は、高度な水陸両用戦・即応能力である。水陸両用戦能力とは、陸上の作戦目的地に、陸上戦闘部隊が海上やその上空を経由して到達し、上空からの支援部隊と共同して地上戦を展開し敵を撃破する作戦能力を意味する。即応能力とは、世界中の紛争地に48時間以内に到達可能なだけの即応態勢を常に維持し、出動命令とともに直ちに作戦地に駆けつけることができる緊急展開能力を意味している。水陸両用戦・即応能力は、海上・陸上・航空部隊による密接な統合能力が大前提となっている複雑な軍事能力である。
 
 世界中の紛争が発生した地域や災害救援・人道支援活動が実施された地域の大半は、沿岸地域や海岸線からそれほど離れていない地域であると言われている。そして、戦闘にせよ、大規模災害にせよ、そのような作戦地域には内陸部から海岸線に向かって作戦部隊を進めるよりも、海洋側から海と空を経由して作戦地域に到達する方が時間的にも技術的にも有利な場合がほとんどであることを、数多くの戦例や被災例が物語っている。
例えば、東日本大震災に際しても、被災地である沿岸地域に被害が少なかったものの交通網が寸断されている内陸側から接近を図った自衛隊部隊は苦闘を強いられた。もし、日本が独自にアメリカ海兵隊的な水陸両用戦・即応能力を保持していたならば、海側から上陸部隊やヘリコプターによる空挺部隊などを投入することが可能であった。
 

ホワイトハウス要員や同行記者団用の海兵隊オスプレイ(写真:USMC)


 
 実際に、陸からでは到達できない気仙沼大島のような孤島に最初に上陸した大規模救援部隊は、東南アジアから急行してきたアメリカ海兵隊の部隊であった(古庄元海幕長に伺った話だが、大正12年の関東大震災に際しても、東京市内に最初に救援部隊を送り込んだのは、陸を急行した陸軍ではなく、軍艦で東京湾から陸戦隊を上陸させた海軍であったという)。
 
 東日本大震災や関東大震災だけでなく阪神・淡路大震災や新潟県中越地震など、海から救援隊が海や空を経由して被災地に到達できれば、より迅速な救援活動が期待できたと推測できる事例は、島嶼国家日本には少なくない。そして、それは災害救援活動だけではなく、島嶼防衛をはじめとする国防でも全く事情は変わらないのである。
 
 ところが、国際軍事常識に照らすと極めて不思議なことに、日本には水陸両用戦・即応能力のエキスパートである軍事組織は存在しない。そこで、 沖縄を本拠地とするアメリカ海兵隊第3海兵遠征軍(厳密には、それに加えて佐世保を本拠地とするアメリカ海軍第7艦隊第11水陸両用戦隊)が日本防衛システムの重大な欠陥の穴埋めをしているのが現状である。
 
中型輸送機は海兵隊にとってなくてはならない存在
 
 第3海兵遠征軍が日本の防衛にとり必要な理由は上記の通りであるが、それならば、なぜオスプレイが日本の防衛にとって必要ということになるのであろうか?
 
 それは第3海兵遠征軍に限らず「MAGTF」(マグタフ、海兵空陸任務部隊)と称されるアメリカ海兵隊の作戦組織構造にとって、オスプレイすなわち新鋭中型輸送機はなくてはならない存在だからである。
 
 水陸両用戦・即応能力を遺憾なく発揮するためにアメリカ海兵隊が生み出した作戦組織構造であるMAGTFを大雑把にまとめると、海から海と空を経由して陸上の作戦地に到達した海兵隊陸上部隊は、海兵隊戦闘航空部隊による支援を受けたり、海兵隊輸送航空部隊によって補給や兵員増強それに負傷者後送などを実施しながら作戦を遂行する。したがって、海兵隊の陸上部隊と航空部隊は一体化されており密接不可分な存在になっている。
一見すると陸軍部隊のような海兵隊であるが、海兵隊自前の各種航空部隊は“陸上部隊に取り付けられた付属的存在”ではなく、陸上部隊と航空部隊のどちらが欠けても海兵隊ではなくなってしまう。アメリカ海兵隊の作戦行動は、このようなMAGTF(陸上部隊+航空部隊)が海軍艦艇に搭載されて世界中に派遣されるという仕組みになっているのである。
 
 そのような陸上部隊と航空部隊が一体となっている第3海兵遠征軍をはじめとする各種海兵隊部隊が、敵が待ち受ける海岸線に強行上陸を実施する作戦(現代ではほとんど実施され得ない)以外の様々な戦闘や災害救援・人道支援活動などで、最も多用してきたのが、輸送ヘリコプターである。とりわけCH-46シーナイト中型輸送ヘリコプターは過去半世紀にわたって世界中の紛争地や災害救援・人道支援活動地域に海兵隊員たちを送り込んできた。
 
 しかし、機体によっては50年近くも使われているCH-46の老朽化が進み危険性が増大していることは、航空機専門家でなくとも容易に想像がつくところである。そのような“老兵”を新鋭機種に取り替える作業が、CH-46をオスプレイに交換する作業なのである。
 
 5月2日には、ホワイトハウス要員や政府高官それに同行記者団などの移動手段とされてきた海兵隊のCH-46をオスプレイへと交換する作業が完了した。普天間基地問題や“オスプレイ恐怖症”による感情的な反対の蔓延などによって、危険極まる老朽ヘリコプターが最後まで残ってしまったのが沖縄ということになってしまったのである。
 
オスプレイへの交換によって日米同盟が効力を発揮
 
 このような、老朽ヘリコプターを新鋭輸送機オスプレイに交換することは第3海兵遠征軍にとっては、靴底が磨り減り穴が開いたボロ靴を歩きやすい工夫がされた新しい靴に履き替えるようなもので、様々な作戦行動がよりスピーディーにより安全に実施可能となるわけである(ただし、上述したように、尖閣諸島奪還作戦のような敵前強行上陸ミッションには使用できない)。
 

間もなく普天間基地から姿を消す“老兵”CH-46、眼下には昨年交代配備されたオスプレイと交代を待つCH-46(写真右側)が駐機している(写真:USMC)

  
 反対に、もしこのような新しい靴としてのオスプレイが第3海兵遠征軍に配備されなかったり、また新しい靴を履き慣らすようにオスプレイが配備されても慣熟訓練ができなかったりした場合には、せっかく日本の防衛や日本周辺そしてアジアの安全のために沖縄を本拠地にしている第3海兵遠征軍の活動が停滞してしまうことになる。
 
 要するに、陸上部隊と航空部隊と一体となって活動することが前提となっているアメリカ海兵隊の作戦組織構造(MAGTF)にとって、中型輸送機オスプレイは必要不可欠なツールであり、それなしでは海兵隊の作戦活動は実施不可能に近いのである。
 
 このような意味で、オスプレイを第3海兵遠征軍が手にして使いこなすことによって、日本が現在自前で手にしていない水陸両用戦・即応能力を確保することになるわけである。それによって、日本が基地を提供しアメリカが軍事力を提供するという日米同盟のギブアンドテイクが機能し、中国海洋戦力をはじめとする対日軍事的脅威に対して日米同盟が抑止効果を持つことを期待できるのである。
 

【おまけ】

Face Bookより拾った記事です。

          ★

【告知動画】沖縄県祖国復帰41周年記念式典【告知動画】

今日の沖縄タイムス・琉球新報両紙に「沖縄県祖国復帰41周年記念大会」の広告が載っていますので、ご注意ください。
https://www.facebook.com/events/501488433244288/
さっそく、反応がありました。なんと「左翼」のおじいさんから。

左翼「なんで櫻井よしこを呼ぶか!オマエはどんな思想の持ち主か」

私「沖縄の新聞をきちんと読んでおり、客観的な情報分析ができる方だからです。」

左翼「バカヤローなにが客観的か!!あいつは連日テレビに出て、憲法改正言ってるよ!どこが客観的か?日本の憲法は押し付けとかウソばかり言いやがって!憲法は日本人の手紙の申し出によって出来たんだぞ!」

私「今回は憲法の話ではありませんし、ちなみに憲法は押し付けですよ。アメリカの軍人が作りましたよ。きちんと成立過程を勉強してください。客観的に、そういう話を聞くことも有意義ではありませんか?」

左翼「オマエはどこで勉強したんだ!違うよ。お前らは右翼だ!祖国復帰という言葉で騙すんじゃないよ!下地幹郎の仲間だ!安倍晋三が親玉だ!石原慎太郎が大将だ!ヤマトゥのまわしものだ!」

私「大声で怒鳴りまくることが客観的なんですか?両方の意見をきちんと勉強してこそ客観的じゃないですか?」

左翼「オマエは沖縄の思いがわかってない!!ばかやろー!」

私「それではその沖縄の思いとはなんですか?教えてください」

左翼「そんなこともわからんのかバカヤロー!勉強しろ!」

私「だから、あなたが軽々しく使う沖縄の思いとはなんですか?教えてください」

左翼「言い訳するな!お前らは4・28で天皇バンザイと言うような奴らだ!波上宮は右翼の神社だよ!護国寺が一番沖縄で古いんだ!波上宮なんて昭和に出来たんだぞ!」

私「いえ、波上宮は1300年代から沖縄にありますよ。600年以上ありますよ。ウソを言わないでください」

左翼「うるさい!バカヤロー!沖縄でこんなことをするなんて許さんぞ!バカヤロー!◯✕△沖縄をどうする気だ―!!」ガチャン

10分以上怒鳴りまくってましたがすごい肺活量ですね。
広告を見ている人がいるとわかって少し安心しました。  

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