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「援護法」、住民ぐるみの公金詐取!

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最近、沖縄戦がらみで三つの裁判が行われた。

一つは昨年4月に最高裁判断が出た「集団自決訴訟」。 そして係争中の「沖縄靖国訴訟」と「パンドラの箱掲載訴訟」である。

三つの訴訟はそれぞれ原告と被告、そして表面上の訴因は違っているが、実質の争点が沖縄戦であり、さらに論点を絞ると「集団自決と援護法の関係」になるという点では大きな共通項を持つ。

慶良間島の戦隊長だった梅澤氏らが大江健三郎氏と岩波書店を訴えた「集団自決訴訟」は最高裁判断で原告側が敗訴しているので、集団自決の「軍命の有無」論争は「軍命説」が確定したと一般には思われている。

だが、これは沖縄2紙による印象操作による大きな誤解である。

たしかに最高裁で原告側の名誉毀損と損害賠償の請求は敗訴が確定したが、最大の争点である「軍命」については被告大江・岩波側は立証することが出来ず、事実上梅澤氏らの名誉回復は確定した。 

ただ名誉毀損が訴因である裁判で大江・岩波側が勝訴したため、あたかも「集団自決は軍命だった」ということが最高裁で確定したかのような印象操作記事を沖縄2紙が垂れ流し、それに誤誘導された読者が多い。

この沖縄2紙の印象操作については、しつこいが何度でも指摘しておく。

「パンドラ・・訴訟」でも原告上原さんが陳述書で強調されているように、集団自決には「援護法」が大きく関わっている。 集団自決の真相を解明しようとすると、その適用を受けるため申請書を偽造したという点に触れねばならず、この「秘密」を隠蔽しようとする勢力との壮絶な戦いが裁判という舞台で争われることになるのである。

沖縄2紙を筆頭に反日左翼勢力は、「援護法」の」カラクリを必死になって隠蔽しようとしているが、これが結果的には「極悪非道の日本軍人」という歴史の捏造を生み出すことになり、その一番の被害者が「軍命で住民を自決させた極悪人」という汚名を着せられた梅澤さんと故赤松さんということになる。

上原正稔さんが昨年1月、琉球新報を提訴した記者会見の冒頭で、梅澤さんと故赤松さんに沖縄人として謝罪した理由は、すべて「援護法と集団自決」の複雑な関係にある。

読者の中には集団自決と「援護法」の関係を深く検証すればするほど、援護法申請書の偽造などに行き着き、詐欺行為の疑いを持つ人も多い。

より直裁的にいえば、援護法申請書の偽造は「公文書偽造による公金詐取」といわれても仕方ない行為である。 沖縄人の立場としては言い難い言葉だが、筆者はこれまでに何度も「公金詐取」と指摘している。

■石原教授のトンデモ発言

反日左翼の急先鋒であるOABテレビに、石原昌家沖国大教授が出演し、靖国訴訟の援護法関係でこんな意味の発言をしていた。

「本人(遺族)が知らない間に、靖国に祀られてしまい、本来なら軍人にしか給付されないはずの援護金を国が支給してごまかした」という印象で放映された。 

だが、実際は「援護法」適用の申請をしたのは遺族本人であり、裁判では遺族を支援している石原昌家沖国大名誉教授でさえも、「当時文字の書けない人のために申請書を代筆した」と証言しているくらいである。

したがって遺族の虚偽の申請には石原教授も加担しており、「公文書偽造による公金詐取」の共同正犯といわれても仕方が無いだろう。

ちなみにこの石原教授は、QABテレビの当該番組で、「(チビチリガマの集団自決は)「軍の方針で行われた」とデタラメな発言をしているのには呆れるが、学者の名を騙る左翼アジテーターといえば納得できる。

大田少将の「県民斯く戦へり」という電報に応え、県民に配慮した国側の「援護金の拡大解釈」も、沖縄国際大学・石原昌家名誉教授のひねくれた解釈によるとこうなってしまう。

「沖縄戦で亡くなった一般住民を靖国に合祀することによって、ヤマト政府が軍事植民地的支配だけでなく、精神的にも沖縄を支配するという仕組みを作り上げていったと思います」(QABテレビ)

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■政府主導の「公金横領詐取」■

現在の厚労省には「隊長命令を記した援護法申請書」は存在しないといおう。

当時の厚生省は「援護法」申請者に可能な限り許可を与えるため、度重なる政令を連発して軍命を暗示、誘導して申請書を書き換えさせた。

無謬性を誇るはずの官僚のこれらの措置は、今から考えれば違法ともいえる強引な拡大解釈をしている。

違法性の疑のある「隊長命令添付」の申請書の存在を、無謬性を信じる厚労省が認めるはずは無い。

当然「そのような書類の存在は確認できない」といった官僚的言辞で、当該書類(軍の命令書付き申請書)の存在を事実上否定したのだろう。

研究者の調査によると、拡大解釈してでも何とか「援護法」申請を受理しようとした当時の厚生省は、「軍命があれば受理出来る」と何度も誘導の文書を村役所の担当者に送っているという。

元々「援護法」は沖縄住民に援護金給付をする目的の特例だったため、当時の厚生省は裏付け調査を省いて、書式さえ整っていたら全てを給付の対象にした。  

通常、お役所に何らかの給付金を申請するとき、お役所側は重箱の隅を突っつくように、申請書のミスを指摘しできるだけ給付金を与えないようにする。 少なくとも役所は給付したくないように見える。 お役所仕事といわれる所以である。

ところが、本来軍人に給付すべき「援護法」を、沖縄戦に限り拡大解釈し軍に協力した住民に適用したときの当時の厚生省は、何とかして給付させたいという善意が働いて、書類の不備を指摘するどころか、今考えればお役所が「偽造申請」に加担したような場面も散見される。

 申請書の記入に「軍命」を臭わすように村役場を指導したのもその一つだが、厚生省側でも沖縄出身者を他の部署から援護課担当者に強引に移動させ、同じ沖縄人なら対応しやすいだろうという配慮を示していた。

沖縄集団自決に絡む援護金給付が「政府主導の公金横領」といわれる所以である。

■厚生省の担当者に沖縄出身者を配属■

当時の厚生省は、校長など地域のリーダーがほとんど無条件に署名した現認証明書をそのまま受け付けるという極めて大雑把な審査をしていたという。

政府側は今から考えると違法性を問われかねない措置をしていたが、何とか沖縄側の申請に対応しやすいように、東京側の厚生省担当者にわざわざ沖縄出身者を配属して、出来るだけ援護法の適用の拡大を計った。

その当時東京側の厚生省担当に配属された沖縄出身者の証言が沖縄タイムスの2005年3月5日付朝刊に掲載されている。

< 沖縄戦の住民犠牲者が、援護法の対象となる「戦闘参加者」として、「該当」するか否か。最終的に決定したのは厚生省だ。その決定に携わっていたのが、沖縄県出身の祝嶺和子さん(77)=静岡県=だ。

 一九八九年に厚生省を退職するまで、中国残留孤児問題を含めて、援護畑一筋に働いた。

 沖縄戦当時、女子師範本科に在学していた。四五年三月、女師、一高女の学生が、看護隊として出陣する集合に、空襲に遭い、祝嶺さんは間に合わなかった。

 大勢の同級生や後輩が「ひめゆり学徒」として、亡くなった。戦後、そのことは「ずっと、頭を離れることはなかった」という。

 多くの友人を亡くし、生き残った元特攻隊員の祝嶺正献さん(故人)と結婚。沖縄から密航で日本本土へ渡った後、五四年、厚生省に入省した。

 沖縄出身ということで「『沖縄のことをこれからやるからね、援護局につくられた沖縄班に来なさい』と上司に言われ、決まっていた配属先から異動させられた」。

 前年から、米軍統治下の沖縄でも、軍人軍属に対して、日本の援護法適用が始まっていた。祝嶺さんの異動は、援護法の適用拡大に向けた動きだったようだ。

 「援護では最初に、軍人軍属の、その次に沖縄では学徒たちも戦ったらしいな、ということで、私が引っ張られたのだと思う」

 当時、沖縄班の人員は七、八人。祝嶺さん以外に、もう一人県出身で、後に国民年金課長を務めた比嘉新英さん(故人)がいた。

 沖縄の市町村が受け付け、琉球政府を経由して、厚生省に送られる援護の申請資料。防衛隊など軍人軍属への申請書類に目を通していた同僚が、祝嶺さんに、尋ねた。

 「普通のおじさんやおばさんも、軍のために働いたのか」

 沖縄戦では、一般住民が、武器らしい武器もなく、米軍への切り込みを命じられ、日本軍のために弾薬を運び、「集団自決」を強いられた。・・・ (社会部・謝花直美) >

                    ◇

「集団自決」は戦時中の特殊な状況の下で行われた事件であり、金城重明氏の例のように、たとえ他人の「自決」に手をかして、本人が生き残ったとしても現在の価値観や法律でこれを裁くことは出来ない。

同じように、実際には存在しない軍の命令を政府指導で捏造し、「援護金」と言う形の公金を横領したことも現在の価値観や法律で断罪できない。

ただ、これらの「犯罪」を事実上指導・誘導した当時の厚生省、そして現在の厚労省が先輩の行った「過誤」を認めるはずはない。

従って「捏造命令書付き申請書」の存在を認めるはずはない。

■石原昌家氏の二枚舌■

集団自決の軍命論争ではいろんな場面で沖縄の識者たちがカメレオンのようにくるくると自説を変えていく例が多い。これを一々論じていたら一冊の本が出来るくらいなので立ち入らないが、援護法の研究者を自認する石原昌家氏の立場は微妙である。

石原氏は「集団自決訴訟」では被告・大江、岩波側を支援し、軍命はあったと主張する一方、「集団自決」という述語は「強制集団死」と呼ぶべきだと主張し、述語の中に軍命を意味する「強制」を使うなどの徹底した「軍命派」である。

その一方で、沖縄靖国訴訟では原告の遺族側の証人に立ち、「軍命は政府側が住民を靖国に祭るためのに指導した方便」という意味の証言をして、結局は軍命が「政府によって偽造されたもの」といった自己矛盾の発言をしている。

つまり政府が援護法認定のために、実際は存在してない「軍命令」を、「軍命令があった」と申請するように示唆したというのだ。

もっと具体的に言えば、石原氏は自分の体験も含めて、援護法申請書に「実際はなかった軍命による自決」と書いて出せば、援護金をもらえたと証言しているのだ。

この人物、同じテーマの裁判に首を突っ込んでしまい原告と被告が逆の立場であることをうっかり失念して「オウン・ゴール」をかましたことになる。(爆)

参考: 茶番劇の靖国合祀訴訟 戦争加害者と同列視するなだって

 

【おまけ】

石原教授は、沖縄靖国訴訟の原告側証人として法廷に立ち、原告側にとって致命的ともいえる発言をしているが、これについては稿を改めて述べてみたい。

 

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