八重山毎日新聞 2011年11月10日
教科書問題 保護者2人が提訴、東京書籍版の無償供与求める
採択手続き問う裁判は全国初
原告側代理人の井口博弁護士(左)とともに会見する保護者=9日午後2時30分すぎ、市役所記者クラブ室
訴状によると、全員協議について原告側は「公民教科書の採択を同一にするための協議として合意があった」と指摘。採決の結果、賛成多数で決まった東京書籍について無償措置法13条4項の「協議して同一教科書を採択した」ことが明らかだと主張。一方、育鵬社を選定した8月23日の教科用図書採択地区協議会の協議結果や役員会の再協議については、同法13条4項に当たらないと退けている。
井口弁護士は、今訴訟はまず確認の利益が存在するかどうかが問われることになるとの見通しを示し、「石垣市が来年4月に育鵬社を配布する可能性が高いことをまず立証しなければならない」と述べ、玉津教育長や文科省、県教委の担当者らを証人として申請する考えを示した。
井口弁護士は提訴後、市役所記者クラブで会見し、「石垣市の子どもたちに、ルールに従って採択された教科書の無償給付を実現したい」と訴訟の目的を強調、同席した保護者は「憲法の定める三権分立のもと、国民に与えられた権利を行使し、司法の場で混迷を極める一連の教科書問題を明らかにしたい」と語った。
市教委は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
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>訴状によると、全員協議について原告側は「公民教科書の採択を同一にするための協議として合意があった」と指摘。採決の結果、賛成多数で決まった東京書籍について無償措置法13条4項の「協議して同一教科書を採択した」ことが明らかだと主張。
>一方、育鵬社を選定した8月23日の教科用図書採択地区協議会の協議結果や役員会の再協議については、同法13条4項に当たらないと退けている。
この裁判ほどわかりやすい裁判も珍しい。
争点は問題の教科書の内容を問うのではなく、法律問題である。 つまり9月8日の「全員協議」(全教委協の協議)が有効であるということを法廷で確認するということである。
その一方で8月23日の八重山採択協議会の協議は無効だと主張するという極めてシンプルな裁判だ。
その結果として東京書籍版教科書の逆転採択を有効とする三段論法である。
八重山教科書:「事実 子に伝えたい」
沖縄タイムス 2011年11月10日 09時56分
【八重山】「ルール違反」を放ってはおけない―。子どもの純真なまなざしと声援を背に、訴訟に踏み切った。八重山地区の教科書問題で9日、石垣市教育委員会に東京書籍版公民教科書の給付確認を求め提訴した市在住の小学生の母親2人が市役所で会見した。「本当のことをきちんと子どもに伝えたい」と、提訴に至った切実な思いを訴えた。
ことし8月以降、連日のように報道された教科書問題。地区協議会規約の度重なる変更の末、非公開、無記名投票で選ばれた育鵬社版教科書で、いずれわが子が学ぶことになる。母親の1人は「新聞を読んでも意味が分からなかった。なぜこういう結論になるのか、疑問点はいっぱいあった」。
事の成り行きを、ただ見守るだけでいいのか―。10月から保護者有志約15人が集まり、独自に資料を集め、教育行政の専門家も交えて学習会を重ねた。事実を把握するにつれ「育鵬社版を選ぶための『結論ありき』のルール変更だ」との確信に至った。会議録の非公開を貫いていた市教委への不信感も増した。
教科書問題は政党の介入を招き、国は東京書籍版を採択した3市町の全教育委員による協議を「整っていない」と無効視。石垣、与那国2市町は育鵬社版の採択結果を変えようとはせず、地域の意思が無視されつつあると感じている。
母親は「このままだと、主義主張の闘争や見解の違いで終わる。子どもたちは、わたしたち大人の姿勢を見ている」と指摘。「裁判で事実を明らかにした上でしか、納得できる結論は出ない」と力を込めた。子どもや家族にも理解を求め、提訴への賛同を得たという。
原告側代理人の井口博弁護士は「裁判の中で被告が増える可能性もある。与那国町教委や、場合によっては文科省にまで広がる」。原告団についても同町の保護者を含め、今後増える可能性を示した。
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>母親の1人は「新聞を読んでも意味が分からなかった。なぜこういう結論になるのか、疑問点はいっぱいあった」。
発狂新聞を読んで八重山教科書問題の真相を理解する人はよっぽどメディアリテラシーの訓練をした少数派。
原告が「新聞を読んでも意味が分からなかった」と発言するのを素直に受取れば、是非とも裁判で新聞のデタラメ報道を解明して欲しいもの。
本名を明かさない二人の保護者が確信犯的「プロ市民」なのかそれとも、真実を見誤った善意の市民なのか定かではないが、発狂新聞のみで情報を得た結果「新聞を読んでも意味が分からなかった」と言うのならまさに語るに落ちる、である。
そう、沖縄の新聞のみでは真実はわからない。
沖縄の新聞が偏向を通り越してイデオロギーのためには平気でデタラメを垂れ流し、民意を捻じ曲げてきた左翼のプロパガンダ紙であることを当日記では幾度となく指摘してきた。
筆者は昨年11月、月刊誌『WILL』に「沖縄の新聞で県民の民意はわからない」というタイトルの小論を寄稿し、警鐘を鳴らした。
⇒沖縄の新聞で県民の民意はわからない(『WILL』2010年11月臨時増刊号掲載記事)
⇒続・(『WILL』2010年11月臨時増刊号掲載記事)今回の八重山教科書騒動は県外の方のみならず、沖縄県人でさえも圧倒的発行部数を誇る沖縄2紙の洗脳により、真実を見誤った県民が多いことを示してくれた。
合法的に選定された教科書を違法と捉え、井戸端会議で違法に選定された教科書を合法と信じ、提訴に踏み切った保護者がいた。
だからこそこの裁判は八重山教科書問題の真実を解明するためには全県民、いや全国民が待ち望んでいた裁判なのかも知れない。
大方の予想通り原告が全面敗訴したら、この2人の保護者は、デタラメ記事で誤誘導され裁判までする羽目に陥り大恥をかいたとして、名誉毀損による損害賠償損害を今度は矛先を「発狂3紙」を相手に提訴したらどうだろうか。(爆)
【おまけ】
「親として見過ごせない」 八重山教科書問題で提訴 (朝日新聞 11月10日)
沖縄県石垣市教委が中学の公民教科書に「つくる会」系の育鵬社版を採択したことをめぐる訴訟が9日、那覇地裁に起こされた。原告は、いずれ中学で教科書を使う小学生の母親2人。石垣市内で会見し、「市教委の手法はルール破り。親として見過ごせなかった」と語った。
原告らは東京書籍版の教科書を来春以降、無償で受け取れることの確認を市教委に求めた。提訴後、カメラ撮影には応じたが氏名は伏せて会見に臨んだ。
八重山地区の教科書採択の混乱を見て不安を感じ、9月ごろから友人ら十数人で教育行政の勉強会を定期的に開いてきたという。その中で、採択地区協議会の委員を入れ替えたり、現場教員が推薦していない育鵬社版も選べるよう規約を改正したりした玉津博克・市教育長らの手法に「問題がある」と考えたという。
原告の1人は「私たち母親の多くは、なぜ石垣で育鵬社版が選ばれたのか理由がさっぱりわからない。選定の過程を裁判を通して明らかにしたい」。もう1人も「教科書問題は政治性も絡むため、提訴にはためらいもあった。でも、子供が『市教委はずるいよね』と話したのを聞いて心を決めた」と話した。
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>子供が『市教委はずるいよね』と話したのを聞いて心を決めた」と話した。
子どもをイデオロギー闘争に利用するのは「プロ市民」の常套手段。
子どもの話を聞いて提訴の決心をしたなどともっともらしいことを行っているが、その子どもに「市教委はずるい」と吹き込んだのは一体誰だったのかと言うことには考えも及ばなかったのだろうか。