よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします
■八重山日報 10月22日
教科書問題
検討の最終段階
文科相「法的に可能な形で」
中川正春文部科学大臣は21日の記者会見で、八重山地区の教科
書問題について「検討の最終段階に来ている。法的に可能な形で整
理したい」と述べ、文科省として近く明確な判断を下し、問題を決
着させたい考えを示した。
この問題で県教委は文科省に対し、9月8日の全教育委員による
協議は有効との見解を示した文書を送付した。育鵬社の公民教科書
採択に反対する「住民の会」も21日、市教委に対し、東京書籍版の
採択を求める要請書を提出した。
ただ市教委は、すでに県教委に対し、公民教科書の需要冊数(必
要な冊数)を報告しており、要請には応じない方針。問題の解決に
向け、文科省と、東京書籍版を採択した竹富町教委の対応を注視し
ている。
東京書籍
需要冊数報告を
住民の会 県教委方針受け
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会(仲山忠亨ら共同代
表)は21日、市役所で会見、教科書問題の県教委方針を受け、東京
書籍版採択を改めて求める声明を発表した。
声明によると、東京書籍版を採択した3市町全教委の結論(9月
8日)が住民や保護者、教職員の声を反映していると指摘。「教科
書無償措置法」に照らしても合法的な決定であるとした上で、東京
書籍版の需要冊数報告を3市町教委に求めている。さらに、育鵬社
版採択を求める石垣市の玉津博克教育長を取り上げ、「全教委協議
会の無効」の主張に反論し、玉津氏の行政手法を「独断的・ずさ
ん」などと批判している。
会見後、住民の会は市教委と竹富町教委に公民教科書の統一など
を要請。与那国町教委にも近く、同様の文章を送付する。
★
■八重山毎日 10月22日
文科相「もう少し待って」
八重山の教科書問題
「いま検討の最終段階」
沖縄・八重山地区の教科書採択問題について、中川正春文部科学
相は21日の閣議後会見で、「いま検討の最終段階に私たちも来てい
る。もう少し待ってください」と述べた。
また、文科相は沖縄県教育委員会から、地区協議会が答申した育
鵬社版ではなく東京書籍版を採択した9月8日の協議を有効と主張
する文書が届いたことを明らかにした。
八重山地区で来年度から使う中学公民教科書をめぐっては、育鵬
社版を選定した地区協議会の答申に対し、竹富町教育委が不採択を
決定。石垣、与那国、竹富の3市町は9月に全教育委員が集まり東
京書籍版の採択を決めたが石垣市と与那国町の両教育長が無効を訴
え、現在も教科書が決まっていない。
住民の会
「東京書籍冊数報告を」
3市町教育委員長に要請
八重山地区の公民教科書問題について県教育委員会(中野吉三郎
委員長)が9月8日の「全員協議」は有効との見解を示す文書を文
科省に送付したことを受け、子どもと教科書を考える八重山地区住
民の会(仲山忠亨代表ら)は21日、全員協議で「採択」した東京書
籍の需要冊数を報告するよう3市町教育委員長に要請した。与那国
町には同日付で郵送した。
県の文書は「八重山地区の教科書採択問題に対する今後の対応に
ついて」との表題で19日付で文科省に送付した。住民の会は「正
式な文書、公文によって文科省に回答しており、その重みは大きい。
解決に向けた大きな前進」と話した。
県は対応文書で、文科省が通知した「協議会の規約に従ってまと
められた結果」について3市町教育委員会の採択権を拘束しない
「答申」で明記、今回の問題は答申と違う採択をした場合の協議や
手続きを3市町教委であらかじめ決めていなかったことによるもの
と分析した。
3市町教委に対しては「答申及び全員協議の有効性も含めて、協
議し、同一の教科書を報告するよう指導・助言・援助していく」と
している。
教科書問題
公開回答の期限過ぎる
市教委「手続き中」と慎重
石垣市情報公開条例に基づき八重山毎日新聞社が行った教科用図
書八重山採択地区協議会の議事録公開請求に対し市教育委員会は21
日、「諸手続き、準備が整い次第公開する」と文書で回答した。条
例によると、公開・非公開いずれの場合でも請求日から15日以内に
回答しなければならず、延長する際は30日以内と規定されている
が、本紙の請求は20日で30日以内の期限をすぎている。
回答文書で市教委は「地区協議会は、3市町教育委員会の諮問を
受けて構成されているため、各教委の了解を得た上で公開されるも
の」との認識を示した上で「現在、3市町教育委員会、協議会委員
の了解を取り付ける手続きを進めているところ。回答を受けた上で
各委員の意見集約の結果を踏まえ公開したい」との方針を示した。
市教委は、請求から15日が経過した10月5日、「公開について
は委員に諮る必要がある」として期限をさらに15日延長した経緯が
ある。この間、会議録が一部メディアで報道されたため、内容の
チェックに慎重になっているものとみられる。
■八重山毎日新聞 社説
混迷の教科書問題の中で
ー避けたい訴訟、不遜な市独自の採択ー
まるで市長選挙のようではないかーこういう声が巷間(こうかん)
で聞こえる。問題が当事者である生徒・学校を離れ、教育問題
から保革の政治問題にまで変質したことを揶揄(やゆ)してのこと
だ。そんな中、この解決法はいただけない
♦教育に訴訟はなじまない
住民団体は教科書採択の展開次第によっては行政訴訟を模索して
いるようだ。しかし、それは止した方がいい。教科書問題の解決に
裁判はなじまない。思考力、判断力の十分に伴わない中学生、教科
書を使用する当事者を脇に置いて市民運動の立場からの大人の争い
にこれ以上子どもを巻き込んではいけない。
訴訟を問題解決の方途にすることには賛成できない。教育には先
鋭すぎる。住民団体側は常々、自治の視点で教科書を決める、背後
には子どもがいるーという。そのことを考えるならば立ち止まって
考えるべきだ。強引に推し進めればそれこそ唯我独樽になりかねな
い。
行政訴訟は長大な時間を要する。加えて、堂々めぐり、かつ互い
に独善的な議論が展開される。何よりも生命線である授業実践を抜
きにしての審理が予想される。つまり学校(教室)から遊離すると
いうことだ。誰のための訴訟かということになる。デメリットが大
きすぎないか。
例えて言おう。採択されたA社教科書の使用差し止めをめぐって
行政訴訟を起こしたとする。
△まず、誰が原告になるか
△結審し判決が出るまで日数がかかる
△勝訴の場合、学期半ば、使用中のA社教科書が使われないことが
起こりうる
△敗訴の場合、石垣市教育長の手法を認めざるを得ない
△学校現場の混乱が必至
△父母の訴訟反対運動が起こることが予想される
△かくなる状況をつくることは住民運動の名に値しない
△住民訴訟が孤立しかねない
△これからの住民運動に影響を与える。
このようなマイナス面が考えられる。
呼び掛け人に元教員であった者も名を連ねているが、むしろ、他
をセーブする指導的立場に立ってほしい。地域社会において、訴訟
における勝者および敗者の混迷は、計り知れない負荷があるという
透徹した論理を知りたい。
♦市単独採択はとんでもないこと
先の市議会で、砂川利勝議員から中学校教科書八重山採択地区協
議会を抜けて市単独での採択の道を探ったらどうかーの一般質問が
あった。それに対して玉津教育長は、可能性としてはありうる旨の
答弁をしている。とんでもないことである。
質問も質問だが、答弁も答弁だ。八重山広域市町村圏事務組合を
設け、「八重山は一つ」の合言葉で課題を解決しているのにであ
る。都合の悪いものは切り捨てよ、の解決策には短絡この上なしと
しか言いようがない。
石垣市が竹富町の面倒を見てやっているの発想が透けて見える。
重荷も幸も共に分かち合い、進むーの理念や行動がなければ「八重
山は一つ」は首長の単なるあいさつにしかならない。
石垣市に来る観光客の大方は、離島観光として竹富町に行く。竹
富町に行くために石垣市に来るということになる。一衣帯水として
の両市町は互いに連携する中でしか成り立っていけない宿命にも似
た存在である。
♦質してこそ新聞の倫理
教育の分野においてもそのことが言える。教職員人事にしても、
学力向上にしてもしかり。八重山教育事務所が行う研修事業が異
なった教科書でできるはずがない。同一教科書を使っての研修であ
り、何も中学校社会科公民に限ったものではない。全教科同一の前
提のもとでのものである。これは、歴代の教育長が営々として積み
上げてきたものである。「可能性としてはある」の答弁には、意の
ままにしていると受け止められても仕方がない。
以前、教科書採択は小学校教科書は石垣市教委、中学校教科書は
竹富町教委と、住み分けし採択業務を分担していた。これも「八重
山は一つ」の理念と行動であった。市教委に事務局を置いた方が何
かと利便性がいいということで中学校も市教委に移行した経緯があ
る。それを、ある意図を持って意のまま規約を改正したことが教科
書騒動の発端である。それをただすことが新聞の倫理である。
2011・10・22 八重山毎日新聞
☆
【おまけ】
石垣市に在住の若い読者の関連メールを掲載します。
今日はおまけの方が充実しています。(汗)
★
狼魔人さんこんにちは
昨日(21日ー引用者注)のきんくる見ました
NHKは今回教科書問題から距離を置いてる感があって、多少は期待したのですが
結果は8:2で左寄りの報道になりましたね
石垣市民で賛成派の若者3人の意見を拾えたのはかろうじての収穫だったでしょうか
ただ、やはり経緯説明が不十分だと私も思います
あのままでは、玉津教育長は悪玉に写ってしまいます
しかしながら、玉津教育長の確固たる意志は少なくとも私にはご立派に見えました
NHKの良さはスポンサーに縛られず、外圧に強いという印象でしたが
残念ながらNHK沖縄に関して認識を改めなければならないようです
恐らくは記者クラブが最大の弊害だと思われますが
記者クラブでウラをとるのはかまいませんが他社のステレオではなく
独自の視点から別な部分にスポットをあててもよかったと思います
さて、本日の八重山毎日新聞社説は明らかに今まで書いていた方と違う気がします
http://www.y-mainichi.co.jp/news/19411/
訴訟に言及をして、それにたいしてブレーキをかけているように見えますが、
本音はこれ以上の煽りを避け、後世の謗りを避けんがための回避策にしか映りません
それとここ
〜〜引用開始
■市単独採択はとんでもないこと
先の市議会で、砂川利勝議員から中学校教科書八重山採択地区協議会を抜けて市単独での採択の道を探ったらどうか‐の一般質問があった。それに対して玉津教育長は、可能性としてはありうる旨の答弁をしている。とんでもないことである。
質問も質問だが、答弁も答弁だ。八重山広域市町村圏事務組合を設け、「八重山は1つ」の合言葉で課題を解決しているのにである。都合の悪いものは切り捨てよ、の解決策には短絡この上なしとしか言いようがない。
石垣市が竹富町の面倒を見てやっているの発想が透けて見える。重荷も幸も共に分かち合い、進む‐の理念や行動がなければ「八重山は1つ」は首長の単なるあいさつにしかならない。
石垣市に来る観光客の大方は、離島観光として竹富町に行く。竹富町に行くために石垣市に来るということになる。一衣帯水としての両市町は互いに連携する中でしか成り立っていけない宿命にも似た存在である。
〜〜引用終了
石垣市と竹富町が「一衣帯水」というのは賛同できます
石垣市と竹富町は互いの地域経済的に相互関係があってこそ成り立っているのは事実です
しかしながら、私は大きな憤りを感じます
じゃ、どうしろというのか、対案を出してから言うべきですが
毎日新聞の報道の経緯から「石垣市が竹富町に寄れ」とここでも言い張ってるに過ぎず
暗に批判を繰り返すだけで、果ては竹富町を切り捨てる解決策だと
石垣市が協議会から「離脱する」との方向も有り得る、と捉えることもできるのに。。。
竹富町に対して失礼千万、薄情なのは新聞のほうです
そして最後の一文を引用します
〜〜
ある意図を持って意のまま規約を改正したことが教科書騒動の発端である。
それをただすことが新聞の倫理である。
〜〜
(初めて毎日新聞から「瑕疵」という言葉が消えた気がします)
確かに意図はあります
が、それは玉津氏の教育理念であり、そこには思想の欠片もない熱い意志です
それを思想を持った集団が引っ掻き回したことが騒動の発端であり、
それを助長させた報道をただすことが市民のつとめだと思っています
よろしかったら人気blogランキングへ クリックお願いします