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放射能汚染と風評被害、群盲象をなでる専門家

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2日のテレ朝「TVタックル」で、青山繁晴さんが「今、菅首相が首相の座に一日でも長く居座れば居座るほど、被災地の災害が増えてくる」と指摘した。

そう、青山さんが言いたいのは、菅首相が震災復興の足かせになっているというより、むしろ災害を大きくしているという現状認識である。

菅首相が撒き散らした放射能の風評被害が、今後の震災復興の最大の問題になりつつある。

番組に出演した武田邦彦中部大学教授は、涙の記者会見をした内閣官房参与の小佐古敏荘東大大学院教授の意見を支持していたが、ここで注目すべきは二人の専門家は原子力専門家ではあっても医学の専門家ではないことである。

福島原発事故が起きて以来、次々と原子力専門家が登場するが、それが逆に混乱を引き起こしてい面もある。 最近の科学の分野では専門が細分化しすぎて、特定の分野の知識はあっても、総合的に物事の判断できる「専門家」がいないような気がしてならない。 

放射能の人体に及ぼす基準値で意見を述べている専門家は、小佐古教授にせよ竹田教授にせよ、原子力・放射能の専門家という"工学”の専門家であっても、"医学・健康”の専門家ではないのがその例だ。 

彼らの判断は専門が特化しすぎて「葦の髄から天を覗く」とか、あるいは「群盲象をなでる」の愚を犯してはいないか。 

小佐古教授が泣いたのは象を撫でて蛇と錯覚したからではないか。

そもそも彼らが判断の根拠にしている国際放射線防護委員会(ICRP)の判断基準にしても、医学会では反対されている「閾値なし線形仮説(LNT仮説)に基づいているという。 そしてそのLNT仮説はノーベル賞学者の間違った仮説を根拠にしていることは前に述べた。

では素人の一般国民はどっちの専門家を信じればよいのか。

専門家の意見が違う場合、万一を考えて出来るだけ放射能基準値を低く主張する専門家の意見に従うのが一般的である。 

だがそうなると風評被害がさらに加速されるというジレンマに陥ることになる。

それが行き過ぎると、毎日の天気予報のように放射能予報図が出回ることになる。

 ⇒全国のリアルタイム放射線量マップ

福島原発事故により放射能に対して過剰反応を示す報道が目につく。

だが、そもそも現代を生き抜くことは巷に氾濫する発がん物質を潜り抜けて生きるようなものではないか。

国際がん研究機関が発表したIARC発がん性リスク一覧によると、タバコが癌を引き起こす悪玉なのはもちろんだが、飲酒にも発ガンの危険性はあるというし、

タバコを止めるための「 無煙のタバコ製品 」(Tobacco products, smokeless)にもガン危険因子があるくらいだ。

極端な言い方をすれば発がん物質を恐れていたら、現代は生きてはいけないと言う向きもあるくらいだ。

黄砂に覆われた東京で、放射能を恐れて呼吸を止めるわけにはいかないからだ。

放射性物質が混じる黄砂に警戒感…新造語「黄砂能」誕生=韓国

次に、 チェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士のインタビュー記事を抜粋して紹介する。 ちなみにゲイル博士は放射能治療の専門医師である。この点先に紹介した稲博士と同じ立場にある。

 放射能汚染を巡る日本人の誤解と政府の説明責任
――チェルノブイリの惨状を知る被曝治療の権威
ロバート・ゲイル博士に聞く

 福島第一原発で復旧作業にあたっている作業

放射性物質が広範囲に拡散し、予断を許さない深刻な状況が続く福島第一原発。4月4日には、東京電力は国の基準値の約100倍に相当する濃度の「低レベル」汚染水約1万1500トンを海に放出する異例の措置に踏み切った。タービン建屋地下などに滞留するさらに高濃度の汚染水の回収先を確保するための応急措置であり、放出による人体への影響はないと東電・政府側は説明しているが、事態悪化を招いた両者への不信感は根強く、放射性物質の大気中への拡散や土壌汚染リスクがさかんに報じられるなかで、国民の不安は拭えない。はたして現状の放射線は本当に心配のないレベルなのか。陸海の多様な生物も汚染される中で、長期的に見た場合、放射線の累積量に本当に懸念はないのか。1986年のチェルノブイリ原発事故でソ連政府(当時)に依頼されて現地で救命活動に従事した放射線被曝治療の専門家、ロバート・ゲイル博士に話を聞いた。ちなみに、ゲイル博士は、福島原発事故後も日本を訪れ、事故対応について政府関係者らと意見交換をしている。同氏の結論を最初に伝えれば、現状の放射線量は心配のないレベルであり、そのことを説得力をもって国民に説明できる人間が政府内にいないことが問題だという。
(聞き手/ジャーナリスト、瀧口範子)

ロバート・P・ゲイル
(Robert P. Gale)


白血病および骨髄ガン治療を専門とする医師。分子生物学および免疫学からのアプローチで知られる。放射線生物学にも詳しい。 ニューヨーク大学バッファロー校で医学学士号、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で微生物学および免疫学の博士号取得。1973〜1993年までUCLA医学部で教壇に立ち、その間1986年にはチェルノブイリ原発事故後の被曝治療にあたる。薬品会社の研究所などを経て、2007年からセル ジーン社の血液学および腫瘍学の臨床実験担当エグゼクティブディレクター。 福島第一原発で復旧作業にあたっている作業員を診る医師らと会い、作業員を隔離治療する決断をどのような時に下すのかといった点について話し合った。また、東電関係者と被曝のレベルや作業員の保全についても懇談した。消防士や自衛隊、作業員、医師らが待機する事故対応拠点も訪れ、意見交換を行った。さらに、首相官邸では福山哲郎官房副長官と面談し、放射線のリスク、またそれを国民にどうわかりやすい方法で伝えるかについて話し合った。

 

――今回の来日の目的は何か。


――福島第一原発における作業員の作業環境や、日本政府の対応をどう評価しているか。

 医学的な観点から見て、作業員の安全確保は基本的に適切に行われていると考える。被曝線量限度もかなり保守的な目安に従っている。体内被曝、外部被曝を測定する各種計測器をつけて被曝量の管理を適切に行っている限り、そして想定外の爆発事故が起こらない限り、短期的にも長期的にも健康に影響が及ぶことはない。

 その一方で、日本政府は非常に難しい立場に置かれている。損なわれた信頼を取り戻すため、頻繁に放射線データを発表し透明性を確保しようとしている様子がうかがえるが、政府内に放射線に詳しい専門家がいないため、かえって混乱を招くだけの結果になっている。国民が理解できるような方法でデータを噛み砕いて伝えることができていないのだ。

 

――どのように噛み砕くのがいいのか。

 たとえば、(日本政府は)現在、飲料水では放射性ヨウ素が1リットルあたり300ベクレルを超えると好ましくないというメッセージを国民に伝えている(乳児の規制値は100ベクレル)。しかし、この数値は何も目の前のコップに入った水を飲むと危険だということを示しているのではない。

 20杯飲んでも大丈夫なはずだ。その値以上の飲料水を5リットルほど毎日1年間飲み続けたら、ガンになる確率が1万分の1上がる可能性がわずかにある、ということだ。そういう説明を、自信を持ってできる人間が政府内にいないことが問題なのだ。

――放射性物質を含む大量の汚染水が海に放出されたことで、魚介類への影響も懸念されているが。

 それについても、同じことだ。

 もちろん、放射性物質を含む汚染水を海に放出せずに済めば良かった。だが放射線が最も危険なのは濃縮した状態だ。広い海に流せば、希薄化する。海への放出は、現状で考え得る最善の選択肢なのだ。

 また、魚介類に対する放射性物質濃度の基準も、他のものを食べず、その魚だけを一生食べ続けたら、ガンになるリスクがわずかに増えるという程度ものだ。そもそも海には以前から放射性物質が含まれている。1994年まで海底での核実験が行われていたし、原子力潜水艦や核弾頭なども海底に沈んでいるからだ。海水の放射能汚染は何も新しいことではない。

 むしろ今後の問題は、人々が怖れるあまり近海の魚が売れなくなり、経済的な打撃を受けることだろう。だが、それは無知に基づいた反応以外の何ものでもない。政府は、専門家による委員会を組織し、そうした説明を国民に向けて行うべきだろう。今からでも決して遅くない。

 

――福島第一原発の周辺地域および住民はこれからどうすればよいのか。

 おそらく最もあり得るシナリオは、こうだ。原発の状況は改善しているが、完全に制御できるようになるまであと数ヵ月かかる。1号機から4号機は廃炉が決定的となったが、その方法が石棺(コンクリートで固める)であれば2〜3年はその作業に必要だ。解体撤去には、さらに数十年単位の歳月が必要だ。

 現在避難している周辺住民は、環境を注意深く調査してからの話だが、場所によっては、1〜2年のうちに元の住まいに戻ることができるだろう。チェルノブイリでも、立ち入り禁止区域に指定されている30キロ圏内で現在生活している人たちもいる。

――住民が戻ったとして、長期的に見て健康に影響が出る可能性はないのか。

 住民が放射線量の高い雲の中をくぐるようならば話は別だが、それは今回現時点では起こっていない。では、一定期間が経って、保守的な被曝線量限度の目安を超えた場合はどうなのか。むろん、土壌の放射能汚染がどの程度かによって、外部被曝だけでなく体内被曝のリスクも継続的に検査する必要があるのはいうまでもないが、たとえば70歳の高齢者でこれまでタバコを吸い続けてきたような人ならば、現状のレベルの放射線によるガンのリスクは微々たるものに過ぎない。若年層には勧められないが、高齢者ならば、場所によっては住み続ける選択肢もあり得るだろう。

 繰り返しになるが、より深刻な事故を起こしたチェルノブイリの30キロ圏内にも、今では住める場所はある。問題は細やかな環境調査に基づいて「ここはいいが、あそこはダメだ」といった区分けが徹底できるかということと、食糧確保など生活のためのインフラが本当に確保できるかということだ。チェルノブイリの半径30キロが原則立ち入り禁止区域に指定されている背景には、そうした区分けやインフラ確保が難しいからという事情もある。(略) 

つづく

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