宜野湾 反対意見書提案へ
市議会与党来月4日議決
県民投票予算秘訣も検討
住民の投票権奪えるのか
【識者評論】拒否は違法 訴訟の恐れ 武田真一郎 成蹊大学法科大学院教授
うるま 投票事務実施へ
宜野湾・糸満市は検討中
■社会面トップ県民意思 示す好期
辺野古賛否 明確に
反対・保留自治体に苦言
宜野湾市議会、辺野古移設賛否問う県民投票実施に反対へ 与党が意見書提案方針 琉球新報 2018年11月27日 13:01米軍キャンプ・シュワブ沿岸域の埋め立て区域の一部=10月18日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沿岸(小型無人機で撮影)
【宜野湾】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、同飛行場を抱える宜野湾市の市議会与党会派は26日までに、実施に反対する意見書を本会議に提案する方針を固めた。「県民投票条例の条文に普天間の危険性除去の要素がない」ことなどを提案理由に挙げている。12月4日に開会する定例会に提案する。議会構成が与党多数のため、可決される見通し。与党会派は今後、県民投票に必要な補正予算案の否決も検討する。
与党市議からはそのほか「賛成、反対の2択では民意が反映されない」「県民投票は普天間飛行場の固定化につながりかねない」「知事選で知事が『民意が示された』と言っている中で5億5千万円もの経費を使って実施する必要があるのか」などの懸念や批判が上がっている。
絆クラブ、絆輝クラブの与党各会派は26日に会合を開き、意見書の文案を調整した。27日の議会運営委員会に諮る。県民投票を巡っては、松川正則宜野湾市長も与党会派と同様な理由で懸念を示している。補正予算案は議会に提出する見通しだが、議会が否決した場合に専決処分で実施するかについては、「議会と調整したい」と述べるにとどめている。 (長嶺真輝)
県民投票「骨抜き」狙う 宜野湾議会が反対意見書案
琉球新報 2018年11月27日 13:33
辺野古 辺野古新基地 辺野古新基地建設 普天間飛行場移設 県民投票
<解説>
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立ての是非を問う県民投票に反対する意見書を宜野湾市議会が可決すれば、他の市町村議会の動向や、投開票に必要な予算の議会審議などに影響を与える。宜野湾市議会与党は投開票事務の予算案を否決することも検討している。普天間飛行場を抱える地元で投票ができない場合、投票結果に説得力を欠くとみられる可能性がある。
与党会派の市議は「普天間飛行場を抱える地元であることが強みだ。市民の民意は危険性除去だと既に示されている」と強調する。一方、県民投票の結果、埋め立てに反対する票が大半を占めることへの保守政党の警戒が背景にあり、県民投票を「骨抜き」にしたい思惑も透ける。
県民投票の実施を求める署名をした宜野湾市民は5264人、有効署名数は4813人分に上る。住民からの直接請求は民主主義を担保する手続きの一つだ。その意思や県議会で可決された条例の趣旨を否定することになり、慎重な議論が求められる。
宜野湾市民の間で「今ある普天間飛行場の問題が置き去りにされている」との不満があるのも事実だ。県がそうした声にどう応え、協力を取り付けることができるか注目される。
宜野湾市議会の動きは保守系が多数議席を占める他の市町村議会にも波及する可能性がある。県民投票条例は市町村が投開票などの事務を担うと定めており、首長は協力する義務を負う。議会が予算を否決した場合でも首長が専決処分して予算を成立させることができる。態度を保留している4市長の動向が今後の焦点となる。
補正予算が成立しなければ、その市町村の住民は投票権を行使できないことになる。県民投票の実施を求める約10万人分の署名を県民がどう捉え、行動するのかも問われる。 (明真南斗)
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〈識者の見方〉
政治家は参加し説明するべきだ
仲地博沖縄大学長(行政法)の話 1996年の県民投票と同様に今回の県民投票も政治的運動である。米軍普天間飛行場の辺野古移設に賛成する人と、やむを得ないという人は、その意思を示す機会として県民投票に参加すべきだ。
政治家もそのように説明し、有権者を説得すべきである。
しかし、そうすることなく、費用の面や選択肢などを理由に逃げている。石垣市や宜野湾市などで、仮に県民投票をしないということになれば、市長や市議会議員の政治責任が問われることになる。
民主主義はお金も人も時間もかかる制度である。それが民主主義という制度のコストだ。「お金がかかる」という理由で民主主義を否定することはできない。
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機会の剥奪 許されない
白藤博行専修大教授(行政法、地方自治法)の話 県民の代表である県議会で条例を制定し、実施を決めた県民投票は、選挙以外のもう一つの民主主義の実践であり、国政にはない直接民主主義の実践だ。市町村が、このような県民の機会を安易に剥奪することは許されない事柄である。
今回の県民投票は、形式的には行政主体である沖縄県が県民投票の実施主体だが、実質的には多くの賛同署名を踏まえた県民主導の住民投票であるといえる。
県民の住民投票権を奪うことには、市町村議会においてもイデオロギーにとらわれず、直接民主主義の保障という観点から、ことさら慎重な議論が必要である。
☆
>宜野湾市の市議会与党会派は26日までに、実施に反対する意見書を本会議に提案する方針を固めた。
>「県民投票条例の条文に普天間の危険性除去の要素がない」ことなどを提案理由に挙げている
再三述べてきたが普天間基地返還(移設)」と辺野古移設(埋め立て)」とは、表裏一体であり二つに分けては論議できない事案である。
「県民投票」が欠陥だらけといわれる理由は、「二択」が「辺野古埋め立て」の賛否を問うだけに絞られ、辺野古移設の原点である「普天間基地返還(移設)の民意は黙殺されるからだ。 「辺野古埋め立て」に賛成したら、必然的に普天間基地に固定化に繋がる。
>宜野湾市民の間で「今ある普天間飛行場の問題が置き去りにされている」との不満があるのも事実だ。
一番の当事者である宜野湾市民の民意を不問にした県民投票で、まともな民意が分かるはずは無い。
>県民投票に反対する意見書を宜野湾市議会が可決すれば、他の市町村議会の動向や、投開票に必要な予算の議会審議などに影響を与える。
>宜野湾市議会与党は投開票事務の予算案を否決することも検討している。普天間飛行場を抱える地元で投票ができない場合、投票結果に説得力を欠くとみられる可能性がある。
現在石垣市が県民投票に反対の意見書を議決し、宜野湾市も来月初旬に「反対」の意見書を上程のよていで糸満市なども態度を保留している。
たとえ欠陥だらけの県民投票でも県議会で議決されたものは実行すべきと県民投票を後押ししているのが沖縄2紙。
おなじみの【識者】を総動員して「拒否は違法 訴訟の恐れ」などと拒否する立場の市町村長に圧力をかけている。
「県民投票」の実施に強制力が無い以上、県としては各市町村長に「お願い」する以外になす術は無い。
仮に識者の先生方が脅迫するように、市民団体による訴訟が起きたらどうなるか。
喜んで提訴に応じればよい。
本来だったら「二択」という欠陥だらけの県民投票の無意味さを沖縄2紙が糾弾すべきだが、残念ながら沖縄2紙は「普天間基地移設(返還)の民意には目を閉ざしている。
被告となった各市町村長は法廷の場で堂々と「欠陥だらけの県民投票」を否定した理由を述べればよい。
「欠陥だらけの県民投票」(民意を誤誘導する県民投票)を強要するような住民訴訟で敗訴するはずは無い。
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