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人民元、3日連続大幅引き下げ

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株、一時400円超安 人民元安でちらつく2万円割れ
証券部 南雲ジェーダ
2015/8/12 17:14
 
 12日の日経平均株価は一時、下落幅が400円を超える大荒れの展開となった。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対ドルでの基準値を連日で切り下げたことがきっかけだ。中国の実体経済が想定以上に悪いとの見方に加え、アジアなど他国にも波及しかねないとの懸念が広がり、運用リスクを回避する動きが一気に広がった。一部には節目の2万円を割り込むとの声も出始めている。

 この日は東証1部の8割超の銘柄が下落するほぼ全面安の展開だった。とりわけ下げがきつかったのが中国関連とされる銘柄だ。JFEホールディングスは一時前日比7%安の2188円まで下落し、年初来安値を更新。コマツや伊藤忠商事は一時4%下落するなど、総崩れの展開だった。

 これまでなら中国関連銘柄が売られても、内需関連銘柄の買いで日経平均は堅調さを保ってきたはずだが、きょうは違った。食品や小売りなどそうした内需関連銘柄の一角にも下げが広がったのだ。ヤクルト本社が一時6%安に沈んだほか、三越伊勢丹ホールディングスなども売りに押された。

 中国関連、そして内需関連の下落の底流にあるのが中国経済の失速懸念だ。景気失速を回避するために人民元を連日切り下げたことで、「中国の実体経済はどれだけ悪いのか」との懸念が急速に深刻になってきた。中国で稼ぐ企業の収益が鈍化するとの危惧が売り材料となった。

 それだけではない。日本株をけん引してきた内需関連の追い風であるインバウンド(訪日外国人)需要が弱まるとの警戒感もある。中国株安に人民元安が加われば、富裕層の消費にブレーキがかかる公算は大きい。国内需要だけでなくインバウンドによる需要を取り込む形で業績、そして株価を上げてきた資生堂などのインバウンド銘柄がその評価を見直されかねない。

 人民元安がアジア通貨安に飛び火するとの思惑も重荷となった。中国と米国向け輸出などで競合するインドネシアやベトナムなどのアジア各国は今後、輸出競争力を維持するため通貨を切り下げる可能性が高い。人民元安にアジア通貨安が重なれば世界景気の減速につながり、世界的なリスクオフになりかねない。

 市場関係者は人民元のさらなる下落を見込む。人民元の基準値は前日の終値をベースに決めるため、13日以降も切り下げが止まるかが不透明なためだ。野村証券の山口正章エクイティ・マーケット・ストラテジストは明日も切り下げの可能性が高いとみる1人。「中国の景気が悪いとの思惑が切り下げで強まり、2万円を割る調整がありうる」と指摘。いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員も「このまま人民元の切り下げが続けば、2万円割れは避けられない」と話す。

 もっとも、市場は弱気一辺倒ではない。米国経済が底堅く、中国経済も人民元安で景気の底割れを回避できれば、好業績を支えとする株高シナリオは崩れていないといえるからだ。この下げは一時的な調整であるとの見方が少なくなく、この日も大引けにかけてはやや下げ渋った。三井住友アセットマネジメントの木村司マーケット情報部長は「円安は進んでおり、内需も底堅さを失っていない。日本株の先高観は薄れていない」と話す。この日も通信株や建設株など外部環境の影響を受けにくい業種は逆行高となっていた。投資意欲は衰えておらず、人民元が下げ止まれば、再び買いが優勢になる局面もありそうだ。

 

人民元、3日連続大幅引き下げ 4年ぶり元安ドル高水準

北京=斎藤徳彦

朝日新聞 2015年8月13日11時37分

 中国の中央銀行、中国人民銀行は13日、この日の人民元取引の基準値を前日よりドルに対して1・1%引き下げて1ドル=6・4010元にしたと発表した。11日から3日連続での1%を超える大幅な引き下げで、約4年ぶりの元安ドル高水準となった。

 人民銀が11日、より市場の実勢に合わせた基準値にすると公表したことで、人民元の基準値はこの3日間で計約4・5%超も引き下げられた。市場では13日午前も、基準値より元が値下がりした水準で取引が続いており、今後も元安が続く可能性がある。

 ただ、13日の引き下げ幅は前の2日間よりも小さい。人民銀幹部は13日午前の会見で「(従来の)基準値と市場レートとの食い違いはほぼ修正された。将来は人民元は上昇基調に戻る」と発言。急な元安は一時的に過ぎないとの見方を示した。12日の取引終了にかけて、市場では値下がりしていた元が値を戻しており、「人民銀が元安に歯止めをかけるため、元買い介入をした」(市場関係者)との観測もある。

 市場での人民元レートは、毎朝公表される基準値の上下2%の変動幅の中で許される。人民銀は11日に、この基準値の算出方法を「市場での前日の終値を参考にする」などと変更。これにより、元安の方向に振れていた市場のレートがより基準値に反映されやすくなったとされる。(北京=斎藤徳彦)

 

令計画氏弟の“機密爆弾”に習政権戦慄 党幹部の不正蓄財や情事ビデオも

夕刊フジ 2015.08.12


習近平政権に粛清された令計画氏(左下)。その弟、令完成氏が機密情報で習政権を揺さぶる(共同)【拡大】

 中国共産党を率いる習近平指導部に重大懸念が浮上している。失脚した令計画・人民政治協商会議副主席の実弟が党指導部に関する機密資料とともに米国に亡命。2700点に及ぶ資料には複数の党幹部の不正蓄財や情事に関する情報が含まれるともいわれ、注目を集めている。亡命劇の背後には、「中国共産主義青年団(共青団)派」トップの胡錦濤・前国家主席の影もちらついているという。習氏がおびえる“機密爆弾”の中身は-。

 米紙ニューヨーク・タイムズなどが報じた習政権の新たな火種。その渦中にいるのは、胡錦濤・前国家主席の最側近として知られ、日本の官房長官に当たる政権の大番頭役、党中央弁公庁主任を長年務めた令計画氏の弟、完成氏だ。

 同紙などによれば、亡命した完成氏は、カリフォルニア州に豪邸を構え、妻とともに「ジェイソン・ワン」などの偽名を使って暮らしていたという。

 兄の計画氏は、習政権が主導する「反腐敗運動」のターゲットとされた末に当局に拘束され、先月、党籍剥奪の処分を受けた。しかし、立場上、党の機密情報に触れることができた計画氏は、「もしもの事態」に備えて集めた情報を弟に託したのだという。

 その舞台裏を『月刊中国』発行人の鳴霞(めいか)氏は、「計画氏が在職中に仕入れた機密情報は計2700点に及ぶといわれている。弟の完成氏はその資料を携えて、おいとともに中国を出国し、シンガポール経由で米国に渡ったといわれている」と明かす。

 持ち出された資料の大部分は党幹部の海外での不正蓄財に関する情報だったが、「なかには幹部の情事の一部始終を隠し撮りしたビデオも含まれるといわれており、その範囲は、習政権のみならず、旧政権時代にまで及ぶ」(鳴霞氏)。

 明るみに出れば、現政権の権威失墜は避けられない。

習政権は、そんな爆弾情報を握る完成氏の身柄引き渡しを米国に繰り返し求めてきた。今春に予定されていた、反腐敗運動を取り仕切る王岐山・党中央規律検査委員会書記の訪米も、主な目的は完成氏の引き渡し要求だったともいわれている。

 その完成氏は、反腐敗運動でとらわれの身となった一族への便宜を図るよう習政権に揺さぶりをかけているとされる。

 しかし、その背後にはより大きな黒幕の存在も見え隠れする。

 中国事情に詳しい評論家の石平氏は「完成氏の背後には、兄の計画氏がかつて仕えた胡錦濤氏がついている可能性がある。胡氏は、完成氏が握る機密情報を権力闘争を勝ち抜くための“最後のカード”として利用する腹づもりなのだろう」と指摘する。

 習政権は、腐敗官僚の撲滅をうたってスタートさせた反腐敗運動を使って敵対勢力の追い落としを図ってきた。

 そのメーンターゲットとなってきたのが江沢民・元国家主席率いる「上海閥」だった。周永康・前党政治局常務委員ら派閥に属する複数の幹部を次々と粛清してきた一方、胡氏を後ろ盾とする「共青団派」とは微妙な距離を保ってきた。しかし、習政権が胡氏の右腕的存在だった計画氏を失脚させたことで、関係は一気に緊迫化した格好だ。

 「胡錦濤氏は、2017年の党大会をにらんでいる。ここで江沢民氏の影響下にある幹部が軒並み定年を迎え、『上海閥』は一掃される。その機会に配下の『共青団派』の幹部を政権中枢に送り込んでイニシアチブを握り、習政権から実権を奪うつもりだろう。完成氏が持つ機密情報をそのための切り札に使い、習政権から大幅な譲歩を引き出そうとしている可能性がある」(石平氏)

 習政権をめぐる権力闘争は抜き差しならない状況になってきた。

 

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