島尻 安伊子氏
島尻安伊子参院議員がことし3月に開かれた参議院自民党・政策審議会で、民報の放送番組やCMなどの過去のデータを蓄積する「放送アーカイブ」構想を議論した際に「先日の選挙では私の地元(沖縄)のメディアは偏っていた。あの時どうだったか調査するのは大事だ」と述べ、同制度を政治家が放送局の報道監視に利用する意向を示していたことが分かった。
放送アーカイブは国会で導入が議論されているが、制度骨子案は「文化的資産として放送番組を蓄積し利用する」としている。
島尻氏の発言について、制度の趣旨を逸脱した政治利用の可能性を指摘してきた専門家は発言に懸念を示している。
島尻氏の発言は27日に記者会見した糸数慶子参院議員が公表し、本紙も事実関係を確認した。島尻氏は本紙の取材に「政策審議会としての議事録はない」と述べ、「選挙-」を含めた発言内容は厳密には覚えていないとした。一方、「沖縄のメディアについて多種多様な意見を報道してほしいという思いはある。真意としてはその文脈のことを言ったと思う」と述べた。
その上で「偏った報道の調査」について、「仮に言っていたとしても、個別な放送局名を挙げておらず、現在問題になっている百田尚樹さんの圧力発言や(自民党議員の)『マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番だ』といった内容の発言もしていない。質が異なる」と説明した。
「偏向報道の調査」が放送アーカイブ制度導入の骨子案と異なる点については「党内部の勉強会だ。多様な意見があっていい。制度の骨子案も案であり、最終決定ではない」と述べた。関係者によると、この会合には党内部だけでなく放送アーカイブ制度の運用主体となることが検討されている国立国会図書館の総務部長らも参加した。
一方、同問題の政治利用の可能性を指摘してきた専修大学文学部人文・ジャーナリズム学科の山田健太教授は「発言はメディアの報道が偏向していることを前提に調査を求めるものだが、その延長線上には当然、個別番組に対し抗議をする、あるいは総務省に行政指導を求めるといった行為が続くと考えるのが自然だ」と述べ、報道への圧力を招くと指摘した。
一方、島尻氏は2014年11月に開かれた講演会に登壇した際、県内メディアの報道について「報道ではなく扇動だ」と発言していたことが分かった。これについて島尻氏は「『そう言われている』と言ったという趣旨だ」とした。(島袋良太)
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琉球新報の悪意に満ちた飛ばし記事に対し、島尻議員が自身のブログで抗議した。
それがこれ。
今朝の琉球新報の記事について、厳重に抗議します。記事の見出しに「放送アーカイブ 報道監視に利用 島尻氏が意向」とありますが、そんなことは私は一切発言しておりません。
この議論の発端は、この度の百田氏発言に対して記者会見した糸数慶子参議院議員が、関連して3月に行われた参議院自民党政策審議会勉強会での、私が講師に質問した内容が看過できないと指摘したことです。
この勉強会の議事録はなく、しかもこれに出席もしてない糸数議員がどこかからの伝聞で会見することに違和感を感じております。
琉球新報の取材には丁寧に対応しました。
正式に議事録はないですが、百田氏発言の波紋が広がっている中、同じような言論弾圧かのような誤解があってはいけないと思い、琉球新報記者にはちゃんと説明し、彼自身は理解してくれたのですが、次の日、朝の記事を見てビックリしたところです。
私の真意とは全く違う表現の大見出しだったのであります。 県連会長としてもきちっと対応してまいります。 これまで沖縄2紙の捏造記事に対して被害にあった沖縄の政治家は泣き寝入りするのが常であった。 今回、島尻議員は琉球新報との「言った言わない」の論争に決着をつけるため、取材時の音源の提出を求めている。 本紙に取材音源要求 放送アーカイブ報道で島尻氏(2015.6.30) 島尻議員が本気モードで琉球新報に対して、取材の音源提出を求めたことに驚いたのか、琉球新報は「第三者に音源提供は応じない」という理由で拒否している。 ところが島尻議員は第三者ではなく当事者である。 しかも来年の参院選を控え、このような事実無根誹謗中傷記事を書かれたら、名誉毀損による提訴も視野に入れてもう抗議すべきだ。 ☆ ■二番の獲物は木原議員 発言していないのに「本人発言」として、沖縄タイムスの毒牙に掛かった二番目の獲物が自民党の木原議員だ。 6月30日の沖縄タイムス一面に、木原議員が(慰霊祭で首相に暴言を吐いた男は)『県が動員」などと報道し、あたかも 木原議員自身の発言であるかのような印象操作した。 安倍首相に怒号「沖縄県が動員」自民木原氏発言 沖縄タイムス 2015年6月30日 ●追悼式で安倍首相に怒号を浴びせた参列者は「動員されていた」
●自民党青年局長を更迭された木原衆院議員が動画サイトで発言した
●主催した一人、沖縄県議会の喜納昌春議長は「あり得ない」と絶句
木原稔議員
【東京】報道機関を批判する意見が相次いだ自民党の若手議員の勉強会の代表で、党青年局長を更迭された木原稔衆院議員(45)=熊本1区=が、23日の沖縄全戦没者追悼式で安陪晋三首相に怒号を浴びせた参列者について「明らかに動員されていた」と、インターネット動画サイトで述べていたことが29日までに分かった。主催した県は「動員などはあり得ない」としており、県内からの反発が一層強まりそうだ。
木原氏は29日、沖縄タイムスの取材に応じず、事実関係の問い掛けにも答えなかった。木原氏の発言は25日の動画サイト「チャンネル桜」で配信されていた。だがこの動画は、29日夕までに非公開となっている。
動画で木原氏は、翁長雄志知事が平和宣言を読み上げる際には拍手が起き、安倍首相のあいさつ時には「帰れ」などのやじが飛んだことを「極めて異様な雰囲気だった」「(首相へ)罵声を浴びせたのは一部の固まった席の方」「主催者は沖縄県である」などと解説。「たくさんの式典や集会を見ているから分かるが、明らかに動員されていた」と持論を述べた。さらに、「そういったことが式典の異様な雰囲気になった原因ではないか」とし、やじを飛ばしたのは県の動員による参列者との見方を示した。
追悼式の主催者の一人である県議会の喜納昌春議長は「いくら何でもひどすぎる。ゆゆしき発言で、悲しくなる」と絶句。「自民党に沖縄のことを何も知らない議員がいることが問題。末期的だ」と怒りをあらわにした。
木原氏は25日、党本部で作家の百田尚樹氏を講師に招いて若手議員による「文化芸術懇話会」を開催。沖縄の2紙をはじめ報道機関に圧力を求める発言が出て問題となり、党本部は27日に木原氏を更迭した。
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記事のどこを読んでも木原氏が「暴徒を県が動員した」とは書いていないし、記者が「やじを飛ばしたのは県の動員による参列者との見方を示した」と勝手に推測にしたに過ぎない。
記者の単なる願望を一面トップに掲載し、木原氏の名誉を毀損している。
木原氏には、提訴を視野に入れた厳重な抗議をすべきである。
【おまけ】
国会議員や宜野湾市議会が「言論弾圧の抗議声明」を議決する中、それ自体が言論弾圧に相当するとして抗議決議を否決した賢明な市議会があった。
本日の沖縄タイムス3面の最下部にこんな見出しが。
百田氏への抗議否決
豊見城議会「言論の自由」
「百田氏にも言論の自由がある」というのが否決の理由だという。
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