厳かな慰霊の場に政治的主張を持ち込んでいいのか。糸満市で開かれた沖縄全戦没者追悼式で朗読された翁長知事の「平和宣言」に懸念を感じた八重山住民も多かったはずだ。翁長知事が宣言で、政府に米軍普天間飛行場の辺野古移設中止を要求した◆会場からは、翁長知事に対しては拍手、安倍首相に対してはヤジが飛び、さながら政治集会だった。これも県の「平和宣言」が発端だ。こんな騒然とした追悼式で、果たして御霊は安らかでいられるだろうか◆八重山で開かれた追悼式は対象的だった。参列者はあらゆる政治的対立を超え、静かな雰囲気で戦争の悲惨さを語り、平和への思いに心を一つにした。主張の違いは何ら問題にならなかった◆最近、辺野古移設阻止を訴える知事の言動はエスカレートの一途をたどっているように見える。先月には「抑止力のために(辺野古移設が)必要だと日米両国が決めても止める」と述べ、今月は辺野古移設阻止を目的とした「辺野古新基地建設問題対策課」を県庁に新設した◆辺野古移設に向けた作業が進む中、県に苛立ちがあることは理解できる。しかし「反基地」の最も過激な主張が、そのまま県民の声として発信されているような現状では、県民の1人として不安を感じずにはいられない。
6月24日 知事、異例の辺野古中止要求 沖縄戦70年、不戦誓う 首相「負担軽減に全力」 沖縄県は23日、太平洋戦争末期の沖縄戦の戦没者20万人以上を追悼する「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園では、県などの主催で「沖縄全戦没者追悼式」が営まれ、安倍晋三首相やケネディ駐日米大使らが参列、不戦の誓いを新たにした。県内外の遺族や関係者ら約5400人が姿を見せた。翁長雄志知事は平和宣言で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設には「昨年の選挙で反対の民意が示された」として「政府は固定観念に縛られず、移設作業の中止を決断することを強く求める」と訴えた。知事が平和宣言で、国と対立する政治的主張をここまで鮮明に打ち出すのは異例だ。
☆翁長知事が平和宣言の大半を占める辺野古関連の文言を読み上げているときは拍手と歓声と指笛が会場に鳴り響いた。
一方の安倍首相が哀悼の言葉を発しているときには罵声や野次が乱れ飛んでいた。
70年の節目の年の追悼式典が行われてい厳粛な場において、戦没者を追悼するという気持ちよりもイデオロギーを優先する行為は、式典に招かれている遺族も気分を害するだろうし、何よりも追悼される御霊が浮かばれるはずはない。
翁長知事は慰霊の日を自分のイデオロギーに利用する「異例の日」と勘違いしているのではないか。
安全保障事案である辺野古移設には反対しながら、尖閣を狙う中国に対しては沈黙を守っている翁長知事に中山石垣市長が批判の矢。
「中国には言わず、米には主張する」石垣市長が沖縄知事批判2015年6月17日 【石垣】尖閣諸島で中国公船が領海侵犯を繰り返している問題で、石垣市の中山義隆市長は16日の市議会で「翁長雄志知事は中国のトップに会っても何も発言せず、アメリカでは米軍基地問題をドンドン訴えている」などと知事の対応を批判した。崎枝純夫市議の質問に関連して答弁した。崎枝氏は自衛隊配備や辺野古移設、尖閣諸島などの問題に触れ、翁長知事を支援する立場で質問。
中山市長は、知事が経済交流促進を目的に4月に中国で李克強首相らと面談したことを挙げ「翁長知事はマスコミに『領土問題は一地方自治体の長が言うべきでない』と述べた。私は大変憤った」と指摘。
「中国の公船が沖縄の行政区域で領海侵犯を繰り返す中、中国トップに会えても何も発言しない。片方の国に言わず、アメリカでは基地問題を言う。那覇市長だったらいいが、沖縄県知事だ」と語気を強めて批判した。
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