



中国河北省で拘束されていた準大手ゼネコン「フジタ」(東京都渋谷区)の日本人社員4人のうち3人が30日、解放されたことで、関係者には「最悪の事態からは一歩前進した」との受け止め方が広がった。ただ、依然1人は身柄拘束されたまま。恫喝同然に揺さぶりを加える中国のやり方に専門家からは「恩に着せるつもりか」と批判の声が上がっている。 「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした」。30日に解放された井口準一さん(59)は中国・上海の空港で、報道陣の問いかけに頭を下げた。 橋本博貴さん(39)の母親は都内の自宅で「ほっとしました」と胸をなで下ろした。父親に橋本さん本人から「無事でいる」と電話があったといい、「ほかの親御さんもそうでしょうが、心配でした」と不安な心境を振り返った。 だが、高橋定さん(57)は依然、拘束されたまま。フジタ本社では高山浩一郎総務人事部長が「一刻も早く帰国できることを祈る」と硬い表情を崩さなかった。 同社では解放後、3人と直接連絡が取れず、拘束時の状況も不明。中国側の対応について「なぜ1人だけ拘束しているのか理解しがたい」とし、「外務省や現地の大使館に尽力をお願いしたい」と訴えた。 4人は、旧日本軍の遺棄化学兵器関連事業受注に向けた視察のために河北省を訪問。軍事管理区域に侵入、撮影をしたとして20日に軍事施設保護法違反の疑いで拘束された。 早稲田大学大学院法務研究科の小口彦太教授(中国法)によると、軍事施設の撮影などの違反行為には、課徴金納付などの行政処分が適用されるのが一般的だが、組織的犯行など「より悪質なケース」と認定されれば、3年以上7年以下の懲役刑が科される。 拘束が続く高橋さんについて、小口教授は「3人のリーダー、つまり主犯格と捜査当局が判断したのであれば、予断を許さない状況にある」といい、「中国は政治と捜査が密接にかかわっている。(高橋さんが)外交のカードとして残された可能性もあり、先行きは不透明だ」と話す。 また、平松茂雄・元防衛研究所研究室長は「3人釈放で恩に着せるつもりではないか」と分析し、1人の拘束を続けるのは「取引材料にしようとしている」と中国を非難。官邸筋からは「衝突事件を起こした中国漁船の乗組員14人はすぐに帰国させ、船長だけを拘束した日本政府への当てつけではないか」と先行きを懸念する声が漏れた。
中国河北省で拘束されていた準大手ゼネコン「フジタ」(東京都渋谷区)の日本人社員4人のうち3人が30日、解放されたことで、関係者には「最悪の事態からは一歩前進した」との受け止め方が広がった。ただ、依然1人は身柄拘束されたまま。恫喝同然に揺さぶりを加える中国のやり方に専門家からは「恩に着せるつもりか」と批判の声が上がっている。 「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんでした」。30日に解放された井口準一さん(59)は中国・上海の空港で、報道陣の問いかけに頭を下げた。 橋本博貴さん(39)の母親は都内の自宅で「ほっとしました」と胸をなで下ろした。父親に橋本さん本人から「無事でいる」と電話があったといい、「ほかの親御さんもそうでしょうが、心配でした」と不安な心境を振り返った。 だが、高橋定さん(57)は依然、拘束されたまま。フジタ本社では高山浩一郎総務人事部長が「一刻も早く帰国できることを祈る」と硬い表情を崩さなかった。 同社では解放後、3人と直接連絡が取れず、拘束時の状況も不明。中国側の対応について「なぜ1人だけ拘束しているのか理解しがたい」とし、「外務省や現地の大使館に尽力をお願いしたい」と訴えた。 4人は、旧日本軍の遺棄化学兵器関連事業受注に向けた視察のために河北省を訪問。軍事管理区域に侵入、撮影をしたとして20日に軍事施設保護法違反の疑いで拘束された。 早稲田大学大学院法務研究科の小口彦太教授(中国法)によると、軍事施設の撮影などの違反行為には、課徴金納付などの行政処分が適用されるのが一般的だが、組織的犯行など「より悪質なケース」と認定されれば、3年以上7年以下の懲役刑が科される。 ◇ 結論を言うと、中国は、一人残った邦人人質は、少なくとも今月の5日までは解放しないであろう。 菅首相はブリュッセルで4―5日に開くアジア欧州会議(ASEM)首脳会合に参加する予定である. 前原外務大臣等は、同会議に出席の際、尖閣諸島沖での巡視船と中国漁船の衝突事件に対し、 日本政府の立場を国際世論に強く主張すべきだとしている。 中国はASEM会議での菅首相の言動を見届けた上で、人質解放を判断の材料にする魂胆である。
だが、中国を刺激することを恐れる腰抜け首相にそんな主張が出来るはずもない。 結局は温首相に拝謁の機会を見つけ、 「ビデオは公開しませんから、残りの人質を帰してください」とひれ伏して、 人質問題に限り一件落着となる。 マスコミは一斉に、中国の「大人の対応」とか「大人の風格」とかで絶賛するであろう。



