秦 郁彦
PHP研究所
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米長官、オスプレイ予定通り配備の意向 「日本防衛に貢献」 来日中のクリントン米国務長官は8日、玄葉光一郎外相と都内で会談し、安全性への疑念が日本側に広がる米垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)配備計画を予定通り進める考えを表明した。外相は墜落事故に関する迅速で十分な情報提供を求めた。米外交トップが計画堅持を明言したことで、今月下旬の米軍岩国基地(山口県岩国市)への機体搬入を控え、日本政府は地元対応に苦慮しそうだ。長官は会談後の共同記者会見で「沖縄に配備すれば日本の防衛に貢献する。人道支援や災害対策の任務を行える」と強調。「われわれの安全保障のニーズに応えるために適切な装備が必要だ」と米側の立場を主張した。
一方で「日本側の懸念を理解する。最も高い安全基準を確保したい。事故調査が終わった時点で結果を伝えたい」と不安解消に努める姿勢も示した。玄葉氏は「岩国や沖縄、全国で非常に厳しい反応がある。深刻だ」との現状を伝えた。
在日米軍再編について、両外相は在沖縄海兵隊のグアム移転などで合意した共同文書に沿った作業加速で合意。日本外務省によると、普天間移設に関し、玄葉氏は会談で「沖縄県名護市辺野古への移設の約束を確認する」と指摘。長官は「両国間で調整し、具体的な進展を得たい」と述べた。
玄葉氏は環太平洋連携協定(TPP)への日本の交渉参加に向け「事前協議を前進させるようお互い努力したい」と求め、長官は「日本の参加は大変重要だ」とした。
両氏は、中国が影響力を強める南シナ海の安全保障で緊密連携を確認。玄葉氏は、米国産天然ガスの輸出を要望した。
外相会談に先立ち、野田佳彦首相は都内のホテルで長官と会談し、同盟深化を図ることで合意。北朝鮮情勢について日米韓の緊密な連携が大事との認識で一致した。TPPでも協議した。
長官は、8日に都内で開催したアフガン復興国際会議のため来日した。
☆ いま日本中を大きなうねりとなって広がりつつある二つの「反政府運動」を危惧する。 一つは人災と言われた福島原発事故に端を発する「反原発運動」。 そしてもう一つはオスプレイ反対を楯に全国に広がりつつある「反米軍基地運動」。 二つの運動を危惧する理由は、何れもわが国のエネルギー問題と国防問題に深く関わり国益に直結する問題だからだ。 これらの運動が民主党政権の失政が起因することを考えれば、民主党政権を選択した国民の自業自得と言えなくもない。 日米戦争勃発の直接の引き金は、アメリカ主導によるABCDラインの「石油輸禁」即ちエネルギー問題だった。 これを考えれば、エネルギー問題の議論を省いて「反原発運動」に直進するデモのうねりに、昭和16年の一連の対日経済制裁を連想するのは考えすぎか。 反原発運動では、60年安保、70年安保で挫折した古い全共闘世代がゾンビのように甦って若者の先頭に立って扇動しているのもこの運動の特徴だ。 引退したと思っていた鳥越俊太郎氏などは全共闘の革命の夢よもう一度とばかりに、「TBS報道ステーション」に登場し、ゾンビも驚く興奮振りだったという。 まさにスリラーである。 筆者は報道ステーションは最近見ないので、その時の鳥越氏の異常な興奮ぶりを「知恵袋」から抜粋し引用する。 6月29日、官邸前で大規模な原発再稼動の反対デモが起きました(毎週金曜日やってるそうですが)。7月2日の「ten!」というニュース番組は、主催者発表をそのまま垂れ流し「20万人デモ」と報道しました。誰が見ても20万人もいませんでいた。何年前かは忘れましたが、GLAYと言うバンドが20万人ライブというのをやりましたが、その半分もいなかったでしょう。警察発表では1万7千人だったそうな。実際に行った人の感想では、あの場所に10万人も来れる場所などなく、参加者は2万くらいだったと思われるそうです(ゴー宣ネット道場6月30日付けより)。
極め付きは鳥越俊太郎。6月29日の報道ステーション、脱原発デモに対する鳥越俊太郎のコメントがすごかった。
鳥越「普通ね、これまでの日本のデモと言いますとね、
大体、組合の旗、もしくは大学の学生運動の旗、があるはずなんですよ。
ないんです。
これは全く生粋の市民のデモなんだ。
これはね、日本で初めてですよ。
初めてとは言いません、
私が経験した52年前、1960年安保の時は市民が街へ出ました。
それ以来52年絶えて久しかった市民のデモが復活した日なんです。これは。
だから僕はすごい感慨深い思いで見ていました。
組合の旗が無い。」
これを生粋のデモと呼ぶのなら、薬害エイズのデモも、正しいかどうかは別としてフジテレビデモも生粋の市民デモなのではないでしょうか?安保闘争にまで遡らなくても初めてではありません。
それにしても安保闘争が生粋の市民のデモなんていうのはおそらく珍説中の珍説ではないでしょうか?旗はなかったかもしれないが、明らかに膨大なプロ市民と左翼系団体が煽っていたはずなのだが・・・・。生粋の市民の定義ってなんなのでしょう?
いや、そこまではいい。この発言を見る限り、どうも鳥越は安保闘争はデモを起こした市民の方が正しかったと思っているらしい。今や西部邁、榊原英資、藤原正彦、小室直樹、田原総一郎といった当時のメンバーの多くが「あれは間違っていた」と反省している。
安保闘争とは周知の通り、火炎瓶を投げ込むなど暴力を駆使して暴動を起こした挙句、(田原総一郎や小室直樹によれば)市民はほとんど安保条約の中身を知らないというお粗末なデモでした。
鳥越が原発デモを見て、自分の青春に懐古するのは勝手ですが、それを報道番組で「すごい感慨深い」などとコメントしてあたかも安保闘争のデモがいいデモであったかのように印象付けるのはやめて欲しいものです。義憤に駆られて反原発デモに参加した若者も、あれと同一視されたら不愉快なのではないでしょうか。
そう言えば、仙石由人が事業仕分けの際、「政治の新しい文化大革命が始まった」などと恐ろしいことを言っていましたが、どうもこの手の人間は青春時代に流行った左翼思想がいまだに良いことだと思っているようです。 ■オスプレイ反対を楯にした「安保反対運動」 「この手」の全共闘崩れの人間は、沖縄の新聞に登場する「識者」の群れに多く見られるが、「反原発運動」については別の機会に譲るとして、本日の話題は「オスプレイ反対」を楯にした「反米基地運動」について。 鳩山元首相がぶち上げた「少なくとも県外」発言で、すっかり火が点いてしまった「普天間移設」問題は、普天間基地が海兵隊基地であることを理由に、反日左翼勢力は新たな作戦を展開した。 日米安保に理解を示し、米軍基地も是認する中道派の県民を巻き込む作戦だ。 彼らは発狂新聞の「海兵隊ならず者論」に扇動され、「反海兵隊基地」のデモや集会に動員させられたが、主催者が主張するのは「米軍基地撤去」であり「日米安保粉砕:であることは、そこに翻るプラカードの文字を確認するまでも無い事実である。 「海兵隊ならず者論」で日米安保撤廃の運動に中道派を巻き込む、反日左翼の作戦は今回はオスプレイを「未亡人製造機」とネーミングすることにより、一般県民の不安をあおりたてて「オスプレイ配備反対⇒海兵隊反対⇒米軍基地反対⇒日米安保反対」と一般県民をを巻き込んでいく作戦は、とりあえず8月5日に行われる予定の「県民大会」に仲井真県知事を参加させることにある。 周知の通り、仲井真知事は現在のところ執拗な発狂新聞の圧力にも関わらず、出席については言葉を濁し明言をしていない。 沖縄タイムスの知事への圧力はコラムにまで動員するこの有様。 [大弦小弦]沖縄県知事は激務だし、大変だと思う。日々の...
2012年7月6日 10時21分
沖縄県知事は激務だし、大変だと思う。日々の業務に加え、米軍絡みの事件事故、米軍普天間飛行場の移設など基地問題の対応に追われるのだから
▼とりわけ、米軍のオスプレイの配備強行を間近にしたこの時期。仲井真弘多知事の苦悩が大きいことは容易に想像がつくものの、最近の言動には少し首をかしげてしまう
▼県市長会や県議会のほか、多くの市民団体が県民大会開催へ動きだしているのに、知事の態度がどうもはっきりしないからだ。事ここに至っても「よく考えておきます」というコメントは分かりにくい
▼県民が怒っているのは何度も墜落事故を起こした「欠陥機」を無理やり普天間に配備しようとする米政府と、国民の命が脅かされかねない事態を解決できない日本政府の対応だ
▼知事はオスプレイを配備しないよう何度も政府に要請し、抗議している。来県した森本敏防衛相に厳しい口調で迫った知事の強い決意は、伝わってきた
▼それでも、知事はもう一歩前に踏み出すべきではないか。日米両政府は、知事の言動に神経をとがらせている。知事が先頭に立ち、沖縄が一つになった時のパワーを熟知しているからだ。知事が県民大会に参加しないとなれば、間違ったメッセージを与えかねない。県民の期待に応え、決断してほしい。(平良武)
☆
東京の練馬区にお住まいの読者から一昨日(7日)次のようなメールが入った。
本日、東京練馬区で開かれた前泊博盛氏の講演を聞いてまいりました。只今帰宅してすぐにメモを書いています。 主催者は「沖縄戦を考える練馬の集い2012実行委員会」で、 前泊氏の講演題目は「沖縄復帰40年と沖縄戦<米軍・自衛隊・民衆意識>」 1時間半ほどの時間、用意したレジュメ資料はあまり使わず、漫談ふうに以下のことを話しました。 (1)自分の琉球新報記者時代の、沖縄第32軍航空参謀の「直道氏」を取材したこと、(2)琉球新報を辞めた経緯、(3)1966年ごろの辺野古新基地建設計画の秘話、(4)天皇メッセージの意味するところ、(5)沖縄の本土復帰当時の秘密文書を託されたこと、(6)沖縄基地負担の軽減や米軍の抑止力の論理破綻、(7)オスプレイの事故率と安全なら首相専用機にせよ、 詳しい話は近著『沖縄と米軍基地』角川新書 に書いてあると言います。 添付画像は資料の1頁目です。 なお、たまたま今日練馬に来ることがネットでNHKに知られてしまい、交渉の結果、ついに明日の「日曜討論」テレビ番組に、森本敏新防衛大臣、田中均氏と三人で出演することが決まったとのこと。 今日の講演では、しっかり主張するために組織ジャーナリズムから離れたと言った手前、前泊氏は どのようなある種乱暴な主張ができるか楽しみです。 ところで、オスプレイ事故率。配備予定のMV-22の事故率は10万時間当たり1.93。
現行機のCH-46は5.74で老朽化寸前。
ちなみに飛行機の事故率はバスタブ曲線を描くので、MV-22は新しい機種だからだんだん事故が少なくなり、CH-46は事故が増えると予想される。
未確認ですが、↑のような数字を見つけました ☆ コメント欄で敵前逃亡の前泊博盛沖国大教授が日曜日のNHK討論番組に出演したとあるが、筆者は上記メールの通り、事前に日曜日のNHKに前泊氏が出演する情報を得ていた。 同番組を見た感想は概ねこうだ。 沖縄から安全保障の論客が上京し、森本防衛大臣に鋭く「オスプレイの安全性」を問うのかと思いきや。
相手が無知蒙昧の前泊氏だったので、森本大臣も気が抜けた印象。
森本大臣は以前、「朝生」で前泊氏とは対決し、その無知さは先刻承知していたはず。
日本の安全保障は一顧もしないで、「米軍基地撤去」を繰り返す前泊氏。
「オスプレイは危険」を主張するのに、その根拠を(発狂新聞の)「報道による」と繰り返し、最後は
発狂新聞の号外を見せて、これが「民意」だと結んだのには呆れ果てた。
敵前逃亡の前泊氏は沖縄の恥である。 同番組で森本大臣が、司会者にオスプレイを普天間基地に配備する理由を問われ、こう答えていた。 現在配備中のCH−46型ヘリは既に老朽化しており、7年前に製造中止になっている代物である。 新型機のオスプレイは、従来型に比べて、次のような利点がある。 1)速度⇒2倍 2)搭載量⇒3倍 3)走行可能距離⇒5倍 海兵隊がヘリの輸送力に大きく依存していることを考えれば、老朽化し「賞味期限」の切れた旧型機を、速度、搭載量、走行距離で旧型をはるかに凌駕する「オスプレイ」を配備するのは軍事上当然の処置であり、問題はその安全性の一点だけに掛かっている。 NHKの番組に同席した田中均氏が「オスプレイ配備にとって不幸なことは、単なる軍事上の問題から『普天間に配備』という政治問題にはってんしたことにある」というコメントが印象に残った。 問題のオスプレイの事故率についてはコメント欄でもこんな意見が飛び交い、当日記の読者の問題意識の高さを物語っている。 ■東子さんのコメント ところで、オスプレイ事故率。
配備予定のMV-22の事故率は10万時間当たり1.93。
現行機のCH-46は5.74で老朽化寸前。
ちなみに飛行機の事故率はバスタブ曲線を描くので、MV-22は新しい機種だからだんだん事故が少なくなり、CH-46は事故が増えると予想される。
未確認ですが、↑のような数字を見つけました ☆ 平家物語がせいじゃ必衰の理を嘆いたように、「形あるものは必ず壊れる。 人間も飛行機変わらぬ真理である。 現行機CH-46型ヘリは既にバスタブ曲線の上昇期に直面しているので東子さん御指摘のように今後事故が急増することが予測される。 米軍だって自国の若者を事故が増える予測のある老朽化した旧型機より、安全と思われるからこそ新型機に賛成しているはず。 一方、発狂新聞の扇動記事により冷静さを失った県知事の「落ちるとわかった危険なものの配備には反対」とい言葉に代表されるように「危険率」の冷静な検証が必要である。 誰だって「落ちるとわかっている危険物」の配備に賛成するものはいない。 ただ、田中均氏が危惧するように、「オスプレイ配備問題」が科学的検証、軍事的検証とかけ離れ土俵で、安保反対に青春を燃やしたゾンビ集団の「安保反対よもう一度」の革命ごっこに利用されるのはいかがなものか。(つづく) 【おまけ】 沖縄タイムスの扇動記事。 オスプレイがバスタブ曲線により、高い事故率から急減していく事実と、現行CH−46型が老朽化で事故率が急増する予測があることにはひと言も触れていない。 オスプレイ事故発生率:CH46上回る 沖縄タイムス 政治 2012年6月14日 09時42分
米軍環境審査では、MV22オスプレイによる総額200万ドル以上の被害か死亡などクラスAの重大事故発生率について、10万飛行時間当たり1・12としていた。代替されるCH46は1・11でほとんど変わらず、2004年の運用開始以後は「継続して良い安全記録を示している」と強調していた。
ところが、環境審査中の4月にモロッコで演習中に墜落し4人が死傷した事故を受けて、データを修正したところ、重大事故の発生率は1・93に跳ね上がり「老朽化していて危険」とされるCH46の重大事故率を大幅に上回った。
報告書では「CH46とは異なりオスプレイのパイロットはシミュレーターを大幅に活用する。以前は実物で行っていた緊急時の対応訓練が可能」とし、「パイロットのミスの原因の事故リスクが最小になる」と安全性を強調しているだけに皮肉な結果となった。
実戦配備されて間もないオスプレイは、従来機と比べ一度事故が起きると事故率が跳ね上がる傾向にあり、データ上、安全性が確認されているとは言い難い。
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沖縄戦「集団自決」の謎と真実
秦 郁彦
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