産経新聞 2012.5.15 18:26
防衛省は15日、中国海軍のフリゲート艦や情報収集艦の艦艇3隻が14日深夜に沖縄本島と宮古島間の海域を太平洋から北西に向かって航行するのを確認したと発表した。
防衛省統合幕僚監部によると、3隻は4月30日に鹿児島の大隅海峡を東シナ海から太平洋に向けて通過し、沖ノ鳥島(東京都)の東約700キロの太平洋上で無人ヘリコプターの飛行訓練を行っていた。
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昨日は県主催の復帰40周年記念式典が行われた。
その沖縄(尖閣諸島)を自国の領土と主張する中国が復帰式典をあざ笑うかのように中国戦艦が沖縄本島と宮古島の間を傍若無人にも横断した。
これは、中国の尖閣に対する「核心的利益」発言が中国の本音であることを象徴的に表している。
折りしも復帰記念日の直前の北京日中首脳会談で、中国の温家宝首相は野田首相と尖閣諸島に関し白熱した議論で火花を散らし「核心的利益」という重大発言を口にしたばかり。
復帰40周年記念の日に沖縄列島を分断するかのような中国海軍の暴挙は、いくら藤村官房長官や中国関係筋が否定しても尖閣諸島の領有が中国の「核心的利益」であることは明白である。
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防衛省 統合幕僚監 24 5 15 中国海軍艦艇の動向についてhttp://www.mod.go.jp/js/Press/press2012/press_pdf/p20120515.pdf
5月14日(月)23時頃から24時頃にかけて、海上自衛隊第5航空群(那覇)所属「P−3C」、第6護衛隊「たかなみ」(横須賀)及び第15護衛隊「はまぎり」(大湊)が、宮古島の北東約110kmの海域を太平洋から東シナ海に向けて北西進する中国海軍シャンカイ?級フリゲート2隻及びドンディアオ級情報収集艦1隻を確認した。
なお、これら3隻の艦艇は、4月29日(日)正午頃、屋久島の西約430kmの海域を東シナ海から太平洋に向けて東進し、その後、沖ノ鳥島東約700kmの海域において無人航空機の飛行訓練を行っていたことが確認されている。
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■東シナ海は、太平洋への出口=日本海への侵入口
中国がわが国の象徴的に記念日にこれ見よがしに宮古海峡を横断するのは、ヤクザ国家の本質を垣間見ることが出来る。
中国艦船が宮古海峡を分断して太平洋に出たれいは何も今回に限ったことではない。
過去にも筆者が確認する限り、2008年11月、中国海軍の駆逐艦など四隻が宮古海峡を抜けた以来、6回にも及んでいる。
これだけを見ても、中国が尖閣諸島を含む東シナ海の制覇とそこから広がる西太平洋の制覇であることは明白である。
したがって今回の日中首脳会談で、温首相が野田首相の予期せぬ強気の発言に、思わず発した「尖閣は中国の核心的利益」と言う言葉が本音であることが証明される。
「宮古海峡の横断」という文言で筆者の地政学的関心を過るのは、およそ一世紀以上前の日露戦争におけるバルチック艦隊の日本海への侵入経路である。
バルチック艦隊は中国艦船とは逆の太平洋側から宮古海峡を横断し、日本海へ殺到して言った。
バルチック海を出発したバルチック艦隊が、インド洋を回り太平洋から日本海に侵入し、日本海海戦を挑むには宮古海峡を分断して日本海に向かうのが、明治期の当時から地政学上の最良のルートだった。
沖縄本島と宮古島の間は、日露戦争の時代から現在でも、東シナ海と太平洋を結ぶ地政学的要所である。
海軍の増強により西太平洋への突破口を狙う中国が大陸を封鎖した形で連なる南西諸島(沖縄諸島)を分断することが当面の目標であり、そのために尖閣諸島の領有が中国の「核心的利益」なのである。
普天間移設はわが国の国防・安全保障問題の問題である。
沖縄2紙が中国の沖縄近海での狼藉行為を報道することなく、むしろ尖閣領有権を主張する中国に対して腰の引けた報道をする一方で、米軍基地撤去に関して派手な扇動記事を書くのが常である。
本日の沖縄タイムスは復帰式典での県知事の言葉をひいて「普天間県外へ」の大見出しで一面トップを飾っている
全紙面を覆う「米軍基地撤去」を意味する大見出しが乱れ咲く紙面の中に、沖縄に展開する自衛隊員900人に訓示をした野田首相の言葉が小さな見出しで次のような見出しで紹介されている。
沖縄は「国防の要衝」
首相、国境の重要性強調
米軍基地の撤去は、東シナ海の制覇し南西諸島を太平洋の突破口と考える中国の思う壺である。
沖縄2紙が中国の広報紙と言われる所以である。
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■「核心的利益」
中国の走狗に成り果てた沖縄2紙が中国の「核心的利益」に関して見て見ぬ振りをしているが、産経がこれを取り上げた。
【産経新聞・主張】「核心的利益」発言 中国の意図は尖閣奪取だ
日本は万全の備えと覚悟を
北京での日中韓首脳会議(サミット)に合わせて設定された野田佳彦首相と中国の温家宝首相との個別会談で沖縄・尖閣諸島をめぐって応酬があり、温首相が「(中国の)核心的利益と重大な関心事を尊重することが大事だ」と発言した。
「核心的利益」とは、中国にとって安全保障上譲ることができない国家利益をさす。尖閣問題と関連付けながら、中国首脳が、これを口にしたことは初めてであり、きわめて重大である。
≪野田首相の反論は当然≫
温首相は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国領土だ」と改めて強調している。中国公船による尖閣周辺の領海侵犯が常態化している状況下、温首相の発言は海洋権益の拡大を狙う中国が尖閣奪取の意図を明確にしたと受け止められる。尖閣問題が新たな局面に入ったとの危機認識が必要だ。
温首相の発言に対し、野田首相が「尖閣諸島が日本固有の領土であることは歴史的にも国際法上も明らか」と反論し、さらに、「中国の海洋活動の活発化が日本国民の感情を刺激している」と指摘したのは当然だ。首脳レベルでは尖閣問題にふれないようにしてきたこれまでの民主党政権の方針を転換したことは意味がある。
ただ、両首相は「日中関係の大局に影響を与えることは好ましくないとの認識で一致した」という。問題を棚上げにしても解決にはつながらない。
今回の「核心的利益」発言の背景には、中国側の思惑が見え隠れしている。
温首相は尖閣問題に加え、東京での「世界ウイグル会議」に出席したラビア・カーディル議長に対する日本側のビザ発給を批判したという。中国側はウイグル問題を「核心的利益」としている。
一方で、中国国営新華社通信や中国中央テレビは、ウイグルと尖閣の問題を並べ、温首相が「中国の核心的利益と重大な懸案事項を尊重するよう日本に求めた」と報じた。尖閣問題での対日強硬姿勢を強調する中国側の宣伝工作に振り回されてはならない。
台湾やチベット、ウイグル問題など中国の「核心的利益」を尖閣問題にまで拡大したともとれる発言の口実として、中国側は石原慎太郎東京都知事が先月発表した都による尖閣諸島の購入計画を意識しているようにみえる。
都が開設した購入資金の寄付金口座には半月で5億円以上が集まった。日本の国内世論の高まりに中国が危機感を強めている。
次期最高指導者に内定している習近平国家副主席は今月訪中した日中友好議員連盟に対し、「核心的利益」との文言を使って石原知事を暗に批判した。日本にしてみれば、知事の計画は尖閣諸島を守り、実効統治を強化していくための有効な提案だ。習副主席の発言もまた、中国側の勝手な言い分と言わざるを得ない。
≪海保法改正案の成立を≫
政権指導部の交代が行われる今秋の共産党大会を前に、中国では重慶市党委員会書記だった薄煕来氏の中央政治局員解任をめぐるスキャンダルや、盲目の人権活動家、陳光誠氏の米国出国問題など社会安定を揺るがす出来事が続いている。国内の統制をはかる意味でも、中国は尖閣で強く出ざるを得ないのではないか。
そうした状況を念頭に日本は戦略を練る必要がある。
野田首相が温首相との会談の翌日に求めていた胡錦濤国家主席との首脳会談は中国側が応じなかった。きわめて残念だ。
中断されたままになっている東シナ海のガス田共同開発をめぐる交渉再開については温首相から具体的な時期を引き出すことはできなかったが、粘り強く再開を迫るべきだ。さらに、15日から中国浙江省で開催される東シナ海での危機管理を話し合う事務レベルの海洋協議も継続が必要だ。
また、野田首相は、中国漁船衝突事件で強制起訴された中国人船長の身柄引き渡しを温首相に直接求めるべきだった。
最も重要なのは、領土を守るための具体的行動である。
すでに国会に提出された海上警察権強化に向けた海上保安庁法などの改正案は早急に成立させなければならない。野田政権には、尖閣諸島での自衛隊常駐や警戒監視レーダーの設置など、実効統治を強めるための具体的行動と覚悟が求められている。
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