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昨日那覇地裁で行われた「パンドラの箱掲載拒否訴訟」の第5回公判の報告です。
傍聴席は上原さんの支援者でほぼ満席。 地元2紙が一切報道しない裁判の割には多くの支援者が傍聴に駆けつけたのは、それだけ常日頃の沖縄紙の報道に怒りをもつ読者が多いことの表れである。
原告側は新たに上原さんの陳述書の読みあげを求めたが、被告側は、
(1)掲載拒否したのは、社の方針としての編集権の濫用ではない、
(2)以前と同じ内容なので掲載拒否した、
と同じ答弁を繰り返すだけで、はすっかり戦意を失ったかのように防戦体勢を続け、これまで欠かさず出廷していた池宮城主任弁護士が欠席する有様であった。
被告側が同じ答弁を繰り返すだけなのに業を煮やしたのか、平田直人裁判長が原告側徳永弁護士に「連載が再会されてからも以前と同じ内容の引用は有りましたか」と問いただした。
被告の掲載拒否の理由が、慶良間島の集団自決の真相を封印したいという新報社の方針だったことを立証する証拠は山ほどあるが、掲載拒否以後再会されたの連載にも「以前と同じ記事」があれば被告側の主張の根拠が崩れたことになる。
勿論再開以後の連載にも「同じ記事」はあるので、この証拠一つを挙げただけでも勝負は付いたものと思われる。
ちなみに掲載拒否以前の掲載にも「以前と同じ記事」があり、これに対しては被告側は、見落としていたと苦しい答弁をしている。
だが、見落とし等と実務上の誤認で掲載拒否をされたと結論付けられては、例え勝訴しても上原さんが引き下がるはずはない。
琉球新報が掲載拒否した理由は、上原さんの記事に「慶良間島の集団自決は軍命ではなかった」明確に琉球新報が当時キャンペーンを張っていた「軍命説」に真っ向から反旗を翻す内容だったからである。
「異論を許さぬ全体主義」を代弁する琉球新報社としては、編集権の濫用という禁じ手を犯してでも「言論封殺」しておきたかったのである。
公判では読み上げられなかったが、昨日法廷に提出した上原さんの陳述書(日付は1月20日)を全文紹介する。
例によって強調部分は引用者が施した。
陳述書
2012年1月20日
上原正稔
ぼくはこれまで赤松嘉次さんと梅澤裕さんが住民の集団自決を命じたことは全くない、と証明してきたつもりだ。「住民の集団自決」の裏には戦後の援護法という本来、軍人と軍属だけに適用される法律の拡大適用があることを指摘した。
昭和二十七年八月引揚援護局援護局援護課が編集した『戦傷病者・戦没者=遺族援護のしるべ』と題する本の沖縄県に関する要点を整理してみよう。この本に200の問答集があり、具体的に問題が理解できるようになっている。
昭和二十七年四月三十日戦傷病者戦没者遺族等援護法(以下援護法)が制定公布された。援護法の第一条はこの法律が「軍人軍属の公務上の負傷もしくは疾病又は死亡に関し、国家補償の精神に基づき、軍人軍属であった者の遺族を援護することを目的とする」ものであることを明らかにしている。戦没者遺族の援護については、遺族年金と弔慰金の支給がある。遺族年金の支給については公務についている時期の死亡が要件であるが、弔慰金については太平洋戦争開始(昭和十六年十二月八日)後、敗戦調印日(昭和二十年九月二日)前に死亡し、政令に定めている戦地における戦時災害によるものでなければ、遺族年金も弔慰金も支給されない、とするものであった。(※引用者注1)「戦地」には内地は含まれず、満州、台湾、朝鮮も含まれないが南西諸島は含まれていた。従って沖縄県も最初から援護法の「戦地」に指定されていたことがわかる。
そして、自殺した軍人軍属については、自殺が公務によるものと認められたときは、遺族年金が支給されるが、公務によるものであるかどうかは、具体的な事例に基づいて個々に判定する他はない、と問答集は述べている。一般邦人で軍隊と共に玉砕した者の遺族については軍の要請により戦闘に参加して玉砕したものであれば遺族年金と弔慰金が出されるが、戦闘により玉砕した者であるか否かは、種々の方面より調査され、決定される、と問答集は述べている。なお、遺族年金は、生活保障的な意味で支給される年金であるが、弔慰金は弔慰の意味で支給される一時金で国債であることを指摘しておこう。
遺族年金にしろ、弔慰金にしろ、戦没者が軍人軍属であることが絶対不可欠の条件であった。
援護法の軍人とは陸海軍の現役、予備役、召集され、あるいは志願によって軍に編入された者、予科士官学校、など軍と関係する各種学校の生徒であって軍人でない者も含まれる。また警察関係者も含まれる。
援護法で軍属とは陸海軍から正規に給料、報酬を受けていた雇用人を言う。戦時中、軍属と呼ばれていても、軍から直接給料、報酬を受けていない者は軍属ではない。
一方、一九五一年(昭和二十六年)九月八日サンフランシスコで国際連合国の対日平和条約が締結され、翌五二年四月二十八日条約は国会で批准された。(この二日後に援護法が発行されたことになる。)(※2)この条約により沖縄は日本から完全に切り離され、公式にアメリカの統治下に置かれ琉球政府が生まれることになった。しかし援護法は沖縄にも適用されることになっていたから、翌一九五三年四月一日から琉球政府援護課に予算が下ろされ、照屋昇雄氏ら元軍人五人が各地に派遣され、調査が始まった。照屋氏は渡嘉敷村で戦没者の調査を行ない、次のように証言している。「村民は集団自決について語ってくれたが、赤松隊長が自決を命令した、と述べる者は一人もいなかった。」 援護法を厳格に適用すれば、渡嘉敷村では軍人、軍属を除いて集団自決者の遺族は遺族年金も弔慰金も受けることはできなくなる。そこで、照屋氏は上司の指示の下に村長と謀り、赤松隊長の命令で集団自決が行われた、とする調査報告書を提出した。
二〇〇五年八月五日の産経新聞は照屋氏が涙ながらに文書偽造したことを認める記事を載せたのだ。その記事中で照屋氏は「赤松さんの名が出るたびに胸が痛んだ。赤松さんは立派な人だ。自決を命じておりません」との旨の証言をしている。新報、タイムスはこの重要記事を無視した。座間味村でも全く同様に事が進んだ。
一方、野田隊長が直接指揮する阿嘉島では彼の厳格すぎるほどの指揮の下、集団自決はなかったが、隣の慶留間島では集団自決が行われた。ここでは詳しいことは省くが、野田隊長は八月下旬投降し、収容された屋嘉収容所で朝鮮人軍夫らに袋叩きのリンチに遭ったが、梅澤隊長は朝鮮人軍夫らをアメリカ軍が上陸する前夜に解放していたから朝鮮人軍夫らは全員生き延び、彼らから感謝されたことを記しておこう。しかし、座間味では住民の集団自決が行われたのだ。集団自決とその後の背景について一九九五年六月二十三、二十四、二十五日の宮城晴美がタイムスで発表した「母の遺言−きり取られた自決命令」の全文をここに紹介しよう。この衝撃的なコラムは集団自決の謎を解く鍵をぼくに提供し、ぼくはこれを基に翌年、「沖縄戦ショウダウン」の長い注「渡嘉敷島で何が起きたのか」を発表した。だが、なぜか誰もその後この最重要記事に触れることはなかった。(つづく)
(※注1)
沖縄だけが、軍属以外の民間人に特例として「援護法」が適用されたのは、大田実少将(自決後中将)の海軍事務次官宛ての次の電文(昭和20年6月6日)の影響が大きいと考える。
「沖縄県民かく戦えり!」
「県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを!」
(※注2)
米軍統治下ではあっても、法的には沖縄住民は「日本国籍のまま」で、沖縄は長期リースの形にして欲しいと希望した昭和天皇の期配慮のおかげで、「援護法」という日本の法律が適用され、文部省教科書を使用し、教科書の「無償措置法」もいち早く沖縄に適用されていた。
☆
第5回公判終了後、支援者は護国神社の事務室に移動し、徳永弁護士、上原さんより裁判の経緯の解説と、今後の方針の説明が有り活発な質疑応答もあって傍聴者の関心の高さを物語った。
なお次回第6回公判は3月13日(火)の午前10時30分より那覇地裁で行われる予定である。
■カンパ協力のお願い■
琉球新報の言論封殺と捏造報道に敢然と戦いを挑んでいる上原正稔さんをご支援下さい。
琉球新報の言論封殺に対し、徒手空拳で戦いを挑んでいるドキュメンタリー作家上原正稔氏の「パンドラの箱掲載拒否訴訟」の第6回公判は3月13(火)10時30分の予定です。
これまで皆様のカンパにより戦いを継続してきましたが、沖縄のマスコミから村八分状況の上原氏は現在闘争資金に不足をきたしています。
担当弁護士の先生も手弁当で支援して下さっていますが、打ち合わせ等をするにも交通費・滞在費等の出費を無視できません。
沖縄の閉塞した言論空間に戦いを挑んでいる上原さんの訴訟に、三善会は皆様の支援金のご協力のお願いを致しております。
支援金は、裁判の支援・報告会・講演会等の開催や広報活動等に活用させて頂きます。
振込手数料につきましては振込者にてご負担下さるようお願いします。
なお次回の第6回公判時には、日頃お忙しいご支援者の皆様のため日曜日を利用して「沖縄の言論封殺と沖縄戦」をテーマにした講演会を計画しております。
詳細が決まり次第改めて御案内いたします。
【付記】
八重山日報に、上原正稔さんの「琉球新報に対する『言論封殺』の戦い」について小論を寄稿いたしました。
本日(23日)より三回二回に分けて連載の予定です。
これを機会に八重山日報のご購読を「勝手に」お勧めいたします。
狼魔人
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