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この数日、沖縄2紙に「県に梯子をはずされ」「国と調整を重ねたのに困惑」などの泣き言が目立ちだした。
そんな中次の記事などは、国の指導の下に、事を運んだら国が「前言を翻した」という印象の記事だが、よく読めば、県側が勝手に法令を都合の良いように解釈し、後の「言い訳用」として作成した文書が存在したに過ぎない。
またしても大爆笑である。
沖縄タイムス 2011年9月15日 10時14分
八重山地区教科書問題をめぐり、県教育庁が文部科学省の助言を受けて、「全13教育委員の協議」を教科書採択の場として有効とする考えをまとめた文書が14日までに明らかになった。文書では、13教育委員の協議は、法に基づく協議の場であり、協議結果は同地区の「最終意志」で、協議で確認すれば各教育委員会の「採択完了」と見なすことも可能としている。項目ごとに「文部科学省担当課見解」とも記されており、県と文科省が周到に打ち合わせていたことがうかがえる。(渡慶次佐和、銘苅一哲)
文書はA4判1枚にまとめられた「八重山教科書採択についての問題整理」。八重山採択地区協議会による育鵬社版中学校公民教科書の選定・答申後、石垣、竹富、与那国3市町で分裂採択となったことから、文科省に指導を仰ぎ、県教育庁がまとめた。
文書では、地区協議会や教育委員会の権限、役割などを整理し、教科書無償措置法に基づく採択一本化の流れを検証、「3教育委員会の採択が一本化されていれば、採択結果が答申結果と異なっていても何ら問題ない」としている。
結論で「文科省見解」と記された部分では、(1)「13名の委員による協議」は無償措置法第13条4項に基づく協議として位置付けることができる(2)協議の結論は採択地区の「最終意志」(3)協議の確認で各教委の採択の完了と見なすこともできる―としている。
県教育庁との調整について、文科省教科書課の担当者は14日、本紙の取材に対し「地区協議会と別の協議を設置すること自体問題ないが、その場合は3教委の合意が必要と、県教育庁に繰り返し説明していた」と回答し、事前に調整していたことを認めた。
ただ、「新たな協議の場の設置に加え、(採択に向けた)意志決定の方法も3教委の合意がなければ成り立たない」と9月8日の全教育委員協議は無効との考えを示す一方で、県との調整では、決定方法まで話し合っていなかったことも明らかにした。
これに対し、県教育庁の狩俣智義務教育課長は13日の自民党部会で協議の有効性を問われ、「判断は当事者である3教育委員会に委ねられるものだと考えている」と答えている。
☆
何と涙の出てくる「文書発見」である。
この「八重山教科書採択についての問題整理」なる文書を、文科省が作成していたのなら「梯子を外した」動かぬ証拠である。
文科省の幹部が首を切られることは間違いない。
だがこの文書は、玉津教育長を甘く見た県教育庁が、これほど大問題に発展するとは想定できず、後に問題が出た場合の「言い訳用」に作成された「内部資料」である。
ところが玉津会長の予想以上の抵抗に会い、問題が全国に知られることになり、「文科省に梯子を外された」という印象操作のため沖縄タイムスに「証拠書類」として漏洩させたのだろう。
ところが文科省の見解は、「確認事項」として、ネットを通じて全国に知られており、折角の「発掘文書」が、県が文科省の助言を都合の良いように歪曲した「証拠書類」になってしまったことは大ブーメランである。
上記記事からキモの部分を抜粋するとこうだ。
≪「文科省見解」と記された部分では、
(1)「13名の委員による協議」は無償措置法第13条4項に基づく協議として位置付けることができる
(2)協議の結論は採択地区の「最終意志」
(3)協議の確認で各教委の採択の完了と見なすこともできる≫
何と、この文書の言うとおりなら、文科省と中川文科省とは全く反対の見解を述べていることになる。
だが、タイムス記事は、これには文科省は次の前提条件が必須と記している。
≪新たな協議の場の設置に加え、(採択に向けた)意志決定の方法も3教委の合意がなければ成り立たない≫
8日の全教委協総会で決めた「新たな協議の場」には全教育委員が参加しており、その場で多数決で決めたので、「協議は有効」とすべき、・・・と誤誘導される読者がいるかも知れない。
だが、文科省は「合意の条件」を「それぞれの」教育委員会で合意と規定している。
全教員が一堂に会して多数決で決めても、単なる話し合いの結果であり法的根拠は何もないということである。
文科省が言う「合意のための前提条件」を、県教育長は都合の良いように歪曲解釈して文書にしたのが「八重山教科書採択についての問題整理」なる問題の文書である。
とんだブーメラン文書である。
文部省の見解は義家議員が文科省に確認した結果を確認文書にした「義家メモ」に記されている。
該当部分を抜粋する。
≪? 『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』の第二十三条および第二十
三条六項に明記されている、教育委員会の教科書採択の管理、執行は、原則
として『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』に基づく
「協議」の結果として出された「答申に基づいて」行われるべきものである。
? ただし、『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』の、採択
地区内の市町村の教育委員会における「協議」には明確な定義はない。八重
山地区採択協議会で行われた「協議」が当然、これに該当するが、三市町の
教育委員会が、それぞれ、「新たな協議の場」を設置することに「合意」する
なら、別の「協議の場」を設定し、議論することもあり得る。≫
☆
■高嶋教授の寝言■
発狂新聞に掲載される高嶋伸欣琉大名誉教授の「識者の見解」など、活動家の宣伝ビラの類なので、今時まともな人はスルーするもの。
筆者も、未だまともなつもりなので、当然スルーしたのだが、トイレの暇潰しに読んで驚いた。
デタラメな法解釈を展開し、読者を誑かそうとしているので、一応そのデタラメを正しておく。
「協議の正当性 是認」と題する記事から抜粋する。
≪■採択をめぐる法解釈
【採択権の行使には、同一の教科書を採択しないといけないと条件づけられている】(文科省担当者)
「教科書採択には同一地域内で同じ教科書を求めた教科書の無償措置法と、採択権限は教育委員会にあると定めた地方教育行政法の二つが並存する。 措置法が優先するとはどこにも明記されていない。これまでもそんな議論はなかった。 もしそうならここまで混乱せず、明らかに失言。 今回の3市町教委の主張にはそれぞれ法的根拠があり、優劣はつけられない。」≫
石垣市で8日に「ペテン会議」が行われる前日7日の沖縄タイムスに次のような記事が掲載された。
文科省は「梯子を外す」まえに「肩透かし」もしていたというのだ。
沖縄タイムス 2011年9月7日
【八重山】八重山地区の中学校教科書の採択問題で、石垣市教育委員会の玉津博克教育長は地区内で採択教科書が異なる場合に「教科書無償措置法」と「地方教育行政法」のどちらを優先すべきか、文部科学省に問い合わせたところ、6日に回答があった。同省は「どちらかが優先ということはない」と両立を求めた。 同地区で石垣市、与那国町が「新しい歴史教科書をつくる会」系の育鵬社版公民教科書を採択したのに対し、竹富町教委は東京書籍版を採択した。地区内で同一教科書の採択を規定する「無償措置法」を盾に、玉津教育長と与那国町の崎原用能教育長は竹富町の慶田盛安三教育長に育鵬社版採択を迫っている。 玉津教育長らは文科省から「無償措置法」を優先するようにとの「見解」を引き出し、自身の根拠固めの材料にしようとしていたが、「両立を」との回答に肩すかしを食らった格好だ。 むしろ、同省の見解は地方教育行政法が定める「採択権は各教委にある」と主張する竹富町の正当性を裏付けた。 県教委も竹富町教委の独自採択を問題視しているのではなく、「地区内の採択が一本化されていないことが問題だ」とし、いずれの法律も重視するとの見解を示している。 文科省や県の見解に対し、玉津教育長は「法律は二つあろうが、義務教育の教科書は無償で与えるという無償措置法の趣旨を実現しないといけない」とあくまでも同措置法を優先する考えを堅持している。
☆
玉津協議会長が、文科省に「無償措置法」と「地方教育行政法」の優先度を問い合わせたところ、文科省が「どちらかが優先ということはない」と曖昧な回答をしたことに喜びで小躍りする記事である。
慶田盛竹富町教育長が強気で育鵬社版を拒否するのは「地方教育行政法」を根拠にしている。 タイムスがこ踊りすsるのは、もし無償措置法が優先されるとなると、「竹富の反乱」の法的根拠が崩れてしまうからである。
文科省が両方の両立を求めた真意はわからないが、玉津側と慶田盛側のどちらに有利な発言をしても攻撃材料になるので、「法の常識」にしたがって行うことを求めたものと推測できる。
高嶋教授は文科相の「どちらが優先することもない」という発言を、自分の都合の良いように解釈し、次のような寝言を言っている。
≪措置法が優先するとはどこにも明記されていない。これまでもそんな議論はなかった。 ≫
どこにも明記されていないのは当たり前だ。
法の常識に従えば「特別法」は「一般法」に優先するものである。
当たり前のことを一々明記していたら六法全書はトラックデ運ぶ大きさになってしまう。
教科書採択に限って言えば「一般方法」とは「地方教育行政法」と考えられ、「措置法」という文言からして「無償措置法」が「特別法」に相当すると考えられる。
高嶋教授は、法の常識が明記されていないことを根拠に、慶田盛教育長の主張を必死に擁護する様は、怒りを通り越して哀れみさえ感じる。
ネットが普及した現在、高嶋教授など、クリック一つで化けの皮が剥げてしまうことに気が付いていないのだろうか。
ちなみに13日、東京の自民党本部で行われた文科省スタッフ、狩俣課長同席の「合同会議」で、玉津教育長は竹富教育委員の法律音痴を指摘し、次のような発言をしている。
玉津氏:「8日の『会議』に参加した武富教育委員5人に一般法と特別法の優先度を尋ねたら、1人も答えられることはなかった」(出席した関係筋)
歴代の教育長10名が「住民の会」という名を使って協議会の場に押しかけ騒ぎ立てて「静謐」な環境の協議を妨害した、とも述べていた。
■明記されていた「無償措置法」の優位性■
「地方教育行政法」は「無償措置法」に従うという常識は、義家議員が文科省に確認した「教科書採択における文部科学省との確認事項
」に次のように明記されている。
? 『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』の第二十三条および第二十
三条六項に明記されている、教育委員会の教科書採択の管理、執行は、原則
として『義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律』に基づく
「協議」の結果として出された「答申に基づいて」行われるべきものである。
したがって「教科書無償措置法」と「地方教育行政法」のどちらを優先すべきかの場合、「教科書無償措置法」が優先するのは明らかである。
それゆえ文部科学省が言う「どちらかが優先ということはない」は厳密に言えば誤りであり、お役所的発想で言えば責任逃れである。
法律の常識に従えば、「地方教育行政法」を盾に反乱を起こした竹富教育委は、「無償措置法」の優先を主張する八重山採択地区協議会の答申に従うべきである。
【おまけ】
13日の自民党本部の「合同会議」に出席したは県狩俣課長は、質問に答えるとき「訴訟を覚悟して発言している」と発言した。(関係筋)
訴訟を覚悟とは誰が誰を訴えるのか真意は不明だが、本人が悪代官として行った悪行の数々を訴えられるのならともかく、「梯子を外した」文科省を県が訴えるのだとしたら、恥の重ね塗りになるのだが、観客はその方が喜ぶだろう。
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