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昨日(5日)の沖縄タイムスと琉球新報の沖縄2紙が教科書採択問題に関しては引き気味なので、八重山日報と八重山毎日新聞の2紙を掲載する。
両記事を比較し行間を読み取って頂くと絶好のメディアリテラシィーの教材になるとおもうのだが。
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■八重山日報社 9月6日
教育委員会
8日の臨時総会招集
県教委、事態打開に期待
竹富町教育委員会が育鵬社の公民教科書を不採択とし、石垣市、与那国町教育委員会と判断が分かれた問題で、市教委の仲本英立委員長は5日、3市町の全教育委員13人で組織する八重山教育委員協会(会長・仲本委員長)の臨時総会を8日午後2時に招集すると通知を出した。臨時総会に先立ち、午後1時からは3市町教育委員会の話し合いも行われる。県教育委員会義務教育課は取材に対し「採択の責任と権限のある教育委員13人で決めてもらうしかない」と述べ、臨時総会で打開策が見出されることに期待感を示した。
「法律の根拠ない」
開催疑問視する声も
3市町の全教育委員13人で組織する八重山教育委員協会の臨時総会が8日に開催されることが決まったが、識者からは「法律の根拠がない会議を招集すること自体が法律違反だ」と開催の意義を疑問視する声が上がっている。委員の意見がどこまで集約できるのかも未知数で、事態打開のめどが立たないまま、時間だけが費やされる状況になりかねない。
自由社版歴史教科書の代表執筆者で、教科書採択の制度に詳しい拓殖大の藤岡信勝客員教授は「法治国家なので、すべての決定は法律に根拠がないといけない。(教科書採択に)法律的な根拠がない組織が、
どんな会合を開こうと無効だ」と指摘。
臨時総会での事態打開に期待感を示す県教委の姿勢についても「(本来なら)県は竹富町を指導するべきだ。行政の中立性を侵している」と疑問視する。
招集権者の仲本委員長自身が育鵬社の教科書採択に強く反対しており、同協会の招集には、育鵬社版採択の白紙化を狙う意図があると取り沙汰される。「そういう目的で教育委員を集めて議論することにも問題がある」と強調した。
一方、竹富町教委からは「教科書の採択権者は教育委員会」「全教育委員が集まり、意見を出し合うだけでも意味がある」と臨時総会開催を積極的に評価する意見が出ている。3市町での教科書採択をめぐる議論からすると、育鵬社版に反対する委員は過半数に達する。
ただ、与那国町の崎原用能教育長のように臨時総会の開催そのものに反発する委員もおり、具体的な教科書名を挙げて一本化の議論ができるかどうかさえ不透明。
県教委のあいまいな態度に不信感を強める市教委幹部は「最終的には国の判断を仰がない限り、決着しないのでは」という見通しを示した。
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■八重山毎日新聞 8月6日
教科書問題
取り決め次第で ”採択”可能
8日の八教委協会
県義務教育課「問題ない』
公民教科書の一本化について話し合うことを目的に八重山地区教育委員協会(会長・仲本英立石垣市教育委員長、委員3市町村教育委員)が8日に招集する臨時総会について県義務教育課は5日、事前の取り決めがあれば、この会議で教科書を、“採択”することも可能であるとの見解を示した。協会自体に採択県はないが、協会の構成員が採択権者の3市長教委となっていることから、臨時総会を一本化する会議と位置づけ、結果を採択とみなすと申し合わせがあれば、「問題ない」としている。
3市町村の教育委員で構成する八重山採択地区は、公民教科書の採択結果が育鵬社(石垣市、与那国町)と東京書籍(竹富町)に別れたため、同一になっていない。 すでに教科書措置法の採択期限(教科用図書を使用する年度の前年度の8月31日)を逸脱して前例のない違法状態。 同一教科書の速やかな採択が法的に求められており、県義務教委は、全教育委協による8日の話し合いで「ぜひ一本化を」と期待する。
具体的な選択肢としては育鵬社か」東京書籍かのいずれかになるが、市や与那国の教育委員には「教科書無償法に違反しているのは竹富町」との意見が根強くあり、臨時総会は入り口で堂々巡りの議論に陥る可能性がある。
このため、8日の臨時総会は▽一本化する会議と位置づけることができるか▽どのような方法で一本化できるか▽一本化した教科書を各教育委採択とみなすか▽意見がまとまらなかった場合の対処法はどうするかーなどの点を事前に確認することができるかどうかがポイントとなりそう。 県義務教は「合意の持ち方や決め方をしっかり議論してもらいたい」と指摘する。
教科書の発行に関する臨時措置法は9月16日までに教科書の需要数を文科省に報告しなければならない。文科省は「10日まで期限があるというものではなく、8月31日を過ぎているので早急に採択して下さい」と註文をつけている。
どちらを優先するか
法解釈の回答求める
3教育委員長名で文科省に提出
八重山教科書採択問題で、八重山地区教育委員協会(会長・仲本英立石垣市教育委員長)事務局の石垣市教育委は5日夕、採択地区内で同一の教科書を求める教科書無償化措置法と、教科書採択の権限を市町村に与えている地方行政法のいずれが優先されるのか確認を求める3教育委員長名の文書を文科省と県に送付した。8日の臨時総会までに回答を得たい考えだ。
8月31日に再協議を行った教科用図書八重山採択地区協議会の役員会(3教育長)では、教科用図書採択地区協議会の答申通り決定した石垣市・与那国町教育委と、答申外の採択をした竹富町教育委との間で法解釈をめぐって意見が対立し、決裂した経緯がある。
このため、法解釈の見解を求めることになった。 回答の結果、どちらにころんでも文科省が示した結果に従うという。 文科省が採択期限を過ぎても教科書が同一になっていない違法状態について「前例がない」としていることを受け、玉津博克石垣市教育長は「これが文科省の見解」と述べ、無償化法が優先するとの認識を示している。
臨時総会は8日午後2時から市教委の2階会議場で開催されることになった。 議題は「教科用図書採択の早期実現について」。 仲本会長と事務局の市教育委が5日、調整して決定した。総会前に3教育委員長で協会の目的、審議、議決などの規定を確認する。
☆
8日に採択権限のない全教委協の臨時総会が開催されることは決定したが、県の義務教育課に取材した八重山日報と八重山毎日新聞の報道で、県の見解を表す表現が微妙に異なっている。
■八重山日報
≪県教育委員会義務教育課は取材に対し「採択の責任と権限のある教育委員13人で決めてもらうしかない」と述べ、臨時総会で打開策が見出されることに期待感を示した。≫
■八重山毎日新聞
≪県義務教育課は5日、事前の取り決めがあれば、この会議で教科書を、“採択”することも可能であるとの見解を示した。協会自体に採択県はないが、協会の構成員が採択権者の3市長教委となっていることから、臨時総会を一本化する会議と位置づけ、結果を採択とみなすと申し合わせがあれば、「問題ない」としている。≫
八重山日報は、全教委協は採択権はないがそれでも一本化に期待したい、と全教委協の結論に消極的な印象だが、八重山毎日新聞は「臨時総会を一本化する会議と位置づけ、結果を採択と申し合わせすれば『問題ない』」とまで言い切って、積極的印象を受ける。
八重山毎日は育鵬社版を拒否する立場だから、県の取材にも自分の希望的観測を含めて、全教委協の採択決定で「問題ない」と言い切っているのだろう。
が、現実はそんなに簡単に「採択の申し合わせ」が出来るはずはない。
本来の採択者である採択協議会で議論してもまとまらなかったから多数決にしたのではなかったか。
全教委協の臨時総会でまとまらなかったらどうするつもりだ。(怒)
まさか殴り合いで決めるわけにもいかない。
結局は多数決以外に決定の手段はないだろう。
自分の気に入らない多数決の決定は拒否し、自分の気に入る多数決は採択とするなら、各々が駄々をこねて堂々巡りではないか。
まさに「勝つまで続けるヤクザのジャンケン」ではないか。
八重山毎日によると、八重山教育委協は、文科省の法解釈を求める文書を文科省に発送したとのこと。
■新政権との「バーター取引」を危惧する
折りしも、野田新内閣に替わって、普天間移設問題が再浮上してくるはずだ。
前内閣から「辺野古移設」を受け継いでも、公有地の埋め立ての許認可権は仲井真県知事が有している。
知事の許認可権は辺野古移設を狙う新政権にとっても目の上のたんこぶである。
最近とみに左傾化した仲井真政権。
左翼の巣窟とも言われる県教育委の教科書採択に対する立ち位置は、沖教組の推薦する教科書を採択したい立場である。 つまり育鵬社版を拒否する慶田盛・竹富町教育長の主張に軍配を上げれば全てはうまくいくのである。
筆者は以前から民主党政権が「政治主導」を発揮して、「普天間移設」と教科書問題を「バーター取引」しないかと以前から危惧していた。何しろ4年前の「11万人集会」には野党時代の菅民主党副代表が参加し「教科書検定意見撤回!」を叫んで拳を突き上げていたのだ。
⇒菅内閣と教科書問題、菅直人は「11万人集会」に参加していた!
読者の太平山さんも同様なことを懸念しておられる。
次に「九仞の功」と題する太平山さんのコメントを転載する。
≪毎日のエントリーお疲れ様です。最近の記事を読むに当たって、「これは油断出来ないぞ、九仞の功を一簣に虧く」そのような事態にならなければといささか懸念しています。
県教育委員会はそもそも沖教組とグルですから、話をまとめるつもりはさらさら無く、混乱させるのが本意でしょう。彼等の目的は育鵬社教科書の採択阻止にあるのですから、話が長期化するのは願ったり叶ったりです。要は採択させなければ良いだけの話で、そのためには教科書などどうでもいい、目的のためには手段を選ばない、それが彼等のやり口で子どもの事など露ほども考えません。加害者のくせに弱者、被害者、正義をきどる、それが彼等の常套手段です。高校生の投書を新報が掲載したことなどもその典型ですね。
彼等は国の権威や指導など「へ」とも思いません。ましてや今回の野田内閣にも日教組の親分、貧乏神の権化がいますから彼等にとっては有利に働きます。話をこじらせ長期化させる、その間に県民世論を喚起させ「県民の総意」「県民感情」を盾に、翻意を迫ることは十分に考えられます。
国が普天間基地問題で出て来ればそれこそ幸い、教科書問題と絡ませれば県民の総意(反育鵬社)は容易に形成できる、まずは長期化させることが当面の目標だと考えているふしがある、私はそう考えますがどうでしょうか。
最近、沖縄タイムスや琉球新報の論調が静かになったのはその狙いがあるものと思っています。自らはできるだけ黒幕になって市民や生徒に語らせる、判官びいきの感情は沖縄にもありますから、過度の玉津教育長叩きは逆効果だと認識したでしょう。その上での方針転換です。
昨日の朝、NHKが初めて八重山の教科書問題を放送しました。育鵬社の教科書を、元つくる会の執筆者メンバーが作成した教科書と紹介していましたが、わざわざそのような紹介をするあたり、印象操作や否定的感情があることを否めません。10年前は「つくる会」のことを「この勢力は・・」とも言っていましたから。
何はともあれ、玉津教育長、崎原教育長とってはここは踏ん張りどころです。県民感情にとらわれること無く、毅然として絶対にブレないで欲しい。そう激励します。≫
【追記】
反対派は、各市町の教育委員会と県教育委員会に採択のやり直しを要求するメールやFAX,電話を入れるように通達しています。
そこで、全国の有志の方々にもご協力頂き、与那国町の崎原教育長と石垣市の玉津教育長に激励を入れて頂ければ、幸いです。
昨日の那覇市の集会では、採択支持より、反対が数倍も寄せられているという報告をしていたようです。
また、県教育委員会には、法律の則った採択にいちゃもんをつけるのは、不当介入そのものでという意の抗議を入れて頂ければ幸いです。
■激励
石垣市教育委員会
教育長 玉津博克
TEL:0980 - 82 - 2604 / FAX:0980 - 82 - 0294
E-MAIL:kyouiku@city.ishigaki.okinawa.jp
与那国町 教育委員会
kyouiku@town.yonaguni.okinawa.jp
教育長 崎原用能
0980-87-2002
■抗議
沖縄県教育委員会
教育長 大城 浩
098-869-8753
mailto:kyouiku1@pref.okinawa.lg.jp
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