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「本日天気晴朗なれども波高し」
今から一世紀以上も前の日露戦争。
宮古海峡を太平洋側から横断し、一気に日本海へ殺到した世界最強のバルチック艦隊を、迎え撃つ連合艦隊司令官東郷平八郎元帥が、大本営に発した電報の一部である。
6月2日の首相不信任決議案提出以来、政局は辞める気のない首相の退陣をめぐって2週間も国会は空転している。
暗雲立ち込める南シナ海の中国の脅威は、他人事ではないはずなのに・・・。
日本海から、東シナ海そしてさらに南シナ海では中国の恫喝に怯える東南アジア諸国が、中国への対抗策で南シナ近海は中国とのチキンレースで、一触即発、暗雲立ち込め浪が高い。
米とベトナム来月合同演習 南シナ海で
2011.6.15 00:56
14日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、ベトナムと米国の海軍が来月、ベトナム中部ダナン沖の南シナ海で合同演習を行うと報じた。ベトナム海軍は南シナ海で実弾演習を行ったばかりで、同海で領有権を争う中国を一層刺激しそうだ。
米海軍第7艦隊の高官が同紙に明らかにした。米海軍がタイやインドネシアなどとも行っている恒例の訓練の一環だといい、駆逐艦1隻が来月ベトナムに向かい、捜索、救助訓練を行う。米海軍は今月末には、フィリピン海軍との合同演習も予定している。
これら演習について第7艦隊の広報担当者は同紙に「以前から予定されていたものだ」と話し、南シナ海をめぐる最近の関係各国の動きとの関連を否定した。(共同)
☆
米軍基地反対運動で米軍を放逐したフィリピンが米軍との共同演習で、中国に対峙した。 続いて、今度はベトナム戦争では仇敵の間柄だったベトナムと米国が中国への対抗策で共同演習をすると言う。 目まぐるしく変化する国際情勢についていけない「平和団体」が、国境の県・沖縄で「米軍基地撤去」と叫んで、バカ面を晒している。
彼らの苔むした平和論に従えばベトナム戦争とは、「米帝国主義と平和的共産主義の戦」であり、ベトナムを支援した共産中国は平和勢力となる。
そうなると、現在米軍と共同演習で中国の侵略行為に対抗しているフィリピンやベトナムの行為は全く理解の限度を超えているのである。
大笑いである。
そもそも米国との合意を踏みにじって「普天間基地」を国外移設するとできもしないことを叫んで、日米関係に亀裂を生じさせた鳩山前首相の「日本海を友愛の海にする」と夢想したのが、中国を「寝た子を起こす状態」にした最大原因である。
日本のマスコミは、産経と読売が中国の南シナ海での暴挙に対して社説を書いたが、他のマスコミは「首相はいつ辞めるか」で精一杯で、迫り来る中国の危機等他人事の有様である。
ここのところ中国の南シナ海での狼藉に関してのエントリーが続いているが、昨日の稿で次のように書いた。
<平和ボケの日本人には想像もできないだろうが、ベトナム人達は中国の国のやり方をよく知っている。
こちらが甘い顔を見せ一歩引けば、一歩付け込んでくる。
恫喝して引っ込むなら恫喝を続ける。
恫喝がダメと分かれば、金の力でねじ伏せにかかる。>
日本は尖閣近海の中国漁船追突事件で、中国の激しい恫喝を受けたが、日本の法制度の不備をついて、今度は金の力でねじ伏せようとしていることが発覚した。
2011年06月14日17時00分
提供:ZAKZAK(夕刊フジ).
日本固有の領土である沖縄・尖閣諸島を、中国関係者がさまざまなルートを通じて購入しようとしていることが、国会関係者の話で分かった。所有者である埼玉県の企業家は国益を考えて突き返しているが、「40億円での買収」を提示したケースもあったという。沖縄は今週17日、返還調印40周年を迎えるが、中国海軍は沖縄近海での示威的活動を活発化させ、一部の華人系団体が尖閣接近を計画しているとの情報もある。日本の領土が危ない。
関係者によると、中国側の怪しい動きが始まったのは約10年前から。3、4年前から特に顕著になった。
手口は極めて巧妙。不動産業者を通したものだけではなく、国会議員や政治団体関係者などが「日本の領土を守りたい」「私が力になろう」などと接触してきた。その背後に、中国側の存在をうかがわせるものが多々あったという。
尖閣諸島は1895年、日本がどの国にも属していないことを確認して領有を宣言した。1919年に中国漁船が尖閣・魚釣島に漂着座礁した際、船長ら31人は島民らに救助されて無事に帰国した。翌年、中国(中華民国)から日本の島民らに「感謝状」が送られている。
ところが、国連が71年に、尖閣付近の海底に石油や天然ガスなどが埋まっている可能性を指摘すると、中国は「自分の領土だ」と言い始めた。
現在の所有者は70年ごろ、同諸島を開拓した福岡県の実業家、古賀辰四郎氏の子孫から「日本のために使ってほしい」と託され、4つの島を譲り受けた。これらは国が借りて管理しているが、中国側があの手この手で「わが物にしよう」と画策しても不思議ではない。
最近、中国人は金の力にものを言わせて、北海道をはじめ、全国の山林や原野を買いあさっているが、尖閣についても「所有者側に、40億円での買収を提示したこともあったようだ」(国会関係者)という。
ちなみに、自民党政権時代に、尖閣諸島の国家買収が検討されたことがあるが、「数億円だった」(党関係者)。中国が領土的野心を高め、付近の海底資源が注目される中、その価値はさらに上がっているとみるべきだ。
こうした動きに危機感を持った民間人による「日本の国土を守る国民の会」の設立総会が来月開かれる。
代表世話人である中森ふくよ氏は「諸外国との友好を維持しながら、国民の生命と財産を守っていくことが国家の使命。現状を放置すれば、日本の国土は、国民の意思に関係なく、他国の思惑のままになっても不思議ではない」と警鐘を鳴らし、尖閣諸島に気象・地震観測基地など国際的平和施設を建設するよう提案している。
政府の対応は急務だ。
日本のマスコミが無関心な中国の南シナ問題を、米国側はどのように見ているのか。
アメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長でウォール・ストリート・ジャーナル電子版のコラムニストのマイケル・オースリン氏は6月14日付けWSJで次のように語っている。
<中国政府はこの10年間、米国政府の決意がどれほどのものか、試してきた。最近も、西太平洋で実弾演習を行なうと発表、具体的な海域は明らかにしていないが、日本と米国の軍事基地の近海で実施するとみられる。中国のこのところの行動を受けて、ベトナム政府は同国中央部沿岸で実弾演習を実施すると発表した。限定的とはいえ、実弾演習が行なわれれば不安さは増すばかりだ。>
そしてアジア諸国と米国は、中国が平和的隣人口ではいいながらその言行不一致に正しく対処することが重要であると述べ、
その理由を三つ挙げている。
(1)何よりもまず、中国は、意図的であるかないかにかかわらず、近隣諸国が自らの国益に関係なく中国の要求に従わざるを得ないと感じる状況を作り出している。そのような対応が当たり前になれば、その時には、中国はアジアの地域政治の性質を大幅に、おそらく根本的に変えてしまっているだろう。そうなれば、中国は、際限なく他の要求もできるようになるだろう。その中には、海洋開発計画への反対や航行の自由への干渉など、今は非現実的とも思えるものも含まれるだろう。ひとたびそのような分岐点に達すれば、多国間による協力的な行動パターンにすぐに引き返すことは、不可能ではないにしろ難しくなる。
(2)第2に、中国が近隣諸国を威嚇したり妨害したりしても許されれば許されるほど、北朝鮮のようなその他の破壊的な政府は、ますますつけあがり中国と同じような行動に出ようとするだろう。その結果、ゆっくりと進んでいた地域の不安定化がさらに進み、自由主義の国にとって、国際ルールに従うと合意することがさらに困難になる。そうなれば、米国は、人手も金も使い果たしつつあるというときに、安定の確かな守り手としての役割を維持するよう、ますます圧力を受けるようになるだろう。
(3) 最後に指摘したいのは、中国の威嚇に対するベトナムの反応が示すとおり、小国は必ずしも黙って脅迫を受け入れるわけではない、ということだ。ゲイツ米国防長官が今月、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で警告したように、軍事力を背景とするつばぜり合いや衝突の可能性が増大するだろう。
オースリン氏は、中国の行動は、さらに広い海域のインド太平洋地域で軍拡競争をもたらしている。一方、日本は潜水艦隊を増強すると同時に、航空機が離発着できるほど大規模なヘリ空母を建造している。
これは麻生太郎元首相が唱えた「自由と繁栄の弧」と大きく重なるものである。
こういった事態によって、日本海、東シナ海、南シナ海そしてインド洋と、米国の役割はさらに広域化すると同時に、重要になっている。
だが中国に不信感を抱き、恐れているにもかかわらず、「アジア諸国の中には、米国の側について中国とバランスを取っていると受け取られてもいいと考えている国はほとんどない」という。
つまり陸地が続く隣の軍事大国を、米国と接近することで刺激することはできるだけ避けたいのが本音だと言うのだ。
中国経済を無視して世界経済を語れないほど経済成長をした中国の対処法について、オースリン氏はこう結んでいる。
<世界経済は中国経済も含め、アジアの安定と成長に依存している。しかし、近年の傾向を見るとアジアの未来が平和であるとの前提には疑問符がつく。変化の大部分は海の底に隠れているが、アジア大陸周辺の海域はさらに荒れつつある。半世紀にわたって驚異的な経済成長を経験したアジアは今、不確実性やそれ以上に悪い事態を恐れている。もし中国が大国として尊敬を集めたいと思うのであれば、自らの要求を抑え、自制心を持つことを学ばなければならない。>(2011年6月14日WSJ【オピニオン】南シナ海波高し―中国の自制求む)
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