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「2択」の県民投票、どっちに転んでもにメリットなし 

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県民投票は、民意を問うというなら、一種の世論調査ということができる。

世論調査は、実施する新聞社などにより、結果が異なる場合が多い。

その理由は、質問の仕方で回答が異なる可能性があるからだ。

例えば比較的単純な内閣支持率の質問で、「支持する」「支持しない」の「2択」にする場合と、「関心がない」「どちらともいえない」の「4択」のする場合とで、数字は変わる。

では今問題になっている県民投票はどうか。

条例によと辺野古埋め立ての賛否を「2択」で問うという。

自公など県議野党は「やむをえない」「どちらともいえない」を含む「4択」を主張したが、県議与党が数の力で、「2択」で押し切った。

「2択」の設問では「辺野古移設」の原点である「普天間移設」が置きざりにされ、宜野湾市民の民意は無視されたことになる。

県民投票のおかしな点は他にもある。 多数決で一見民主的に思える県民投票だが、県民投票を連日報じている沖縄2紙は、公正とはかけ離れた報道をしている。

「米軍基地は諸悪の根源」というイデオロギーの下、連日「米軍基地は戦争へ道」という論調の記事で紙面を埋めている。

さらに投票条例は知事に対して必要な広報活動を「客観的、中立的に行うよう定めているが、デニー知事は「埋め立て阻止」を主張、中立性を踏みにじっている。

12月14日、防衛局が埋め立て地に土砂投入をすると、デニー知事は反対派が座り込んでいる辺野古を訪ね、反基地活動家の山城博被告と抱き合って「工事阻止を諦めない」と叫んだ。

たとえて言えば、テニスの審判が片方の選手に肩入れしては公正な試合が成立しないのと同じである。

 

デニー知事の辺野古での言動は、明らかに県民投票条例違反であり、住民訴訟対象である。

数々の不条理を押し切って県民投票を強行した場合はどうか。

「賛成」が多く、反基地派にとって県民投票に成功しても、国は埋立承認がそのままである限りは着々と工事を進める。いやそれどころか工事を加速させるであろう。
拘束力のない県民投票は、反基地派にとっていい結果になってもプラスはなく、悪い結果になったらマイナスの「政治パフォーマンス」に過ぎな では、仮に県民投票で「辺野古“埋立”賛成」が反対を上回ったら? デニー知事の政治生命が終わる時である。
(下)県民投票にメリットなし 新基地阻止は知事権限で 2017年3月8日 17:18 乗松 聡子 乗松 聡子(のりまつ さとこ) 『アジア太平洋ジャーナル ジャパンフォーカス』編集者

1965年東京生まれ。カナダ・バンクーバー在住。共著にガバン・マコーマック氏との『沖縄の〈怒〉-日米への抵抗』(法律文化社) 「県民投票」の案についてだが、「自明の民意をなぜ調べるのか」「工事が取り返しのつかない所まで進んでしまう」など、現場や市民レベルに近い人ほど否定的な声が多いと思う。提案する側は簡単だが、実際に足を使って運動させられるのは市民である。「わかりきったことを調べるためにこれ以上運動させるのか」との悲鳴が聞こえてくる。実際、肯定的な意見は県政、政治、新聞に主に見られるように思える。市民から「新聞は県政の方ばかり見て、市民感覚からかけ離れてしまっている」という声も聞いた。

そもそも「県民投票」は前知事選候補の下地幹郎氏が主張していたが、当時、翁長候補の支持者たちは批判していた。今度、翁長県政が支持したら県民投票はよくなるのか。

 記憶によれば、2015年、翁長知事が「第三者委員会」の「瑕疵あり」の報告を受け、いつ「埋立承認取り消し」を行うのかと夏から秋にかけて市民が待ちかねていたころ、突然降って湧いたように「県民投票」が報道された。それもいつの間にかすぼまり、今度また浮上してきたゾンビのような概念である。何か裏で政治的策略がありそうだが私にはわからない。

 沖縄は知事選を含むさまざまな選挙や県民大会、世論調査などで「民意」を示しても政府は顧みもせずに工事を強行してきた。そのパターンが県民投票をやったからといって変わることはない。その間に工事は取り返しのつかなくなるほど進む。県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わるのが目に見えている。

 私は本当に基地を止めたいと思っている人が県民投票など推すはずはないと思っている。県民の圧倒的な反対の声を背負って知事になった翁長知事が、ご自分の権限で基地を阻止するべきなのにどうしてまた市民に振り戻すのか。県政も、県民投票に前向きな姿勢を表明したようだが、あまりにも無責任ではないか。

 県民投票に成功しても、国は埋立承認がそのままである限りは着々と工事を進めるであろう。それどころか工事を加速させるであろう。また、歴代の沖縄の選挙にありがちであったように、国側の不当な介入によって万が一逆の結果が出る可能性もある。そうなった場合、県民投票を推した人たちはどう責任を取るつもりなのか。いい結果になってもプラスはなく、悪い結果になったらマイナスは果てしないというゲームにどうして多額の費用と労力と時間をかけて突入するのか。最近県議会で言及された「出直し選挙」にしても同様である。

 工事が毎日進む今、翁長知事は、本当に基地阻止ができる可能性のある「埋め立て承認撤回」を今すぐ行ってほしい。2年以上「視野に入れた」状態を続けた後、今でも遅いのだが、もちろんしないよりはした方が阻止の可能性が高まる。損害賠償を求められるとしたら遅ければ遅いほどその額は増え、阻止は遠のく。「天王山」は今なのだ。(『アジア太平洋ジャーナル:ジャパンフォーカス』編集者)(2017年3月2日付沖縄タイムス文化面から転載)

                                                ☆

「【辺野古 ただちに埋立承認撤回を】(下)県民投票にメリットなし 新基地阻止は知事権限で 2017年3月8日 17:18」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/87608?page=2

>そもそも「県民投票」は前知事選候補の下地幹郎氏が主張していたが、当時、翁長候補の支持者たちは批判していた。
>また浮上してきたゾンビのような概念である。
>何か裏で政治的策略がありそうだが私にはわからない。
>沖縄は知事選を含むさまざまな選挙や県民大会、世論調査などで「民意」を示しても政府は顧みもせずに工事を強行してきた。そのパターンが県民投票をやったからといって変わることはない。
>その間に工事は取り返しのつかなくなるほど進む。
>県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わるのが目に見えている。
>県民投票に成功しても、国は埋立承認がそのままである限りは着々と工事を進めるであろう。
>それどころか工事を加速させるであろう。
>いい結果になってもプラスはなく、悪い結果になったらマイナスは果てしないというゲームにどうして多額の費用と労力と時間をかけて突入するのか。

県民投票に対する不安は何も解決されないまま、実施へ。

県民投票をしてそれを無視する政府にまた「怒る」だけで終わる。
これが目標だ。
無視する政府にまた「怒る」種を尽きさせない為の県民投票。

とうことは、もし、県民投票で「辺野古“埋立”賛成」が反対を上回ったら?
「無視する政府にまた怒る種」は、尽きる。


沖縄県民の皆さまにお願い
県民投票を拒否する議会、市長を応援すると同時に、県民投票が実施される市町村では、「棄権せず、普天間の危険の除去には辺野古移設が必要だから埋立賛成に投票するよう」呼びかけを!

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