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沖縄戦「集団自決」の真相 梅澤裕元座間味島隊長の遺言 / 鴨野守/著 / アートヴィレッジ
定価:1296円+税 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鴨野/守
昭和30年富山県生まれ。金沢大学教育学部卒業。ジャーナリスト。教育問題、戦争、人物評伝を主に手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
求心力弱まる反基地活動家
沖縄県の米軍普天間飛行場の移設先である名護市辺野古で、政府による埋め立て海域への土砂投入が始まった。日米両政府が1996年に同飛行場の返還で合意して以降、辺野古の海域に土砂が投入されたのは初めて。移設計画は後戻りできない段階を迎えた。(那覇支局・豊田 剛)
地元の行政委も県民投票反対決議辺野古のキャンプ・シュワブの沿岸に14日午前9時頃、土砂を積んだ運搬船が桟橋として用いる護岸に接岸した。土砂がダンプカーに積み替えられ、午前11時頃から海に向けて次々と投入した。
キャンプ・シュワブのゲート前では夜明け前から集まった反基地活動家らが抗議の声を上げた。警察の警告に従わず、車道に飛び出し、車両の前に立ちふさがって進行を妨害。違法行為の影響で、ゲートで働く人々やその他通勤客らに影響が出た。また、海上でも約20隻のカヌーが抗議活動をした。
政府は15日も土砂の投入を続行した。玉城デニー知事は同日、キャンプ・シュワブのゲート前で行われた反基地集会で「勝つことは難しいかもしれないが、絶対に諦めない」と発言。難しい局面を迎えていることをにじませた。
一方、現行のV字案が合意された当時の名護市長の島袋吉和氏は、土砂投入の瞬間を基地内で見守り、「最高の埋め立て日和だ。ようやく大きな一歩を踏み出した」と安堵した。
埋め立ての前日には、反基地活動家らの出鼻をくじく判決が福岡高裁那覇支部で下された。2016年に辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前で抗議活動中に、公務執行妨害や威力業務妨害などの罪で逮捕された反基地運動リーダーで沖縄平和運動センター議長の山城博治被告に対し、懲役2年、執行猶予3年の有罪を言い渡した那覇地裁判決を支持し、被告の控訴を棄却したのである。
有刺鉄線をペンチで切ったり、1486個ものブロックを基地ゲートに積みあげた行為について、「一連の行為は、移設工事を進める防衛省沖縄防衛局の業務を不当に妨害したもので、憲法で保障される表現の自由の範囲を逸脱している」と認定した。こうした判決が少なくとも、過激派の暴力活動を自粛させていくに違いないと期待する声は多い。
14日朝には山城被告の姿もゲート前にあった。7時半頃、マイクを握ると「20年闘い抜いた辺野古の海にいよいよ土砂が入ろうとしている。民主主義と人権と平和と暮らしと命が今潰されようとしている」と訴えた。
ただ、高裁で有罪判決が下された上に、心臓を手術した身の山城被告にはかつての強いリーダーシップや強硬な姿勢を見ることができない。「もう従前のように道路に出て横たわって抗議することはできない」。山城被告はこう述べた後、「辺野古を埋め立てさせるな」とシュプレヒコールの先陣を切ったが、すぐに別人と交代した。
埋め立て開始により、原状回復が困難になる中、玉城知事は来年2月24日に実施予定の県民投票に期待をかける。反対の民意を政府に示したい考えだ。
ただ、肝心の移設先である辺野古区の行政委員会は12日、県民投票に反対することを全会一致で決議した。「埋め立ての賛否だけを問うことは望ましくない」というのがその理由だ。辺野古区に現存するヘリパッドは、代替施設が完成とともに返還され、地元の負担が軽減される。問うならその点も併せて問うべきだというわけである。
基地建設による経済振興や財政的補償への期待が高いだけでなく、平穏な日常生活を脅かす反対派によるデモ活動に終止符を打たせたいという思いも底辺にはある。
14日は朝の5時半頃からデモが行われ、怒号が辺野古集落まで響いた。小学生の子供を持つ母親は、「安眠妨害で、平穏な日常生活が反対活動によって台無しにさせられる」と迷惑がった。
辺野古商工社交業組合の飯田昭弘元会長は、「ゲート前の違法活動を知事が激励することは理解しがたい」と批判する。土砂投入については、「代替施設を止めることはできない。むしろ、どのように地域振興するかアイデアを出すべきではないか」と話した。
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