争点といわれる「辺野古移設」と「経済振興:について、両者の印象をひと言で述べるとこうだ。
「夢見るデニーvsリアリスト淳」
きょうの沖タイから知事選の見出しを一部抜粋して紹介しよう。 ■一面トップ 普天間問題巡り相違 地位協定で議論白熱 佐喜真・玉城氏が討論会 知事選あす告示 ■二面トップ 【普天間 新基地問題】(※筆者注・・・普天間移設が正しい) 基地議論 深まらず 辺野古法的争い注視 佐喜真氏 国の無謀 世界に訴え玉城氏 【沖縄関係予算・振興策】 暮らし優先に交渉 佐喜真氏 補助金頼らず自立 玉城氏 QAB朝日テレビ 2018年9月11日 18時28分 【動画あり】県知事選 佐喜眞・玉城 両氏が討論会
討論会で佐喜眞淳氏は「もうこれ以上、この普天間飛行場を今のままで放置していいんですか。ヘリは墜落し、窓は落ちるし、こどもたちは今でも騒音に悩まされ、宜野湾市民は今でも、夜間の飛行に対してイライラ感を持ち、今でも眠れない」と訴えると、玉城デニー氏は「普天間飛行場に象徴されるように、奪われた土地を返してほしいという、県民の思いに対して、同じ県内に(基地を)造れ、合意通りしろという国の強硬手段は、不条理でしかないと私は訴えています。辺野古新基地建設は県民の民意をふまえずに、進められ、地方自治の旨からも逸脱しています」と話しました。
翁長知事の死去を受け、9月30日に投開票される県知事選挙。前宜野湾市長の佐喜眞淳さんと玉城デニーさんの事実上の一騎打ちと見られていますが、9月11日、マスコミ主催による討論会が行われました。
午後3時から行われた県知事選挙立候予定者の討論会には事実上の一騎打ちとみられる佐喜眞淳さんと玉城デニーさんの2人が辺野古問題など、今回の県知事選での争点について、時折、語気を強める議論を交わしました。果たして、9月11日の討論会で2人は今回の選挙で、県民に対し何を強く訴えたのでしょうか。
お二人の主だった討論会の主張をお送りしました。スタジオには取材にあたっている選挙担当の金城記者です。今回の討論会、お互いの主張はどのようにご覧になりましたか?
金城記者「今回はマスコミ主催の討論会ということで、辺野古の問題や承認撤回の問題など、突っ込んだ形の討論会となりました。全体の雰囲気としては、佐喜眞さんがビジョンを多く語りきれていたのに対し、玉城さんは政策発表がきのうと出遅れていただけに少し語り切れていない感がありました」
候補者はそれぞれどんな主張だったのでしょうか。
金城記者「佐喜眞さんはやはり今回の討論会でも辺野古という言葉は一切出さずに、普天間の苦悩という現状を伝えることで、移設の必要性を強調し、これまでのスタイルを押し通しました」
金城記者「一方の玉城さんは辺野古建設の是非を言うべきだと何度も主張していましたが、佐喜眞さんにはぐらかされた形となって、辺野古問題は今回もかみ合いませんでした」
金城記者「ただ、両者ともに時折感情も全面に出しながら訴えた思いを有権者がどのように受け止め、選択するのか見ていきたいと思いました」
県知事選挙はあさって告示、今月30日に投開票です。
☆
沖縄2紙を筆頭に、沖縄メディアは知事選の争点は「辺野古移設」だと強調する。
玉城氏が「辺野古新基地(辺野古移設)反対」と単純明快な主張に対し、佐喜真氏は「一日も早い普天間の返還」と、普天間基地の在る宜野湾市長当時からの主張を繰り返す。 これを沖縄メディアは「辺野古から逃げている」とか「争点ずらし」などと批判的な報道を続けている。
上記報道でも、「佐喜真氏は辺野古のへの字も言わなかった」との音声があった。
だが、よく考えてほしい。
約20年前の日米合意は「普天間基地移設」であり、「普天間基地撤去」ではない。
したがって仲井真前知事が何度も説明したように、辺野古在の米軍基地「キャンプシュワブ」内部への移設であり新基地建設ではない。(むしろ玉城氏が賛成する那覇軍港の浦添沖移設こそ、紛れもない新基地建設そのものである)
さらに詳しく言えば、辺野古移設は、普天間基地の面積の約三分の一への縮小統合である。
さて、辺野古移設に関しては国と県は激しく対立しているし、県民の意見も大きく分かれると言って良い。
だが、普天間移設については、日米も合意しているし、保革を問わず県民の間でも反対する人は少ないだろう。
ところが、「オール沖縄」支持派は「普天間移設」には賛成しながら、「辺野古移設」には断固反対だと主張する。
辺野古移設を反対したら「普天間移設」が遅れるのは明白であり、住宅密集地の隣接する「普天間基地」の危険性を宜野湾市民に負わすことになる。
より噛み砕いて言えば「辺野古移設反対」=「普天間移設反対」という等式が成り立つのだ。
「オール沖縄」支持派のこの矛盾点を指摘するのが新聞の役割のはずだが、「オール沖縄」のコマーシャルペーパーの沖縄2紙がこの矛盾を指摘するはずは無い。
ここらで沖タイの見出しから玉城氏の矛盾点を2,3指摘しておこう。
>基地議論 深まらず
>辺野古法的争い注視 佐喜真氏
>国の無謀 世界に訴え玉城氏 9月30日、謝花副知事が「撤回」を施行したことにより、国と県との法廷闘争が再発する。 わが国は法治国家である。 佐喜真氏の「法的争い注視」は法治国家の県知事として当然の意見である。 一方の玉城氏のコメントは奇奇怪怪である。 謝花副知事は「撤回の施行」を「政治判断ではない」「行政判断」であり「行政手続き」と繰り返し主張した。 では玉城氏が知事になったら「行政判断」である「撤回の実施」を「世界に訴える」というのか。 「行政手続き」を一々世界に訴えるの法治国家の知事の仕事なのか。 行政手続きを世界に訴えるため玉城氏も国連に行って、「自己決定権をないがしろにされている」などと演説する気なのか。
>補助金頼らず自立 玉城氏
沖縄が自立経済でやっていけるのは理想であり、反対する者は少ないだろう。
だが県知事が理想だけ追い求めて現実の沖縄経済を任せられるか。
否である。
仲井真前知事が獲得した一括交付金を減額された翁長知事が狼狽した事実をどう考えるのか。
国の交付金を拒否し続けた稲嶺前名護市長が、現実を見据えた名護市民に見捨てられた現実をどう考えるのか。
現実の沖縄経済を無視した「夢見るデニー」に沖縄経済を任せるわけには行かない。
最後にもう一つ。
「夢見るデニー」こと玉城氏は「辺野古新基地反対」と言うが、達成できない場合の具体的政策は何か。
これに対し玉城氏は「撤回は県知事の権限」などと答えにならないコメントを発していた。
前回の公開討論で支援者のはずの沖タイに指摘されている。
沖縄タイムス+プラス ニュース 玉城氏、辺野古新基地「断固反対」 沖縄知事選へ政策発表 工事止める具体策は示さず2018年9月11日 07:54
30日投開票の知事選に出馬表明し、「オール沖縄」勢力が推す玉城デニー氏(58)は10日、那覇市の教育福祉会館で政策「新時代沖縄」を発表した。名護市辺野古の新基地建設について「断固反対」と明記したが、国が強行する工事を止める具体的な策には言及しなかった。アジアのダイナミズムを取り入れ、自立型経済を構築し、補助金に頼らない県づくりを推進する考えを示した。
辺野古新基地について「県が行った埋め立て承認『撤回』を支持し、新たな県政でしっかり引き継いでいく覚悟だ」と強調。一方、「普天間を返すなら、別に(基地を)造れというのは非常に不条理な内容だ」と述べるにとどまり、工事を止めるための具体策は示さなかった。県と国との関係については「分断や対立は私たちが持ち込んだものではない」とした上で「互いにメリットになることを将来のため、しっかりと確保していく方向性で協議を求めていく」とした。
日米地位協定の抜本的改定にも言及。地位協定に基づく「航空特例法」の廃止や、他国地位協定調査で明らかになった交渉事例などを生かし領土・領空・領海に対する「主権の行使を求める」と説明した。
経済政策では、アジアや世界各国との経済、文化交流などを目的とした「万国津梁会議」(仮称)を新設し、「沖縄の発信力を高めていく」と説明。観光客1200万人超、観光収入1・2兆円を目指し、法定外目的税「観光・環境協力税(仮称)」の創設により「県の新たな財源を確保する」とした。
また沖縄の優位性を生かした経済施策の展開によって県民所得の向上を図るとし、子ども医療費助成の窓口での完全無料化、待機児童ゼロを目指す。産業振興と連動した雇用の機会を創出し、正規雇用拡大、所得・雇用の質の改善のため「正社員雇用拡大助成金制度などを推進したい」と語った。
2018/09/06 12:00 政治・経済 基地問題
【おまけ】
基地や経済で論争 県知事選の公開討論会今月13日に告示される県知事選挙を前に、立候補予定者2人の政策などを聞く公開討論会が5日夜、南風原町で開かれました。
この討論会は候補予定者の政策などを県民に理解してもらおうと、青年会議所沖縄ブロック協議会が開催したものです。
討論会には立候補を予定している前の宜野湾市長の佐喜眞淳さんと自由党の衆議院議員、玉城デニーさんが出席し、基地問題や経済振興などについて論争を交わしました。
「(Q争点はときかれたら?)普天間飛行場の返還です。危険性の除去、基地負担の軽減すべてにおいて、その入り口は、原点は、普天間飛行場しかないんです」(佐喜眞淳さん)
「最大の争点は、翁長雄志知事が行政として進めた辺野古の埋め立て承認の『撤回』、この是非です。ですからこの是非を避けて今回の知事選挙通れないと思います」(玉城デニーさん)
このほかカジノを含む統合型リゾートの県内への導入については玉城さんが「必要ありません」との認識を示したのに対し、佐喜眞さんは「観光資源として研究や議論は必要だ」と述べました。
県知事選挙は今月13日に告示、30日に投開票されます。
【解説】佐喜真淳氏が知事選に向けて発表した政策は推薦を受ける自民、公明、維新で主張が異なる辺野古新基地建設については触れず、基地負担軽減の推進で「大同に就く」ものとなった。一日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去を訴えつつ、具体的な解決策は示さず争点をぼかした。
☆■東子さんのコメント
タイムスは、
辺野古反対と言えば、争点を鮮明にした
辺野古推進を言わないのは、争点ぼかし
に留めておけばよかったのに、「争点ぼかし」を「具体的な解決策は示さず」にスライドした。
「「一日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去」と言うなら、具体策を言ってみろ、言わないのは、「争点ぼかし」とした。
これは、墓穴堀り。
「基地解決、争点ぼかす 佐喜真氏の政策 自公維の3党共闘を強調 2018年9月4日 13:22」
沖縄県知事選2018 佐喜真淳 普天間移設問題・辺野古新基地 辺野古 深掘り
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/308943
>一日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去を訴えつつ、具体的な解決策は示さず争点をぼかした。
玉城氏も、「一日も早い普天間飛行場の返還と危険性除去を訴え」ているが、「辺野古阻止」と言っているだけで、阻止の「具体的な解決策は示していない」。
タイムスは、「具体的な解決策は示さず」を「争点ぼかし」というなら、玉城氏も「争点をぼかしている」。
玉城氏の「争点ぼかし」は、更に悪質。
なぜなら、外交権のある国会(国)に属する国会議員を経験しているからだ。
外交権のある国会(国)に属する国会議員として、宜野湾市民の生命・財産を守る為に何かできたはずだ。
玉城氏は、宜野湾市民の生命・財産を守る為に、何をしたか?
具体的に述べていませんね。
国会議員である方が外交権のある国に属するのだから、より「辺野古阻止」をしやすいにもかかわらず、基地問題解決のために外交権のない地方の首長になろうというのだから、なぜ、敢えて外交権のない地方の首長になろうとするのか、説明する義務があるし、外交権のない知事がどうやって「辺野古阻止」をするのか、具体的な解決策を求められて当然。
だが、どちらも説明無し。
だから、外交権の無い佐喜眞氏の「争点ぼかし」より悪質だわ。
ところで、玉城氏はまだ辞職していないから国会議員だ。
辞職するまで国会議員の給与は入る。
玉城氏は、辞職せずに8月29日に正式に出馬表明した。
ちなみに佐喜眞氏は、辞職願を出してから、正式な出馬表明をしている。
【参考】
「沖縄県知事選:佐喜真氏と玉城氏が初討論 争点で見解分かれる 普天間の早期返還は一致 2018年9月6日 05:23」
沖縄県知事選2018 辺野古 佐喜真淳 玉城デニー 普天間移設問題・辺野古新基地
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/310189
30日投開票の沖縄県知事選に出馬を表明した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新推薦=と自由党衆院議員でオール沖縄が推す玉城デニー氏(58)を招いた公開討論会(日本青年会議所沖縄ブロック協議会主催)が5日、南風原町立中央公民館で行われた。争点について、佐喜真氏は「普天間飛行場の一日も早い返還、危険性の除去、基地の負担軽減」と訴えたのに対し、玉城氏は「翁長知事が行政として出した辺野古の埋め立て承認撤回の是非」と見解が分かれた。普天間飛行場の早期返還を求めることでは一致した。立候補予定の両氏が顔を合わせるのは初めて。
拡大する討論会を終え握手を交わす佐喜真淳氏(左)と玉城デニー氏=5日、南風原町立中央公民館
佐喜真氏は辺野古新基地建設について県が埋め立て承認を撤回したとし「これから沖縄と政府で法的争いが始まる。日本は法治国家。法に基づいてしっかりと判断しないといけない」と述べるにとどめ、玉城氏は「米国の法律に照らすと、辺野古に基地は造られない原因がたくさん明らかになっている」と反対し知事選や県民投票で問う考えを示した。
「県民の暮らし最優先」がキャッチフレーズの佐喜真氏は「約千ヘクタールの基地が返ってくる。跡地は宝。グローバルかつダイナミックな沖縄づくりが重要」と訴えた。「誰一人取り残さない」をキーワードに掲げる玉城氏は「あらゆるセーフティーネットを築き安心して働ける環境を築くのが行政の役目」と語った。
カジノを含む統合型リゾート(IR)の県内導入について玉城氏が「カジノは必要ない。外国からきた業者が日本人の財産を奪うものだ」と反対。佐喜真氏は法案の詳細な中身を把握していないと直接の言及は避けるも、入域観光客数が増加を続ける可能性があるとして「沖縄の独特な観光資源として、研究や議論は必要だ」と答えた。
辺野古巡り激論 沖縄県知事選・公開討論会 2018年9月6日 13:00安全保障 国が決めること/玉城氏から佐喜真氏へ・質問と回答 -2017年の衆院公聴会で「日米が辺野古が唯一としている。市民の生命・財産を預かる市長として否定できない」と発言した。辺野古推進ではないか。 「安全保障は国が決めることで地方自治体は外交権限がない。市民のため尽くすのが宜野湾市長の役割だ。
■東子さんのコメント
>普天間飛行場の早期返還を求めることでは一致した。
「辺野古巡り激論 沖縄県知事選・公開討論会 2018年9月6日 13:00」
沖縄県知事選2018 選挙 佐喜真淳 玉城デニー
>安全保障 国が決めること/玉城氏から佐喜真氏へ・質問と回答
>-2017年の衆院公聴会で「日米が辺野古が唯一としている。市民の生命・財産を預かる市長として否定できない」と発言した。辺野古推進ではないか。
>「安全保障は国が決めることで地方自治体は外交権限がない。市民のため尽くすのが宜野湾市長の役割だ。
国会議員として外交権のある国に属してい“る”玉城氏が、外交権のない地方の首長“だった”佐喜眞氏へ「安全保障」について、質問している。
⇒忘れずにクリックお願いします。