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福田事務次官は。辞任会見で、記者の「セクハラを否定するなら何故やめる」との質問に「職務の遂行が出来ない」と答えた。
そりゃ、そうだろう。
職場や自宅で凶暴化したマスコミ集団が、カメラやマイクを抱えて攻撃を加えたら、職務に支障をきたす。
たとえ、セクハラを否定しても、マスコミのルールでは「推定有罪」で、暴力的取材攻勢が許されるそうだ。
これは日本のマスコミに許された「夜回り」の特権だという。
福田事務次官が現在、凶暴なマスコミの糾弾を避け、雲隠れ中という。
もし無実なら、お気の毒様である。
2018年04月23日 11:50 池田 信夫
(写真は共同通信)
今回のセクハラ事件で、テレ朝の情報漏洩を擁護するジャーナリストが少なくない。共同通信は、「彼女は反省する必要などあるのか」と開き直る。この録音データは「取材活動で得た情報」ではないから、週刊誌に売り込んでもいいという。
思い上がりもはなはだしい。この田村文という記者は、自分が夜中にアポなしで要人の家に入れてもらえるのは、なぜだと思っているのか。「共同通信」という肩書きがなければ、彼らはただの不審者として110番されて終わりだ。政治家や官僚が彼らを家に入れるのは、夜回りという習慣があるからだ。
たしかにマスコミがやっている「夜回り」は、取材活動とはいえない。政府首脳の自宅に何時間も張り込み、酔って帰ってきたところをつかまえてセンシティブな話を聞く。家に上がり込んで、夜中の1時2時まで、酒を飲ましてもらう。大部分は雑談だ。
大事件になると、24時間ベタバリということもある。あげくの果てに上がってくるのは、噂話を書いた「夜回りメモ」だ。これはもちろんオフレコなので使えない。夜回りから出てきたスクープなんてほとんどない。
夜回りの99%は空振りだ。そもそも夜回りする対象が、ネタをもっていないことが多い。ネタをもっていても「明日ガサ入れをやる」という類の情報を数時間早く出す程度だ。それも共同通信やテレ朝のような二流には出さない。取引する価値がないからだ。共同がオフレコ音源をネットに公開する方針なら、共同の記者は今後、夜回りはできなくなるだろう。
最近は「夜回り禁止」という役所も増えてきた。オフレコ取材はどこの国でもあるが、夜回りは日本独特の悪習である。相手だけでなくまわりの家にも迷惑なので、これを機に全面禁止すべきだ。そういうカルテルは、記者クラブのお得意だろう
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