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Channel: 狼魔人日記
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原稿3226

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沖縄にとって、この1年は沖縄の今後の政治状況を決める重要な年である。 65票の僅差で現職市長が惜敗した1月13日南城市長選を皮切りに、12月の県知事選を睨んで、重要選挙が目白押しである。

特に2月4日投開票の名護市長選は、翁長知事を支援する「オール沖縄」vs「政府自民党」の代理戦争といわれ、三日戦争を明日に控えた31日現在、票の囲い込みが過熱化している。 報道によると当初有利といわれていた現職の稲嶺候進補に対し、前市議の渡具知候補が激しく追い上げ、現在僅差の情勢である。

沖縄の重要選挙の争点は沖縄2紙が決める。 「民意は沖縄2紙が決める」と豪語する通り、「辺野古が最大の争点」(30日付琉球新報),「辺野古 最大の争点」(29日付沖縄タイムス)とまるで申し合わせしたように「辺野古」の大見出しが紙面を飾っている。 稲嶺候補にとって、「辺野古移設反対」の公約で、政府と対決してきただけに、新聞が取り上げる「最大の争点」は大きな支援となっている。 一方の渡具知候補が、公明党の支援を取り付けるため「辺野古」は曖昧な表現に徹し、経済問題を全面に打ち出し、「辺野古」が争点になるのは極力避けてきた。「辺野古」は逆風になり恐れが有るからだ。

選挙報道の合間を縫うように、30日付沖縄タイムスは一面トップで高江で起きた県警の検問を違法とした那覇地裁判決を「県控訴せず」と大きく報じた。 

違法な抗議活動を繰り返す反基地活動家の罵声に耐えながら、忠実に職務を執行する警察官の悔し涙が目に浮かぶような翁長県知事の判断だ。

 事件の経緯はこうだ。

辺野古に次いで反基地活動家のメッカとなった高江で警備中の警官が、”プロ市民”(活動家)と思しき人物を検問した。職務の執行である。

ところが検問を受けた「プロ市民」の支援者である三宅祐司弁護士が、過剰警備として県を提訴。 那覇地裁の森健裁判長は県警の検問は違法との判決を下した。こんな理不尽な判決が許されるはずは無い。筆者は被告の県が即時控訴するものと信じていた。ところが控訴権を有する翁長知事は「控訴をしない」と判断。県警側の控訴要請を押し切っての「控訴断念」である。

この理不尽なニュースを「市民『当然』」、「県警『残念』」と報じる沖タイの見出しが、仲井真前知事がいみじくも言った「(特定勢力の)コマーシャルペーパー」の性格をよく表している。

 

翁長知事は、控訴権について「地方自治法上、私(知事)に最終的な意思決定の権限がある」と確認した上で、控訴断念の理由を次のように説明している。

「原告の言動や服装などからは、犯罪行為に及ぶ具体的な蓋然性が有ったと認めることはできない」と。

 つまり翁長知事によれば、服装と言動に気を付けた人物が違法行為を行うとは思えないので、検問は違法というのだ。

こんな性善説を適用したら、現場の警察官は悔しくて血涙を流すだろう。 いや、警官を辞める人出るかもしれない。

残念ながら警察とは「人を疑う」のが職務の因果な商売のはずだ。

バカバカしい話だが、翁長知事の判断によれば、泥棒は泥棒らしく頬被りに唐草模様の風呂敷を担いでいると、ということになる。

県警側が「控訴して欲しい」と、知事に伝えていた様子を、沖タイは次のように報じている。

<ある県警幹部は「職務を当事者としては、控訴が妥当と判断した」と強調。「主張が通らず残念だ。 被告が県知事である以上、県警が判断できないのは仕方がない」と語った。」>(9日付沖縄タイムス)

 

こんな理不尽がまかり通ったら沖縄は「無法地域」に成り果てる。

 

人気テレビドラマ「踊る大走査線」の主人公青島刑事の言葉を、翁長知事に叩きつける。

 

「事件は現場で起きている。 会議室で起きているのではない」

 

明らかに翁長知事の職権乱用である。


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