東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設を巡り、東村高江の住民ら33人が21日午前10時ごろ、国を相手に工事の差し止めを求める訴訟を那覇地裁に提起した。差し止めを求める仮処分も同時に申請した。
弁護団はヘリパッド建設はオスプレイの訓練激化につながるのは明らかで、現状よりも騒音が増加すると指摘。そのため身体的・精神的被害は、現状よりも深刻になるとして、ヘリパッド建設は周辺住民の「人格権」を侵害するとした。
【琉球新報電子版】
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「しんぶん赤旗」によると、訴訟の概要について説明した金高望弁護士は「工事が完了して米軍が運用を始めると、現在の裁判所の考え方では米軍機の飛行を差し止めることが困難になる。米軍への提供前に建設を差し止める必要がある」とのこと。
辺野古違法確認訴訟で、高裁那覇支部は県に全面的敗訴を言い渡している。
県は本日(23日)上告の予定だが、最高裁は判決に法令違反や憲法違反がない限り上告却下の可能性が高い。
「辺野古移設」と「高江ヘリパッド工事」とは、両者とも日米安保条約の日米合意に基づくという点で、同じ根っこを持つ。
ということは、両者とも「国防・外交に関する事案」であり、国の専管事項である。
その点を高裁判決は次のように述べている。
「第1号要件審査の対象に国防・外交上の事項が含まれるか」について »(略)・・・国防・外交に関する事項は、本来、地方公共団体が所管する事項ではなく、地域の利益に関わる限りにおいて審査権限を有するにすぎない。
そして、地方公共団体には、国防・外交に関する事項を国全体の安全や、国としての国際社会における地位がいかにあるべきかという面から判断する権限も、判断しうる組織体制も、責任を負いうる立場も有しない。
それにもかかわらず、本来、知事に審査権限を付与した趣旨とは異なり、「地域特有の利害ではない米軍基地の必要性が乏しい、また住民の総意だ」として、都道府県全ての知事が埋立承認を拒否した場合、国防・外交に本来的権限と責任を負うべき立場にある国の不合理とはいえない判断が覆されてしまう。国の本来的事務について、地方公共団体の判断が国の判断に優越することにもなりかねない。
これは、地方自治法が定める国と地方の役割分担の原則にも沿わない不都合な事態だ。よって、国の説明する国防・外交上の必要性について、具体的な点において不合理と認められない限りは、知事はその判断を尊重すべきである。
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ひと言で要約すれば「国防・外交事案は国の専管事項である」となる。
ところが、これは高裁判決に過ぎないので、「最高裁は高裁判決を否定する可能性もある」という意見もある。
だが、「高江の工事差し止め」は、既に最高裁の確定判決で否定されている。
その記事が、これ。 高江訴訟 上告を棄却 最高裁、住民敗訴が確定 琉球新聞 2014年6月18日 10:19米軍北部訓練場の一部返還に伴う東村高江でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の建設現場で反対運動を続ける住民に対し、沖縄防衛局が通行妨害禁止を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は17日までに住民の伊佐真次さん(52)の上告を棄却した。
伊佐さんに対して「国の通路使用を物理的方法で妨害してはならない」と命じた判決が確定した。決定は13日付。
最高裁は上告棄却について、憲法違反などの上告事由に該当しないとしたが、詳細な理由は明らかにしていない。上告受理申し立ての不受理決定も同様に、具体的な判断の理由は不明。
国が、反対活動をする個人を民事訴訟で訴えるという異例の裁判は、識者を中心に表現活動の萎縮を目的とした「スラップ訴訟」と批判されている。伊佐さん側は訴権の乱用だと主張してきたが、最高裁でも認められなかった。
一審の那覇地裁判決では、沖縄防衛局職員らがトラックに積載された砂利袋を手渡しで搬入した際に、伊佐さんが作業員の間で両手を高く上げたことなどを妨害と判断した。
伊佐さん側は、抗議行動について基地のない平和な地域で暮らすために必要不可欠なものだと主張し、判決は「表現の自由を保障した憲法21条1項に違反している」として上告した。
決定に対し、ヘリパッドいらない住民の会とヘリパッドいらない弁護団は連名で「住民の抗議活動が表現の自由に基づくものであることを無視し、過去の裁判例も無視するもので極めて不当だ」と声明で発表した。
沖縄防衛局は「本件ヘリコプター着陸帯移設工事は、SACO(日米特別行動委員会)最終合意に基づく北部訓練場の過半の返還を実現し、県民の負担軽減を図るものだ。今後とも着実な実施に努めていきたい」とコメントした。
英文へ→Supreme Court turns down Takae lawsuit appeal
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>伊佐さんに対して「国の通路使用を物理的方法で妨害してはならない」と命じた判決が確定した
これは確定判決であり、判例となる。
だとしたら、21日に提訴した同じ趣旨の訴訟で、「座り込み兇暴猿」が敗訴することは、明々白々である。
一昔前「塀の中の懲りない面々」という小説が流行った。
今回提訴した面々は「檻の中の懲りない兇暴猿」ということができるだろう。(爆)
【追記】07:15
「兇暴猿」の凶暴性を示す記事が、今朝の沖縄タイムスに掲載されているので紹介する。 ■社会面左トップ 北部訓練場内で抗議 高江 反対市民が直接行動 東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設に」反対する市民は22日、北部訓練場内の建設予定地に入って直接阻止行動を始めた。約30人がN1地区で作業員が伐採しようとする木にしがみついたり、ショベルカーの前に座り込んだりして抗議した。 沖縄平和運動センターの山城ヒロジ議長によると、沖縄防衛局の職員数十人が退去を求めた。山城議長らの強制排除を試み、一時もみあいになったという。山城議長は、県が来週、赤土等流失防止条例に関連し、現場調査をすることに「来週までに工事が進み、後のの祭りになる可能性がある。 調査までは市民の力で阻止したい」と語った。 基地内への侵入は刑事特別法違反に問われる可能性があるが、「辺野古海上でフロート(浮き具)を「超え、県道104号越え実弾演習も山の中に入ったから止められた。勇気をもって(立ち上がりたい」と話した。 >約30人がN1地区で作業員が伐採しようとする木にしがみついたり、ショベルカーの前に座り込んだりして抗議した。「座り込み兇暴猿」の他に「しがみつき兇暴猿」も棲息しているのには驚いた。
>基地内への侵入は刑事特別法違反に問われる可能性があるが、
彼らが「刑特法違反」の確信犯であることは間違いない。
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