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「狼魔人日記」まとめサイト
昨日の参院選の結果は、全国的には自公の与党が改選前の議席を上回る圧勝で、おおさか維新の会などの改憲勢力が国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した。
一方、沖縄選挙区では、無所属の伊波候補が圧勝し、現職の島尻沖縄担当相は落選した。
「辺野古新基地反対」の伊波候補の「コマーシャルペーパー」に徹した沖縄タイムスは、合計8面を使った狂喜乱舞の大見出し。
その一部抜粋して紹介しよう。
■一面トップ
改憲勢力 3分の2超
自公、改選過半数
伊波氏当選 10万票差
投票率54・46%
沖縄相島尻氏破る
■二面トップ
反辺野古熱い民意
自民沖縄区ゼロ
「オール沖縄」強固に
■社会面トップ
怒りの民意 国政へ
伊波さん悲願初当選
「新基地に終止符打つ」
知事「県民の良識」
投票率 ほぼ横ばい
有権者「生活と誠司に距離」
産経新聞 2016.7.11 03:36更新
【参院選】改憲勢力3分の2超 発議可能に 現職2閣僚落選受け、安倍首相は8月に内閣改造へ 自民党の開票センターでテレビ局のインタビュー中に笑顔を見せる安倍首相=10日午後10時21分、東京・永田町の党本部
安倍晋三政権への評価が争点となった第24回参院選は10日、投票が行われ、即日開票された。焦点の憲法改正では、自民、公明両党とおおさか維新の会などの改憲勢力が、国会発議の要件となる3分の2(非改選と合わせて162議席)に必要な74議席以上を確保した。
自民、公明両党は改選121議席の過半数を得て政権基盤は強化される見通し。野党側は民進、共産、社民、生活の4党が32の「1人区」で候補者を一本化して臨み一定の効果を示したが、民進党が改選数を大きく下回るなど伸び悩んだ。
自民党は1人区で21勝11敗となったが、複数区の東京、千葉で2人が当選するなど、比例代表を含め改選数を上回った。岩城光英法相(福島)と島尻安伊子沖縄北方担当相(沖縄)の現職閣僚2人は落選した。
これを受け、首相は10日夜、岩城、島尻両氏を当面留任させたうえで、8月に本格的な内閣改造を実施すると周囲に明らかにした。
公明党は候補者を擁立した7選挙区すべてで当選を果たし、比例を合わせて議席を伸ばした。
民進党は岡田克也代表の地元の三重など7の1人区で議席を確保したが、大幅に勢力を減らした。共産党は選挙区での議席獲得が東京の1にとどまり、議席は伸び悩んだ。野党が一本化した無所属候補は岩手、山形、新潟、沖縄で当選した。おおさか維新の会は大阪で2、兵庫で1議席を確保するなど、比例を加え改選数を上回った。社民党は比例で福島瑞穂副党首が当選、吉田忠智党首は落選した。
投票率(選挙区)は、共同通信社の集計によると54・70%で、前回平成25年参院選の52・61%を2・09ポイント上回った。
☆
2014年の沖縄県知事選。
敗戦の第一報を聞いた仲井真前知事は、思わず「マスコミに負けた!」と呟いた。
そう、相手候補である翁長現知事に負けたのではなく、選挙期間中徹底して仲井真氏のことを「金で沖縄を売った史上最悪の知事」などバッシングに徹した沖縄2紙に負けたという意味だった。
では、今回の参院選で島尻氏は伊波氏に負けたのではなく、沖縄2紙に負けたのか。
いや、今回の敗因は沖縄2紙だけではない。
直前に吹いた「神風」に負けたのだ。
伊波氏自身、「全軍撤去」「辺野古反対」などと、共産党以上の扇動的発言で知られる極左政治家だが、伊波氏にとって「神風」となったのは、「元米兵」による女性遺体遺棄事件の発覚だった。
伊波氏の選挙対策本部長を務める翁長知事は、元米兵の事件を「基地があるゆえに起きた事件」と発言し、あたかも米軍が組織的にこの種の凶悪事件に加担しているかのような印象操作をした。
元々扇動家の素質のある伊波氏がこの事件を選挙に利用しないはずがない。
伊波氏は選挙期間を通じて「諸悪に根源は米軍」と感情的主張に徹した。
その結果「民意」は伊波氏に軍配を上げた。
しかし選挙という究極の民主主義で決まる民意は有権者が「聡明である」という前提がある。
今回の「元米兵の事件」のように、伊波氏や翁長知事そして伊波氏の支援団体の沖縄紙が喧伝するように「米軍がなくなれば、この種の凶悪事件がなくなる」わけではない。
元米兵シンザトが起した事件は、保革を問わず県民なら誰でも怒りそして悲しむべき事件である。
伊波候補と沖縄紙は、この忌まわしい事件に対する県民の怒りをすべて「辺野古新基地反対」へと見事に結びつけ、伊波候補圧勝の原動力となった。
沖縄タイムスに出てくる「怒りの民意 国政へ」大見出しは、残虐な事件に対する県民の怒りを「米軍基地への怒り」にすりかえた見本である。
そう、「民意」のすりかえである。
今回の参院選では、安倍首相が遊説で「民進党にはもれなく共産党がついてくる」とか「気をつけよう甘い言葉と民進党」などと野党を攻撃し、「安全保障で意見の違う野党共闘は野合だ」と批判し、与党圧勝に成功した。
共産党主導の野合の本家「オール沖縄」が沖縄で成功した理由は、島尻候補が、安全保障について真正面から議論することを避け、感情論の「基地害悪説」を看過した点にある。
そして一種の扇動かである伊波候補の「辺野古反対」を、なすがままにしてしまった。
確かに選挙の結果は沖縄県民の下した「民意」には違いない。
だが、「民意」は時の流れ、社会環境に変化で用意に変わるもの。
民主主義は有権者のレベルに応じた民意しか下さないのも事実だ。
先日、世界を騒がせたイギリスの国民投票によるEU離脱を思い返すがいい。
明治以来わが国の(民主主義のお手本といわれたイギリスで究極の民主的手法で決めた結果も、ボリス・ジョンソン元ロンドン市長のような扇動家の熱い演説に用意に影響されることがわかった。
伊波氏の6年間の在任期間は長いが、その間に普天間移設は「辺野古移設が唯一の手法」という「民意」がつくられることも可能である。
以下は筆者が世界日報に寄稿した関連記事
【おまけ】
《 沖 縄 時 評 》
無責任な言動で民意左右
6月23日、英国でEUから離脱するか残留するかを問う国民投票が実施され、離脱派が勝利した。
今回の国民投票は2015年のキャメロン首相の公約に基づくもので、今年2月、実施日が発表された。以来、10週間にわたり、残留派はキャメロン首相、離脱派はジョンソン前ロンドン市長を旗頭に運動展開した。
EU離脱が多数を占めたことについて16年7月1日、英国のティム・ヒッチンズ駐日大使が日本記者クラブで緊急会見し、「国民投票は民主主義の最高の結果」とした上で、離脱を選択した国民の意思は尊重され、再投票はないと明言した。国民投票の結果「EU離脱」すなわち「BREXIT」(ブレグジット)の民意が示された形になったが、この結果に対して、早くも不満を持ち出す国民が続出した。
国民投票は民意かそして、英国民の後悔の意を示したとされる「BREGRET」(ブリグレット)という造語も飛び出す始末だ。「民主主義の最高」の手法で決めたはずの「EU離脱」は英国の民意でないことが判明したのだ。
離脱が決まったことを受け残留を主導したキャメロン首相が辞職を表明したが、離脱を煽(あお)ったボリス・ジョンソン前ロンドン市長が次期首相候補を早々に辞退したことは世界に衝撃を与えた。英国のEUからの独立を意味する「離脱」の第一報を聞いた離脱派は「インディペンデンス・デー(独立記念日)」を叫んで諸手(もろて)を上げて喜ぶ姿が報じられていた。
衝撃の意味は離脱後の英国首相にはボリス・ジョンソン氏が有力視されていたが、そのボリス・ジョンソン氏が「離脱」後の首相候補を辞退したからだ。衝撃はそれだけにとどまらなかった。
7月4日、離脱派の英国独立党(UKIP)のナイジェル・ファラージ氏が、党首の座を辞任することを明らかにした。ファラージ氏は、今回の国民投票を離脱に導いたことで「自分の役目は終わった」とコメントした。離脱を扇動した責任者としては、無責任な話だ。
時差の関係により、離脱による経済的打撃をいち早く伝えたのは東京市場であった。予想されていたとはいえ、離脱により経済の雲行きが怪しくなった状況を在京メディアは次のように世界に発信した。
「東京株暴落、終値1286円安 1万5000円割れで今年最安値」(産経新聞6月24日)。「金融市場大混乱、アジア株も全面安…離脱多数で」(読売新聞6月24日)。
明治政府設立以来、英国が生み出した議会政治の知恵は、日本のお手本でもあった。影の内閣やマニフェスト、一騎打ちの党首討論など、輸入した手法や制度は少なくない。
わが国が民主主義のお手本と仰ぐ英国で、国の将来を決めるEU「離脱」の是非を問う「民主主義の最高の形態である国民投票」で決まったのだ。誰もが「離脱」は「民意」であり議会制民主主義の「神の声」として英国中で歓迎されるものと思われた。
2紙も扇動に加担英国のEU離脱を誰よりも注目しているグループがわが国にいた。翁長雄志沖縄県知事と知事を支援する沖縄2紙や「沖縄独立派」学者のことだ。
昨年の9月、翁長県知事はスイス・ジュネーブの国連人権委員会で演説し「沖縄の自己決定権がないがしろにされている」「沖縄には民主主義が保障されていない」と訴えた。この自己決定権とは、沖縄県民が日本人とは違う少数民族であり、民族としての自己決定権が失われている、という前提に立った言葉で、将来は「沖縄独立」を視野に入れた文言だ。
翁長知事は14年の県知事就任以来、安全保障政策で国と対決し、日米安保に基づく普天間飛行場の辺野古移設に反対している。一地域の首長が自分の権限を越えて国の安全保障政策に介入し、それを阻止しようとしているのだ。
そして国との対立を「自己決定権がないがしろにされている」と、あたかも沖縄が独立国であるかのような発言をしている。
昨年12月6日「沖縄の自己決定権」について、14年に独立を問う住民投票が行われた英国スコットランドから学ぼうというシンポジウムが、那覇市で開催された。沖縄独立主義者でスコットランドに詳しい島袋純琉球大教授らが、14年のスコットランド住民投票について講演をした。
現地で取材した島袋教授ら独立派学者の「沖縄独立」に関する論文が、スコットランドの住民投票後、沖縄2紙の紙面を飾り、沖縄独立の可能性を訴えた。スコットランドの独立は失敗に終わったが、今回の英国のEU離脱は成功した。
英国は今回、国民投票という民意によりEUからの独立に成功したのだ。
翁長知事や沖縄の独立志向の高い学者らが英国の独立成功に呼応して、「沖縄独立の可能性」を論じる企画を掲載するかと予想された。だが実際は、沖縄2紙が全くの沈黙を守った。
英国のEU離脱について事前の予想では残留派が多いと看做(みな)されていたが、結果として離脱が決まり、後悔する英国民の嘆き節を聞いて、民意のいかがわしさを察したのだろうか。
国民の民意を問う参院選挙が10日に迫っている。
今回、民主主義のお手本国英国が示したEU離脱は、民主主義の持つ問題点を我々の前に突きつける形となった。
究極の民主主義の手法といわれた国民投票が、ボリス・ジョンソン氏のような無責任な扇動家の意見に左右されやすいという事実だ。米大統領候補ではドナルド・トランプ氏のような過激な主張がアメリカ人に受け入れられ、共和党候補に事実上決定した。
参院選を目前に控え、共同・時事ら各世論調査によると、沖縄選挙区で伊波洋一候補が優勢という見立てだ。果たして実際はどうか。
「沖縄2紙は偏向報道が激しい」という批判に対し、彼らはこう嘯(うそぶ)く。「偏向ではない。県民の民意を反映しているだけだ」。
その一方、彼らはこのような本音を吐く。「沖縄の民意は沖縄2紙が作る」。
沖縄2紙は「県民の70%は新基地建設(辺野古移設)に反対」と「沖縄の民意」を連日報道する。
最悪の民主主義に沖縄2紙がつくった「新基地建設(辺野古移設)反対は民意」という神話のメッキが剥(は)げる時期に来ている。
14年の県知事選のとき、最大の争点として「基地か経済か」と二者択一を迫る沖縄2紙に対し、仲井真弘多候補は基地問題も重要だが「経済問題も重要」として、経済政策を述べた。だが、記者の質問は米軍基地に集中した。
結局「オール沖縄」の支援を得て「辺野古反対」を公約にした翁長知事が圧勝した。
沖縄の選挙の争点は沖縄2紙が決める。
今回の参院選でも国と対決中の翁長知事が支援する伊波候補は、辺野古移設に関しては歯切れがいい。
新聞が民意としてお墨付きを与えている「新基地反対」のワンフレーズを叫んでおれば済むからだ。
その点、対立候補の島尻安伊子候補は、歯切れが悪い。
政府方針の「辺野古移設が唯一の解決策」と、ワンフレーズを明言すればよさそうだが、それは沖縄2紙を全面的に敵に回すことを意味する。
民主主義の根幹を成す選挙はメディアの公正な報道を前提とする。
沖縄での主要選挙で沖縄2紙は、果たして公正な報道に徹したといえるか。
扇動家の大声が英国のEU離脱に勝利を与えた。沖縄2紙は扇動家の役割を果たしているのではないか。
第2次大戦の発端といわれる1938年4月10日、ヒトラー率いるナチスドイツは、オーストリアがドイツと合併するかどうかの国民投票を行ったが、結果は97%が合併に賛成したという。ナチスドイツと戦った元英国首相のウィンストン・チャーチルは、民主主義について次のように述べている。
「民主主義は最悪の政治といえる。これまで試みられてきた、民主主義以外の全ての政治体制を除けばだが」
(コラムニスト・江崎 孝)
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