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「基地と振興費はリンクしない」
これは政府と沖縄県の暗黙の約束事であり、一応の共通認識のはずだった。
だが、島尻沖縄相が「ないとはいえない」と微妙な発言をしたため、現在島尻大臣は沖縄2紙の猛バッシングの嵐に晒されている。
⇒島尻沖縄相、基地と振興リンク論示唆 予算影響「ないとはいえない
島尻氏が不用意に失言したのか、それとも菅官房長官ら官邸と何らかの打ち合わの上の確信犯なのかは知る術はない。
ともかく、島尻発言について問われた菅官房長官は「リンクしない」と従来どおりの発言をした。
今朝の沖縄タイムスは、「リンクしない」と述べながら一方では粛々とリンクを実行している政府の「二枚舌」を報道している。
■一面トップ
辺野古・豊原区へ計2300万円
新基地建設 国、補助額を決定
■三面中段
読谷へ再編交付金4200万円
防衛省 米軍倉庫受け入れで
辺野古・豊原へ計2300万円 直接交付補助額決定
沖縄タイムス 2015年12月19日 05:02
【東京】防衛省は18日、米軍普天間飛行場返還に伴う新基地建設現場に近い名護市の辺野古、豊原の2区へ直接交付する2015年度分の補助金の額を計2300万円とすることを決めた。沖縄防衛局が詳細な事業審査を実施し、早ければ年内にも交付する。補助金の受け取りをめぐり区内で意見が割れている久志区は現在までに申請を出していない。
? 基地と原発のニュースをフクナワでも
辺野古区へは防災備蓄倉庫の整備費として1200万円、豊原区へは地区会館の無線放送設備費として1100万円を交付する。防衛局は2区の詳細な補助事業申請書を精査し、来週にも交付を決める見通し。
一方、防衛省によると久志区からは事業申請自体が上がっておらず、同省は「今後要望があれば財政当局と調整して交付したい」としている。
政府は11月27日、久辺3区へ直接補助金を交付する「再編関連特別地域支援事業補助金」を創設。初年度は各区1300万円、計3900万円を上限に交付するとしていた。一方、補助金は新基地建設に反対する名護市を介さず頭越しに交付する異例の措置で、県内から強い反発が上がっている。
菅義偉官房長官は3区は「条件付き賛成」だとし、交付理由を「辺野古移設で最も影響を受ける3区の生活環境の保全、向上のため」と説明する。だが、辺野古区の嘉陽宗克区長と久志区の宮里武継区長は本紙の取材に「条件付き賛成」との立場を否定している。
補助金は、在日米軍等駐留関連経費から予算措置として支出する。補助率は100%。次年度以降も継続し、上限額は防衛相が通達で定めることができるため引き上げることも可能。補助対象は米軍再編で「航空機40機、人員1千人以上増える施設が所在する地域の地縁団体(自治会)」としており事実上、久辺3区だけを対象に設定している。
☆
>菅義偉官房長官は3区は「条件付き賛成」だとし、交付理由を「辺野古移設で最も影響を受ける3区の生活環境の保全、向上のため」と説明する。
普天間基地を受け入れる辺野古・豊原区と、キャンプキンザー施設を受け入れる読谷村はいずれも「リンクする」そのもの。
本来なら沖縄2紙はこの両地域の住民を「カネで沖縄を売る最悪の県民」などとバッシングしてもおかしくはない。 だが、両地区に関して事実報道は有るがバッシングの気配さえない。
>辺野古区の嘉陽宗克区長と久志区の宮里武継区長は本紙の取材に「条件付き賛成」との立場を否定している。
両区長は振興費を申し込んでいながら、「条件付き賛成」と矛盾した発言をしている。
無住の理由は、沖縄2紙のバッシングを恐れるからだ。 バッシングで自殺未遂をした区長がいるくらいだ。
⇒辺野古区長が自殺未遂
県と政府は夫々の思惑から、従来から「リンクしない」という虚偽の認識で奇妙に一致してきた。
安倍政権になってからも、従来の政府方針を引き継いで「リンクしない」を県との共通認識としてきた。
ところが、普天間移設をめぐる政府と県の対立は、今年8月の集中協議でも一致点を見ることが出来ず、ついには国が代執行訴訟を提訴するという異常事態に陥っている。 これに対抗して県は国交省の「執行停止」(取り消しの取り消し)を無効とする抗告訴訟を年明けに行うという。
最強の官邸といわれる「安倍・菅コンビ」は、国と県との関係が法廷闘争という最悪の事態に陥ったのを好機と捉え、従来引きずってきた米軍基地に関する悪弊の一掃を考えたのではないか。
これまで国と県との良好な関係を阻害している最大要因のひとつが、「基地と振興費はリンクしない」という虚構、と考えた。
ピンチはチャンス、危機は好機ともいう。
法廷闘争を機に、「リンク」の虚構を一掃することにより、米軍基地は沖縄を含むわが国の安全保障上の「必要悪」(悪という文言には誤弊も有ろうが)という新たな共通認識に移行することになる。
「必要悪」という共通認識により、国と県との友好関係は構築できるというものだ。
つまり沖縄県は米軍基地け入れることにより安全保障の一端を担うことになり、「必要悪」の代償として堂々と振興費を要求できる、つまり「リンクする」ことを認めることになるのだ。
以下は仮想劇である。
12月某日、官邸に島尻大臣が呼ばれる。
菅官房長官「島尻大臣、あなたに一肌脱いで欲しい」
島尻「沖縄に関することでしたら、何でも申し付けて下さい」
菅氏「来年の宜野湾市長選挙を皮切りに、県議選、参議員選と重要な選挙が行われますね」
菅氏「沖縄メディアが島尻大臣をバッシングのターゲットにしているのはご承知の通りですが、この辺で沖縄2紙を挑発してみませんか」
島尻氏「え?ただでさえ沖縄2紙に睨まれている私が挑発したら、火に油を注ぐようなものではありませんか。 敵の思う壺ですよ」
菅氏「そこなんですよ!島尻大臣」
菅氏「虎穴に入らずば虎子を得ずです。 いずれにせよ参院選前になったら沖縄2紙が島尻大臣を猛バッシングすることは明白です」
島尻氏「それで、挑発とは?」
菅氏「米軍基地と振興費はリンクしないという県との共通認識にひびを入れるため、失言を装ってリンクするニュアンスの発言をして挑発するのです」
菅氏「沖縄2紙は待ったました、とばかりに一面トップや社説を使って猛バッシングに励むでしょう」
島尻氏「それでは参院選に不利ではありませんか」
菅氏「参院選では自民党本部と官邸が全面的に支援します。 私には官房長官の他に沖縄米軍基地負担担当大臣というもう一つの肩書きが有ります。 島尻沖縄担当大臣の選挙応援をしてもおかしくはないはずです」
菅氏「そして次が重要なのですが、沖縄2紙の島尻バッシングと前後して、りンクの実例として辺野古・豊原区と読谷村が振興費を受け取るという情報を沖縄2紙の漏らすのです」
菅氏「そうなると、リンクする発言の島尻バッシングと同じ紙面で振興費を受取る辺野古区や読谷村の報道をするという事態になります」
菅氏「荒療治ですが、沖縄2紙もいずれリンクを認めた読谷村らを批判せざるを得なくなります」
菅氏「この荒療治により県民もリンクしないが虚構であることに気がつき、沖縄2紙もリンクする論を認めざるを得なくなります」
島尻氏「その結果どうなります?」
菅氏「沖縄県と政府が安全保障について本音で語れることになります。 振興費も飴と鞭などといわなくとも、堂々と要求することが出来ます」
島尻氏「なるほど、沖縄のために頑張ってみます」
【おまけ】
7月の段階で、キャンプ・キンザーの返還交渉は始まっていたようだが、受け入れ先の読谷村のことは伏せられている。
まさか「新基地建設反対」の急先鋒の読谷村が受け入れようとは、知らぬ仏の沖縄タイムス。
キャンプ・キンザー一部返還交渉 政府、国道58号拡張へ 沖縄タイムス 2015年7月19日【東京】浦添市内の国道58号を拡張するため、政府が、米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の一部地区の早期返還を求め米側と交渉していることが18日、分かった。政府関係者によると、慢性的な渋滞解消を望む浦添市の要望を受けたもので、沖縄の基地負担軽減に取り組む政府の姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。具体的な返還面積は現在、日米間で調整中だという。
2013年に日米両政府が発表した嘉手納以南の米軍施設返還に関する統合計画では、同地区は25年度以降に全面返還する計画となっている。
沖縄の要望に応える形で早期返還を実現することで、政府が従来強調する基地負担軽減をアピールすると共に、名護市辺野古への新基地建設で対立する沖縄側の柔軟姿勢を引き出したいとの思惑がにじむ。
政府関係者によると、自民党県連関係者がことし4月、菅義偉官房長官へ浦添市の国道58号の渋滞解消のために道路の拡張を要望。同市の国道58号西側の大半は牧港補給地区に面しており、菅氏は拡張のためには米軍施設区域まで広げる必要があると判断、外務省へ米側と協議するように指示したという。
日米両政府は、統合計画を16年春に見直す方針で、現在事務レベルで計画の見直し協議に入っている。
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