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「ひよこ」でも離島防衛の精鋭だ!

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2015.7.22 17:08

更新


「ひよこ」でも離島防衛の精鋭だ! 不時着ヘリから水中脱出 300キロ丸太ボート運搬 夜間の海に数時間 西普連の命懸け訓練 

駐屯地海岸湾内でボートでの上陸訓練をする隊員ら=長崎県佐世保市(鈴木健児撮影)

 離島防衛の専門部隊、陸上自衛隊西部方面普通科連隊(西普連)が16、17両日、長崎県佐世保市の相浦駐屯地での訓練を報道陣に公開した。中国が沖縄・尖閣諸島の領空・領海侵犯を繰り返すなど、国際情勢は緊迫化する。国会で安全保障法案をめぐり、空理空論をもてあそぶようかのような野党の反対姿勢と対照的に、命懸けで訓練に取り組む自衛官の姿が印象に残った。(九州総局 村上智博)

飛び跳ねるボート

 16日午後、九州に近づいた台風11号の影響で、駐屯地には風雨が吹き付けた。その湾内で、偵察用ゴムボートを使った上陸訓練が始まった。敵が占拠した離島の奪還を想定した訓練だ。

 西普連の中でも、海から島への上陸など水陸両用作戦の訓練経験が浅い、通称「ひよこ」の隊員約40人が参加した。

 「どの訓練課程も、ただ負荷を身体に与えるためだけにやっているんじゃない! 最も大事なのは部隊が一体になることだ!」

 赤色のシャツを着た教官が、大声で指示した。

 戦闘用ヘルメットに迷彩服、ブーツを履いた隊員は「海で一番安全なのはボートの中、中、中!」と全員で声をそろえると、岸辺のゴムボートに向かって一斉に走り出した。

 ボートは8人乗りで仏製。米海兵隊も採用している。銃弾が貫通しても空気が抜けない工夫が施されている。

 エンジンを回すと、ボートのスピードが増し、水面を飛び跳ねるように進む。隊員はボートの縁に腹ばいでまたがり、振り落とされないようにしがみついていた

300メートル離れた洋上に来ると、転回し、ボートは海岸に向かって疾走する。砂浜の約50メートル手前でエンジンを切ると、隊員は海に下りる。そしてまた沖に向かう。この訓練を何度も繰り返した。

「あきらめない」

 17日、佐世保は台風一過の晴天となった。朝から夏の太陽は容赦なく照りつける。午前7時、駐屯地のグラウンドに40人の「ひよこ」が隊列で入ってきた。鳥の「ひよこ」と同じ黄色のシャツ姿だ。

 「われわれはいかなる困難に直面しても決してあきらめない」「われわれは点検を欠かさない」

 隊員全員で「水陸両用戦隊の心得」を唱和した。西普連が担う水陸両用軍事作戦は、重要度が増している。

 隊員は体操や腹筋など準備運動に汗を流した。赤シャツの教官が「水陸両用部隊の体力、気力を図る体操だ。よく考えて体幹を鍛えろ」と指示を出す。

 駐屯地内の訓練用プールに場所を移した。ヘリコプターが洋上に不時着したことを想定した「緊急時脱出訓練」が始まった。

 プールには、ヘリの座席をイメージし、アルミパイプで作った装置が浮いている。そこに迷彩服にブーツ姿の隊員が座る。教官が「不時着、用意」のかけ声と同時に、装置をひっくり返した。

 隊員は真っ逆さまに、上半身が水につかった状態となる。体を浮かないように左手でパイプをつかみながら、右手でドアに見立てたアクリル板を押し開ける。弾倉や水筒などの装備を取りつけたベルトと、訓練用でゴム製のモデルガンを順に体から外し、水面に浮き上がる。

こうした一連の動作を隊員は、目はつぶったまま行う。実際の不時着現場は、機体から漏れたオイルなどが水に混じっていることが予想されるからだ。

 浮上までの間、15秒。教官の1人が、一部始終をシュノーケルをくわえて、水中で見守る。

 浮上後、気を失っていないことを証明するため、隊員は右手で頭を押さえ、「異常なし!」と教官に報告した。

 同連隊の「ひよこ」計約80人は6月末から、2グループに分かれてこうした訓練に取り組んでいる。2等陸士から1尉まで、年齢も19~44歳と幅広い。訓練は8月上旬までの5週間だ。

 プールから上がった男性陸士長(20)は「長時間、潜水を続ける訓練などに段階的に取り組んできた。訓練はつらいですが、これも任務です」と語った。

破れたTシャツ

 プールから上がった隊員は、屋外に向かう。過酷な「ボート障害走」が始まった。

 偵察用ボートに見立てて4本の丸太を組んでいる。重さは実際のボートと同じ300キロ。これを8人1組で運ぶ。

隊員の前に、高さ約2メートルの壁が立ちはだかった。

 8人のうち、まず2人が丸太ボートから手を離し、壁を乗り越える。残った6人が丸太ボートを高く掲げ、壁によじ登るなど手分けしながら、丸太の一部を壁の向こう側に押しやる。

 壁の両側で丸太を支えながら、2人ずつ壁を乗り越えた。

 悪路を乗り越えるうちに、隊員はふらふらになるが、歯を食いしばって、我慢した。

 塹壕をイメージした窪地を通過する際、丸太ボートが地面に着きそうになる。すかさず教官から「絶対にこするな! タイムはまずまずだ。急げ」と叱声が飛んだ。

 1キロほど走ると、ゴールだ。Tシャツの背中は破れ、丸太が食い込んでいた肩は、真っ赤になり、皮がはがれていた。

 昼食後には「ラン・フィン・ラン」の訓練が待っていた。

 駐屯地内の湾内近くを約3キロランニングした後、ウエットスーツとゴム製の足ひれ(フィン)を装着し、海に入る。250メートル先のブイを目指して泳ぎ出す。

 敵に占拠された島への上陸という想定なので、泳ぎ方にも気を使う。顔は進行方向に向け、伸ばした右手に耳をぴったり付ける。左手と足で波を立てないように水をかく。日本の古式泳法を思わせる泳ぎ方だ。

 ブイまでの間を2往復。息も切れ切れになりながら、陸に上がってまた、3キロのランニングに出る。

 「ラン・フィン・ラン」トップのタイムは合計42分だった。脱落者はいなかった。

「水陸両用記章」目指し

 西部方面普通科連隊は700人の隊員が所属する。平均年齢は30歳を下回る若い精鋭部隊だ。離島防衛の重要性が増す中で、平成30年度までに新設される「水陸機動団」の中核となることが想定される。将来的には3千人規模になる予定だ。

 ただ、水陸機動団をより効果的に運用させる佐賀空港(佐賀市)への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備の議論は、遅々として進んでいない。

 西普連の訓練は毎年2回程度、実施されており、今回は5期目。参加者のほとんどが自ら志願した隊員だ。

 全員が「水陸両用記章」を目標としている。5週間の厳しい訓練と上官による検定試験をクリアした証しであり、将来の機動団入りの1つの目安となる。

 目標達成のため、訓練時間以外も、駐屯地内のプールで泳ぐ隊員や腕立て伏せをする隊員もいる。

 昨年、最年長で記章を手にした横山良一3佐(49)は「夜間訓練で、何時間も海の中に身を沈め続けたこともあります。過酷な訓練は万一の時、任務を遂行し、生きるために欠かせないんです」と語った。

 隊員らは駐屯地内の食堂で1日3食3200キロカロリーを摂取しているという。だが、過酷な訓練で、隊員の体脂肪率は10%台に収まっている。

 こうした隊員の命がけの訓練は、わが国の防衛力を高め、中国などへの抑止力にもなっている。

 抑止力を図る一環として、西普連は24年の創設以来、米海兵隊などとの共同訓練も重ねている。

 後藤義之連隊長(46)は報道陣に対し、「われわれが一番、戦争をしてはいけないと思っている。でも万一のときに戦う以上は強くなければならない。そのために訓練を重ねている」と強調した。

 記者も含め、報道陣8人も持ち上げようとしたが、地面に置かれた丸太はびくともしない。

 一方、隊員は「イチ、ニ、サン」との掛け声とともに、丸太ボートを胸元まで一気に引き上げた。膝の高さまでゆっくり下ろし、再び胸元に上げる準備運動を繰り返した後、肩に担ぎ、走り出した。

 駐屯地内のグラウンドなどを走るが、学校の平らなグラウンドとは違い、障害物や坂道がある。

                                           ☆

 

宜野湾よりさんのコメント。

非暴力でいたくても(普通はみんなそうだよ)、家族に素手や凶器で襲いかかる者が現れた時、逃げる術もなかったら、家族を守るために何でもやるだろう。
そういう時が来ないと言い切れる人はいない。
でも見知らぬ他人のためとか国のためにやるのは嫌だ、と自分を問題の外に置くのも自由だし仕方ない。
だけど誰かが、何処かが襲われる可能性がある以上必要なことだから、あなたが嫌でもあなたの代わりにやってくれる人々がいる。
嫌なら辞めることもできるが、自ら選んでその時に備える人々がいる。
http://www.sankei.com/premium/news/150722/prm1507220010-n1.html

自分が嫌う人のことを存在が間違っているとか倒せとかいっている人ならば、「襲われても非暴力で抵抗」なんて信じているわけはないがな。

外交、話し合いで解決しろというけれど、公共の場所が勝手に車庫代わりに使われるような小さな侵略ひとつすら、我々は解決できていないぜ。

 

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