沖縄の新聞に頻繁に登場する住民投票について知人に聞いて見た。
そして住民投票の実態について正しく理解している人がほとんどいないのに驚いた。
住民投票というと、民意を最終決定する大変重要の投票だと、誤解している人が大部分だった。
だが、実際は住民投票には何の法的拘束力もない。
法的拘束力がない住民投票で国の専権事項である安全保障、国防事案を決めることには何の意味もない。
意味のないことなら止めれば良い。
ところが来る2月22日、与那国町では陸上自衛隊の配備の賛否をめぐって住民投票がおこなわれるという。
ちなみに与那国町では町会議員の「誘致決議」もおこなわれており、誘致派の外間町長が当選しており、自衛隊誘致の民意は既に決まっている。
そして現在自衛隊設置の工事は粛々と進んでいるという。
琉球新報 2015年2月12日
小中学校にエアコンが必要か否かが住民投票で争われる。埼玉県所沢市の話だ。航空自衛隊入間基地に近い市は「夏場はうるさくて勉強に集中できない」という声を受け、学校のエアコン設置を計画した
▼しかし新しい市長が取りやめた。「福島の原発事故後は節電に努めるべきだ」と主張。加えて市負担分だけで約30億円かかると訴える
▼米軍普天間飛行場の周辺で取材をした身としては、軍用機のうるささは身に染みて分かる。しかしながら節電の必要性にも一理あるとは思う。いずれにしろ15日の投票で市民の意思が示される
▼住民投票という言葉をよく聞く。暮らしに密着した課題を住民による「直接民主主義」で決めたいという思いからか。東京都小平市では道路建設の是非を問うたし、大阪は都構想を諮る
▼沖縄では国策に対する意思が示されてきた。1996年の県民投票では89%が基地の縮小に賛成した。97年の名護市民投票は普天間飛行場の移設反対が過半数を占めた。だが民意は国策に反映されなかった。だからこそ普天間問題は20年近く経ても解決しないのだろう
▼今月また、国策に対する住民投票が与那国町である。陸上自衛隊の配備の賛否を問うものだ。住民投票に法的な拘束力はない。が、国策を進める側に民意をくみ上げる努力が必要なことは言うまでもない。
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陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う与那国町の住民投票は、22日の投開票まで10日を切った。町内では、配備賛成派、反対派の双方が多数獲得を目指し、集会やチラシ配布などの動きを活発化させている。町選挙管理委員会によると、1月22日現在、有権者数は1284人(男659人、女625人)で、中学生41人や永住外国人5人も含まれており、妥当性をめぐって議論を呼んでいる。駐屯地建設工事は着々と進んでいるが、反対が多数を占めた場合、外間守吉町長は配備に非協力の姿勢に転じると明言しており、投票結果は国の安全保障政策にも影響を与えそうだ。
町内では住民投票をめぐり、賛成、反対派の双方がのぼりを立てたり、ポスターを貼ったりしてそれぞれの主張をアピールしている。
▼全文は「新聞オンライン.com」で
http://www.shimbun-online.com/latest/yaeyamanippo.html
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住民投票で加熱する与那国町を取材に行った我那覇真子嬢によると、与那国町で自衛隊配備反対ののぼりを立てて騒いでいる連中のほとんどは県外から流入してきたプロ活動家たちだけだったとのこと。
冒頭に引用の琉球新報コラムの通り、「学校にクーラーを入れるか否か」を住民投票で決めるのは、市の財政上のことだから、勝手にやってほしいが、国境の島与那国町に自衛隊を配備するか否かを住民投票にかけるのは全く別問題である。
先ず安全保障、国防問題尾は国の専権事項であり、一地域の住民投票で決めるべき問題ではない。
百歩譲って住民投票を可としても、社会的常識の未熟な中学生や、永住外国人に投票権を与えるなど問題外である。
国境の島与那国が現状の警察官2名だけという「国防」では問題があることや島の活性化を自衛隊配備に委ねるとして、概ね次のことが決まっている。
2008年に自衛隊誘致を決議。
2009年8月の町長選では、自衛隊誘致を推進する外間守吉が当選した。
代議制民主主義の国日本の一部である与那国町では、これで自衛隊の与那国配備の民意は決まったおもわれ現在工事は進行中である。
2013年6月19日、与那国町は、土地の年間賃貸料を1500万円とすることで、防衛省と妥結した。この賃貸契約に関する議案は、2013年6月20日に与那国町議会へと出され、賛成3、反対2の賛成多数で可決された。
2013年6月27日、与那国町と沖縄防衛局は、配備予定地を貸す仮契約を結んだ。
2013年7月7日、外間守吉は8月の町長選への立候補を表明。当初は独自候補を出す予定であった与那国防衛協会も、外間支持を表明しており、自衛隊誘致の賛成派は候補者を一本化した。
2013年8月11日、与那国町長選の投開票が行われ、自衛隊誘致賛成派の外間が、僅差で自衛隊誘致反対派の崎原正吉を破り、3選を果たした。
2014年3月31日、国と与那国町との間で町有地を貸す契約が正式に結ばれた。
2014年4月19日、小野寺五典防衛大臣出席のもと、沿岸監視部隊配備のための着工式典が開かれた。
辺野古移設における政府方針と同じく「(自衛隊配備工事は)粛々と進行中である」
では何ゆえ反日サヨクが、法的拘束力のない住民投票の実行に拘るのか。
「自衛隊配備反対」の民意作りの第一歩として、与那国をターゲットにしたという。
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一方、連日辺野古で騒ぐプロ活動家たちの不満が噴出し始めたようである。
⇒「翁長知事突き上げ」がやっと公然化し始めたけれど・・・ 2015-02-12 09:46:24
そして当日記を読んでいるわけではないだろうが、プロ市民勢力がついに海保を刑事告発検討という。
辺野古の新基地:ヘリ基地反対協が海保を刑事告発検討【動画あり】 2015年2月12日 19:479時間前に更新名護市辺野古の新基地建設に反対するヘリ基地反対協議会の安次富浩代表は12日、那覇市内で会見し、10日に辺野古の海上で抗議活動をしていた市民の船に、定員を上回る人数の海上保安庁職員が乗り込んだために転覆しかけたとして、告訴を検討すると発表した。現場の様子を撮影した動画も公表した。
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連日沖縄2紙が報道する海保の「乱暴狼藉」を見たら告訴を検討などとゆるいことを言わずに即実行だろうが。
2015年2月13日 米司令官、高江住民に暴言 反対運動「金もらってる」
【東】米軍北部訓練場(キャンプ・ゴンザルベス、ジャングルトレーニングセンター)の司令官ティム・カオ少佐(海兵隊)が東村高江周辺で進む同訓練場一部返還に伴うヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)移設工事に住民が反対運動を続けていることについて「反対運動は共産党からお金をもらっている」などと事実と異なる発言をしていたことが12日、分かった。在沖米海兵隊報道部次長の大尉も辺野古新基地建設に反対する住民らが抗議活動の際に負傷したことを「ばかばかしい」と発言しており、在沖海兵隊の幹部に基地に反対する人々に対する侮辱的な意識がまん延していることが浮き彫りになった。
【参考】
安倍首相、辺野古推進を強調 施政方針で知事の反対に触れず(2015.2.13)
海保、船長の胸ぐらつかむ 市議視察船を一時拘束(2015.2.12)
「過剰警備」で名護市議会が自粛要請 11管「必要最小限の排除」(2015.2.12)
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