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中国漁船・尖閣領海内接触:船長の拘置延長 中国、閣僚交流を停止「日本に対抗措置」
<◇航空路線増便交渉も
沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)近くで中国漁船が日本の海上保安庁巡視船に衝突した事件で、石垣簡易裁判所は19日、公務執行妨害容疑で逮捕・送検された中国人船長、〓其雄容疑者(41)について、拘置期限の10日間延長を認める決定をした。中国外務省は同日夜、日中間の閣僚級以上の交流を停止したほか、航空路線の増便を巡る政府間交渉に向けた接触を停止するなどの対抗措置を明らかにした。中国国営・新華社通信が伝えた。> < 拘置延長を受けて中国外務省の馬朝旭報道局長は談話を発表し、改めて船長の即時無条件釈放を要求。「日本側が独断専行で過ちを繰り返せば、中国はさらに強い対抗措置を取り、その結果は日本が責任を負うことになるだろう」と指摘した。 今回の事件で中国外務省が「対抗措置」という言葉を用いたのは初めて。新華社によると、外務省は閣僚級以上の交流停止や航空交渉に向けた接触停止に加え日中石炭関係総合会議の延期も決めた。〓容疑者に対する司法手続きの節目で、中国側が新たな対抗措置を打ち出す可能性もある。> ◇ 中国漁船・尖閣領海内接触:日中閣僚交流停止 日本、対応変えず
◇APEC前、収束目指す
中国漁船衝突事件を巡り、中国政府が閣僚級の交流停止という対抗措置を発表したことで、菅直人首相は米軍普天間飛行場移設問題に加え、新たな日本外交の“火種”を抱え込んだ。だが、日本側は「中国側による日本の法体系無視」(外務省幹部)として一歩も引かぬ構え。胡錦濤国家主席来日が予定されている11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに沈静化できるかどうかが焦点となる。【吉永康朗、北京・成沢健一】 < 日本政府からすれば、今回の事態は、日本領海における公務執行妨害事件の処理でしかない。別の外務省幹部は「現場海域付近には、当該漁船以外にも何十隻も船がいて、不用意に日本領海に入って魚をとっている。海上保安庁が臨検すれば、ほとんどの船は出て行くが、今回の船はそうではなかった」と述べ、逮捕・送検された中国漁船船長の違法行為が極めて悪質だったと訴えた。 日本側が恐れるのは、今回の事件を「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理した場合、同様の事件が再発した時の対処がより困難になることだ。同幹部は「『日本は法律の枠内で適切に処理する国』ということを中国に知らせる必要がある」と語り、中国側に粘り強く理解を求める考えを強調した。> < 日中関係が絡む外交日程として、11月に横浜でAPECが開かれる。胡主席訪日が予定され、本来なら日中首脳会談が行われるはずだが、船長が起訴されて裁判が長引けば、会議に影を落とす可能性もある。 政府内には「日本の首脳と会談を行わないのに日本に来るのは胡主席にとっても体面が悪い」(外務省幹部)として、APECまでには中国側も関係修復に応じるとの見通しもあるが、財務、経済産業省などでは、「中国の強硬姿勢は予想以上」(財務省幹部)との戸惑いが広がっている。「中国はAPEC首脳・閣僚級会合への参加を見送る」との見立てだ。一方、日中関係筋は「中国もマルチ(多国間)とバイ(2国間)を分けて考えている。交流停止でマルチの場まで参加しないとは考えにくい」と語るが、胡主席とAPECの議長である菅首相との会談が見送られる異例の事態が生じる可能性は否定していない。>毎日新聞 2010年9月20日 東京朝刊 ◇ 中国船長の拘留延長に対し、中国は「強い対抗措置を取る」と、更なる脅しをかけてきた。 これまでの弱腰外交なら、「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理してきた。 ところが今回は「強硬派」の前原氏が時宜を得て、絶好のポスト・外務大臣に就任したため、国家観のカラッポの菅首相は前原主導で中国に対応しているもよう。 今のところ中国の恫喝には屈していないので、このままの態度を持続して欲しい。 新しい外相が絡む外交日程として、11月に横浜でAPECが開かれ、胡主席訪日が予定されている。 本来なら日中首脳会談が行われるはずだが、問題がが長引けば、「胡主席にとっても体面が悪い」として、APECまでには中国側も関係修復に応じるとの見通しもあるという。 ここで菅首相が初めて国際会議の議長という晴れ舞台を意識するあまり、中国への「外交的配慮」で、またしてもうやむやな妥協をすることを危惧する。 胡主席が国際舞台で面子を失うかどうかは、日本の問題ではな。 他国の領土にちょっかいを出した中国側が自分で解決すべき問題である。 政府内の媚中派は「中国はAPEC首脳・閣僚級会合への参加を見送る」ことを危惧しているようだが、APECのメンバーにはフィリッピンやインドネシア等、南沙・西沙海域等の南シナ海域で、中国の侵略に悩まされる国は多い。 むしろ菅首相は、小泉元首相に倣って「会談を断っているのは中国側であり、私はいつでも会談の用意はある」と堂々と主張し、APECを国際世論喚起のPRの場所にすればよい。 過去にも日中が軋轢を生じるたびごとに朝日を代表する媚中路線は、問題を仕掛けたのは中国側であるにもかかわらず、「冷静」にという言葉でうやむや解決に世論を扇動してきた。 そのたびごとに「強行路線」と言われる産経のみが、うやむや解決は将来に「ツケを残す」とか「禍根を残す」と主張してきた。 過去記事を調べたらこんなのが出てきた。 日中のガス田の共同開発論議をうやむやにしたことを産経が憤慨しているが、さらに遡ると日中平和友好条約のため訪中したとき、毛沢東主席に領土問題をうやむやにされた。 そのツケが今頃わが国に負の遺産として大きくのしかかっていることになる。 ガス田開発では故中川経済産相の毅然とした態度に対し、後任の媚中派・二階通産相の「太陽政策」が)結局大きなツケとなって今頃それが噴出したことになる。 “及び腰外交”大きなツケ 境界画定棚上げ論も(産経・3/8) 日本政府内には未確定の日中中間線の境界画定を棚上げし、共同開発論議を前進させるという秘策も浮上している。だが、東シナ海の海洋権益確保に猛進する中国にどう対処するかという根本問題の解決にはほど遠い。試掘実施が最も効果的な対抗策のはずだが、“及び腰外交”を繰り返す政府の対応が今日の事態を招いたといえる。
≪秘策≫
親中派で知られる二階俊博経済産業相でさえ、七日夜、記者団から東シナ海のガス田開発をめぐる中国側の新提案について質問され、「受け入れられる提案ではない」と苦渋の表情を浮かべた。政府筋も「受け入れがたい内容だ。のめるはずがない」と述べ、新提案を拒否する考えを示した。
政府は昨年九月の局長級協議で、日中中間線付近にある白樺(中国名・春暁)、樫(同・天外天)など四つの石油ガス田を共同開発の対象とするよう求めていたが、中国の提案は、中間線の日本側海域だけを対象としたもので、「中国の権益だけが沖縄近海まで一方的にせり出してくることになり、絶対にのめない」(日中関係者)という声が上がる。
二階経産相が先月二十二、二十三の両日訪中し、温家宝首相と会談した直後の協議だけに、中国側が柔軟な姿勢を見せるのではとの期待感もあったが、完全に裏切られた。「中国は譲歩する意思はないことを明確に示した」(外務省筋)といえ「協議を継続しても時間稼ぎされるだけ」(政府関係者)との声も出る。
政府内では、日中が「共同開発」という点では一致していることに着目し、主張がぶつかる中間線の境界画定協議は先送りして、海底資源を掘削する資金供与や技術提供などの共同開発論議を先行させようという秘策も練られている。「日中の対立が決定的にならないようにできる」(日中関係者)というのが理由だ。
しかし、中国は東シナ海での軍事活動を活発化させ、制海権確保に向けた布石を着々と打っている。すでに「樫」で生産を開始し、「白樺」でも生産をすぐに開始できる態勢にある。「中国に東シナ海の海洋資源と制海権のすべてを奪われることになる」(政府関係者)との危機感が募る。
≪狙い≫
中国政府は東シナ海での日中「共同開発」で「『平和の海』として係争を棚上げし協力する」(温家宝首相)との姿勢を強調してきた。狙いは「日本が中国案を拒否」した場合に備えた牽制(けんせい)で、内外向けに宣伝する材料にもなる。海洋権益は軍の意思が反映される領域でもあり、日本側の主張に応じる可能性は低い。
中国は国家戦略の重要な柱として「海洋強国」建設を掲げ、海洋権益の拡大を目指している。それは海軍の増強や活発な海底調査活動に直結してきた。海洋権益は「国家のプレゼンス増大に絡む問題」(中国筋)と位置づけているからにほかならず、東シナ海を含む西太平洋への進出を図る軍は昨年、最新鋭ミサイル駆逐艦を「白樺」付近で航行させるなどの示威的行動をとってきた。
≪誤算≫
二階経産相は就任後、東シナ海問題について「中国との粘り強い対話」を強調してきた。
中川昭一前経産相(現農水相)が試掘権を盾に中国と正面から対峙(たいじ)したが、「私はその道はとらない」と公言する二階経産相の戦略は、省エネや環境対策の技術協力と引き換えに中国側の譲歩を引き出そうとする「太陽路線」。二月の訪中時には、「日中省エネ環境総合フォーラム」を今年五月に日本で開催することで合意するなど、中国に便宜を図る形での関係改善を模索していた。そういった思惑も、中国にはまったく通じなかった。
中国のエネルギー需要は石油換算で二〇〇四年の十三億八千六百万トンから、二〇二〇年に二十億六千三百万トンへ約一・五倍に増えるとの試算もある。「資源獲得への切迫感は日本と比較にならない」(資源エネルギー庁幹部)という。
会談をするたび問題がこじれてくるのは、そもそも中国には問題解決の意思がないからであり、中国ペースでうやむやにされるくらいなら、 日本は、「交渉のためのカード」にする意味でも、そして最終決裂した場合の橋頭堡作りの意味でも、そして何よりわが国の権益確保のためにも、あの時点で試掘をすべきであった。 当時、帝国石油に試掘権を与えていた故中川昭一通産大臣は、本気で試掘を考えていたことが、下記記事で窺える。 好漢中川昭一氏の早過ぎる死を悼み、今更ながら、惜しむ。 【ガス田試掘へ法整備急ぐ・中川経産相】 第3次小泉内閣で再任された中川昭一経済産業相は9月22日、日本経済新聞社との会見に応じ、東シナ海のガス田で中国が採掘作業を進めていることについて「中国が作業をまず中止することが必要だ」と強調した。対抗措置として準備が進んでいる帝国石油の試掘に関連し「民間の作業に影響が出る場合は法律で保護されなければいけない」と語り、政府で海上自衛隊による警備などを可能とする関係法整備を急ぐ考えを示した。民間からの要望が強い中国との自由貿易協定(FTA)交渉については「まず中国が市場経済国家としての法制度整備を進めることが必要だ」と語り、時期尚早との認識を示した。−−(「日本経済新聞」、2005年9月23日)
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<◇航空路線増便交渉も
沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)近くで中国漁船が日本の海上保安庁巡視船に衝突した事件で、石垣簡易裁判所は19日、公務執行妨害容疑で逮捕・送検された中国人船長、〓其雄容疑者(41)について、拘置期限の10日間延長を認める決定をした。中国外務省は同日夜、日中間の閣僚級以上の交流を停止したほか、航空路線の増便を巡る政府間交渉に向けた接触を停止するなどの対抗措置を明らかにした。中国国営・新華社通信が伝えた。> < 拘置延長を受けて中国外務省の馬朝旭報道局長は談話を発表し、改めて船長の即時無条件釈放を要求。「日本側が独断専行で過ちを繰り返せば、中国はさらに強い対抗措置を取り、その結果は日本が責任を負うことになるだろう」と指摘した。 今回の事件で中国外務省が「対抗措置」という言葉を用いたのは初めて。新華社によると、外務省は閣僚級以上の交流停止や航空交渉に向けた接触停止に加え日中石炭関係総合会議の延期も決めた。〓容疑者に対する司法手続きの節目で、中国側が新たな対抗措置を打ち出す可能性もある。> ◇ 中国漁船・尖閣領海内接触:日中閣僚交流停止 日本、対応変えず
◇APEC前、収束目指す
中国漁船衝突事件を巡り、中国政府が閣僚級の交流停止という対抗措置を発表したことで、菅直人首相は米軍普天間飛行場移設問題に加え、新たな日本外交の“火種”を抱え込んだ。だが、日本側は「中国側による日本の法体系無視」(外務省幹部)として一歩も引かぬ構え。胡錦濤国家主席来日が予定されている11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議までに沈静化できるかどうかが焦点となる。【吉永康朗、北京・成沢健一】 < 日本政府からすれば、今回の事態は、日本領海における公務執行妨害事件の処理でしかない。別の外務省幹部は「現場海域付近には、当該漁船以外にも何十隻も船がいて、不用意に日本領海に入って魚をとっている。海上保安庁が臨検すれば、ほとんどの船は出て行くが、今回の船はそうではなかった」と述べ、逮捕・送検された中国漁船船長の違法行為が極めて悪質だったと訴えた。 日本側が恐れるのは、今回の事件を「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理した場合、同様の事件が再発した時の対処がより困難になることだ。同幹部は「『日本は法律の枠内で適切に処理する国』ということを中国に知らせる必要がある」と語り、中国側に粘り強く理解を求める考えを強調した。> < 日中関係が絡む外交日程として、11月に横浜でAPECが開かれる。胡主席訪日が予定され、本来なら日中首脳会談が行われるはずだが、船長が起訴されて裁判が長引けば、会議に影を落とす可能性もある。 政府内には「日本の首脳と会談を行わないのに日本に来るのは胡主席にとっても体面が悪い」(外務省幹部)として、APECまでには中国側も関係修復に応じるとの見通しもあるが、財務、経済産業省などでは、「中国の強硬姿勢は予想以上」(財務省幹部)との戸惑いが広がっている。「中国はAPEC首脳・閣僚級会合への参加を見送る」との見立てだ。一方、日中関係筋は「中国もマルチ(多国間)とバイ(2国間)を分けて考えている。交流停止でマルチの場まで参加しないとは考えにくい」と語るが、胡主席とAPECの議長である菅首相との会談が見送られる異例の事態が生じる可能性は否定していない。>毎日新聞 2010年9月20日 東京朝刊 ◇ 中国船長の拘留延長に対し、中国は「強い対抗措置を取る」と、更なる脅しをかけてきた。 これまでの弱腰外交なら、「外交上の配慮」を理由に中途半端な形で処理してきた。 ところが今回は「強硬派」の前原氏が時宜を得て、絶好のポスト・外務大臣に就任したため、国家観のカラッポの菅首相は前原主導で中国に対応しているもよう。 今のところ中国の恫喝には屈していないので、このままの態度を持続して欲しい。 新しい外相が絡む外交日程として、11月に横浜でAPECが開かれ、胡主席訪日が予定されている。 本来なら日中首脳会談が行われるはずだが、問題がが長引けば、「胡主席にとっても体面が悪い」として、APECまでには中国側も関係修復に応じるとの見通しもあるという。 ここで菅首相が初めて国際会議の議長という晴れ舞台を意識するあまり、中国への「外交的配慮」で、またしてもうやむやな妥協をすることを危惧する。 胡主席が国際舞台で面子を失うかどうかは、日本の問題ではな。 他国の領土にちょっかいを出した中国側が自分で解決すべき問題である。 政府内の媚中派は「中国はAPEC首脳・閣僚級会合への参加を見送る」ことを危惧しているようだが、APECのメンバーにはフィリッピンやインドネシア等、南沙・西沙海域等の南シナ海域で、中国の侵略に悩まされる国は多い。 むしろ菅首相は、小泉元首相に倣って「会談を断っているのは中国側であり、私はいつでも会談の用意はある」と堂々と主張し、APECを国際世論喚起のPRの場所にすればよい。 過去にも日中が軋轢を生じるたびごとに朝日を代表する媚中路線は、問題を仕掛けたのは中国側であるにもかかわらず、「冷静」にという言葉でうやむや解決に世論を扇動してきた。 そのたびごとに「強行路線」と言われる産経のみが、うやむや解決は将来に「ツケを残す」とか「禍根を残す」と主張してきた。 過去記事を調べたらこんなのが出てきた。 日中のガス田の共同開発論議をうやむやにしたことを産経が憤慨しているが、さらに遡ると日中平和友好条約のため訪中したとき、毛沢東主席に領土問題をうやむやにされた。 そのツケが今頃わが国に負の遺産として大きくのしかかっていることになる。 ガス田開発では故中川経済産相の毅然とした態度に対し、後任の媚中派・二階通産相の「太陽政策」が)結局大きなツケとなって今頃それが噴出したことになる。 “及び腰外交”大きなツケ 境界画定棚上げ論も(産経・3/8) 日本政府内には未確定の日中中間線の境界画定を棚上げし、共同開発論議を前進させるという秘策も浮上している。だが、東シナ海の海洋権益確保に猛進する中国にどう対処するかという根本問題の解決にはほど遠い。試掘実施が最も効果的な対抗策のはずだが、“及び腰外交”を繰り返す政府の対応が今日の事態を招いたといえる。
≪秘策≫
親中派で知られる二階俊博経済産業相でさえ、七日夜、記者団から東シナ海のガス田開発をめぐる中国側の新提案について質問され、「受け入れられる提案ではない」と苦渋の表情を浮かべた。政府筋も「受け入れがたい内容だ。のめるはずがない」と述べ、新提案を拒否する考えを示した。
政府は昨年九月の局長級協議で、日中中間線付近にある白樺(中国名・春暁)、樫(同・天外天)など四つの石油ガス田を共同開発の対象とするよう求めていたが、中国の提案は、中間線の日本側海域だけを対象としたもので、「中国の権益だけが沖縄近海まで一方的にせり出してくることになり、絶対にのめない」(日中関係者)という声が上がる。
二階経産相が先月二十二、二十三の両日訪中し、温家宝首相と会談した直後の協議だけに、中国側が柔軟な姿勢を見せるのではとの期待感もあったが、完全に裏切られた。「中国は譲歩する意思はないことを明確に示した」(外務省筋)といえ「協議を継続しても時間稼ぎされるだけ」(政府関係者)との声も出る。
政府内では、日中が「共同開発」という点では一致していることに着目し、主張がぶつかる中間線の境界画定協議は先送りして、海底資源を掘削する資金供与や技術提供などの共同開発論議を先行させようという秘策も練られている。「日中の対立が決定的にならないようにできる」(日中関係者)というのが理由だ。
しかし、中国は東シナ海での軍事活動を活発化させ、制海権確保に向けた布石を着々と打っている。すでに「樫」で生産を開始し、「白樺」でも生産をすぐに開始できる態勢にある。「中国に東シナ海の海洋資源と制海権のすべてを奪われることになる」(政府関係者)との危機感が募る。
≪狙い≫
中国政府は東シナ海での日中「共同開発」で「『平和の海』として係争を棚上げし協力する」(温家宝首相)との姿勢を強調してきた。狙いは「日本が中国案を拒否」した場合に備えた牽制(けんせい)で、内外向けに宣伝する材料にもなる。海洋権益は軍の意思が反映される領域でもあり、日本側の主張に応じる可能性は低い。
中国は国家戦略の重要な柱として「海洋強国」建設を掲げ、海洋権益の拡大を目指している。それは海軍の増強や活発な海底調査活動に直結してきた。海洋権益は「国家のプレゼンス増大に絡む問題」(中国筋)と位置づけているからにほかならず、東シナ海を含む西太平洋への進出を図る軍は昨年、最新鋭ミサイル駆逐艦を「白樺」付近で航行させるなどの示威的行動をとってきた。
≪誤算≫
二階経産相は就任後、東シナ海問題について「中国との粘り強い対話」を強調してきた。
中川昭一前経産相(現農水相)が試掘権を盾に中国と正面から対峙(たいじ)したが、「私はその道はとらない」と公言する二階経産相の戦略は、省エネや環境対策の技術協力と引き換えに中国側の譲歩を引き出そうとする「太陽路線」。二月の訪中時には、「日中省エネ環境総合フォーラム」を今年五月に日本で開催することで合意するなど、中国に便宜を図る形での関係改善を模索していた。そういった思惑も、中国にはまったく通じなかった。
中国のエネルギー需要は石油換算で二〇〇四年の十三億八千六百万トンから、二〇二〇年に二十億六千三百万トンへ約一・五倍に増えるとの試算もある。「資源獲得への切迫感は日本と比較にならない」(資源エネルギー庁幹部)という。
会談をするたび問題がこじれてくるのは、そもそも中国には問題解決の意思がないからであり、中国ペースでうやむやにされるくらいなら、 日本は、「交渉のためのカード」にする意味でも、そして最終決裂した場合の橋頭堡作りの意味でも、そして何よりわが国の権益確保のためにも、あの時点で試掘をすべきであった。 当時、帝国石油に試掘権を与えていた故中川昭一通産大臣は、本気で試掘を考えていたことが、下記記事で窺える。 好漢中川昭一氏の早過ぎる死を悼み、今更ながら、惜しむ。 【ガス田試掘へ法整備急ぐ・中川経産相】 第3次小泉内閣で再任された中川昭一経済産業相は9月22日、日本経済新聞社との会見に応じ、東シナ海のガス田で中国が採掘作業を進めていることについて「中国が作業をまず中止することが必要だ」と強調した。対抗措置として準備が進んでいる帝国石油の試掘に関連し「民間の作業に影響が出る場合は法律で保護されなければいけない」と語り、政府で海上自衛隊による警備などを可能とする関係法整備を急ぐ考えを示した。民間からの要望が強い中国との自由貿易協定(FTA)交渉については「まず中国が市場経済国家としての法制度整備を進めることが必要だ」と語り、時期尚早との認識を示した。−−(「日本経済新聞」、2005年9月23日)
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