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ドキュメンタリー作家上原正稔さんが、琉球新報に連載中の「パンドラの箱が開く時」の核心部分である「集団自決に関する軍命」を否定した箇所を削除されたとき、上原さんの担当をしていたのが前泊博盛記者。
前泊氏は上原さんの原稿を削除した功績が認められたのか、その後出世・現在沖縄国際大学の教授である。
雑誌「正論」の名物連載「一筆啓誅 NHK殿」で著者の本間一誠氏が、同記事で前泊氏批判を展開しているので、二回に分けて紹介する。
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一筆啓誅 第29回
NHK殿
本間一誠氏 昭和二十年生。東京都出身。皇學館大学文学部国文学科卒。国語科教師として鹿児島県、千葉県、三重県の高校に勤務。
「周辺国」 =特亜諸国への配慮のみを説く奇怪
八月四日「日曜討論」のテーマは「防衛大綱・集団的自衛権・どうする安全保障」といふもので、七月に防衛省が「二十二年度防衛計画の大綱」見直しに向けてまとめた中間報告と、集団的自衛権容認の是非についての議論だつた。司会はNHK解説委員島田敏雄氏で討論者は防衛大臣小野寺五典、安保法制懇(有識者会議)座長柳井俊二、対するに流通経済大学教授植村秀樹、沖縄国際大学教授前泊博盛の各氏。NHK好みの人選だから今更言つても無駄なことながら、もつと議論を深めてくれるやうなまともな専門家を呼んでくれと思ふ。政府に物申すといふ狙ひで植村、前泊両氏を呼んだのだらうが、案の定、番組の水準を視るに耐へない低レベルなものに押し下げてゐた。
周知の如くこの中間報告の眼目は、?島嶼部への攻撃に対応するための水陸両用部隊の充実と強化(米海兵隊的機能の保持)、?弾道ミサイル攻撃に対応(抑止と対処能力の強化)するための敵基地攻撃能力保有の検討、である。司会者が討論の前提として、現在の日本を取巻く安全保障環境をどう見るかと尋ねる。小野寺氏は、前回平成二十二年十二月の「防衛計画の大綱」の時から比べると、大臣就任の僅かこの半年余りでも現在の安全保障環境は相当に変りつつあるとして、?米本土にも届く北朝鮮のミサイル能力の向上と核の小型化の脅威への対処。日本の具体的地名まで挙げて威嚇、それが十分出来る数のミサイルを保有してゐる。?中国との間の島嶼部を巡る緊張関係は従来からあつたが、昨(八月)三日も領海侵犯があり、累次に亘る侵犯がここまで加速してゐる。世界第六位の広さの海洋権益をいかに防衛するか。?一昨年の東日本大震災への対応が示した如く、災害時における自衛隊の役割は一層重いこと─などを挙げ、?「防衛大綱」の見直しの目的はとにかく直近の課題に対応できるものにしていくことだと述べた。柳井氏は、約五年前、当時氏が座長であつた「安保法制懇」が報告書を出したが、既にその時点で日本を取巻く安全保障環境は激変し、非常に厳しいものになつてゐたと述べ、小野寺大臣が述べた如く、今は更に一層厳しい局面になつて来たとの至極当然な認識を示した。
これに対して、そもそも最初からこの二人の学者は言ふことが頓珍漢で、最後まで視聴するのにかなり忍耐を要した。植村氏は頻りに周辺国を刺激する言葉を使ふなと言ふ。陸自の活動の幅が広がるといふ意味では水陸両用車(部隊のことか?)には賛成、だが中間報告での島嶼防衛、海兵隊的機能といふ言葉の出し方は「周辺諸国に対して挑発的に映る」から、「陸自が現実に一番国民から期待されてゐるのは災害派遣」であり、そのために水陸両用部隊を導入すると言へば 「日本は本気で中国のことを懸念してゐる」といふことを感じさせる柔らかなメッセージになつた筈だと言ふ。植村氏は七月二十六日の夜七時のニュースでも、この中間報告について「日本が軍事的な意味で攻勢に出る、攻撃的な姿勢に出るといふメッセージを与へることになる。(中略)やはり外交、対話があつて、それから防衛力の整備といふことがなければならない」と述べ、同様に「周辺国」への配慮を説いてゐた。奇怪である。
前泊氏も「周辺国」といふ言葉を使ふが、要するにシナ、韓国、敢へて付け加へれば北朝鮮の特亜三国を指してゐるので、安倍首相が精力的な外交を展開してゐる他のアジア諸国はどうも頭にないらしい。直近の話題で言へば、安倍首相は七月下旬に三度日の東南アジア諸国(マレーシア、シンガポール、フイリピン)を歴訪して着実な外交的成果を得た。現実は日本の防衛努力と集団的自衛権の検討に対して、シナの脅威に曝されてゐるアジア諸国は共感と理解を示してゐるのである。
レベル低過ぎ、偏向し過ぎで呆れ返る言説
外交安保の素人が聞いてもいかにも植村、前泊両教授の発言は酷すぎた。一々その言葉を引いてゐたらきりがないが、例へば前泊氏はこんな風に言ふ。「大綱そのものの見直しが、これまでの全方位外交、軽武装の方向から重武装、対米重視になり、周辺諸国に大変警戒感を抱かせてしまつてゐる懸念がある。日本は貿易大国だから周辺諸国との関係を重視、全方位外交が基本だつた。なぜ今、防衛力を強化するのか。歴史認識自体が非常に右傾化してゐるのではないか。これは中国やアジアのメディアからも最近よく取材を受けるが、これまでになかつた変化だ。日本は本当に戦争をする気なのかとのストレートな質間を受ける。そのための準備をしてゐるとしか映らないとも言はれる。その懸念をしつかり払拭するべきだ」
さすが元琉球新報記者らしく、やつぱり特亜諸国お得意の日本非難の決め言葉「歴史認識が右傾化」が出た。特亜諸国は近代的な法治の国ではないから、日本が弱いと見れば無理無体を通し、約束事や条約などは忽ち何の意味もない空文に化することは、近年その事例に事欠かない。シナは尖閣は棚上げだと言ひながら、一九九二年に領海法なるものを作つてちやつかり自国領だといふことにしてしまつた。「日中平和条約」の第一条に武力による威嚇をしないと謳ひながら、今年一月シナの軍艦は海自の護衛艦とへリにレーダー照射を行つた。韓国高裁は七月に新日鉄住金に戦時徴用の補償命令を出したかと思つたら、すぐ続いて今度は三菱重工に同様の判決を下した。「歴史認識」が武器になると思へば歴史の捏造偽造も外交協定の反故もやつて当り前で、とても道理が通る相手ではない。加へてさんざん領海侵犯や不法上陸を繰返してゐるのだから、「戦争をする準備をしてゐるとしか映らない」とはこちらが言ふ科白なのに、それを取り次ぐ前泊氏もその言葉に同感してゐるらしい。不可解としか言ひやうがないが、あちらの代言人がその生業(なりはひ)だと思へばそれも理解できる。物事を日本人の常識のレベルで客観的に見られない。かういう不自由な構造の頭脳を特亜と言ふ。なほ、前泊氏の右の発言には、内外の反日勢力が呼応して「安倍政権=右傾化・軍国主義化」のプロパガンダをせつせと拡散する構造が分り易く読み取れるではないか。
気の毒なことに、すぐその後に安保法制懇座長、元駐米大使柳井俊二氏から、日本が周辺国を刺激したから安全保障環境が悪化したのではない、客観的に見て周辺国のミサイルや核開発、海洋進出がその原因であり、それにどう備へるかは当然日本として考へなければならない、安全保障といふのは自助努力を要する防衛力と日米安保を中心とする日米同盟、さらに外交の全てで、この総体が抑止力になる、この抑止力を保持することが一番大切なのだと当り前のことを諭されてしまふ。まるで出来の悪い中学生が諭されてゐるやうな感じだつた。それでも前泊氏は、大綱には軍事の抑止力は示されてゐるが外交の抑止力は示されてゐないとか、貿易の主要相手国である中国に対してこの国(日本のこと)が何かいざこざを起こせば、中国との関係において大変な損失を被り、経済の屋台骨が壊れる懸念があるから、外交もしつかりした大綱を作れとか何とか、往生際が悪い。いざこざを起こしていゐるのはシナであり、それで経済的に困るのも結局はシナである。韓国とても同様だ。植村氏も防衛力よりもまず外交を優先させよと言ふが、昔も今も、状況に応じて最低限己をしつかり守れるだけの軍事力の裏付けがない外交はあり得ない、といふのが国際政治のリアリズムだ。今我々は福澤諭吉の「脱亜論」をこそ思ひ出すべきなのに、この状況の中でやたらに特亜、とりわけシナと韓国に配慮せよ、右傾化の懸念を呼んでゐると言ひたがる様子は、失礼ながら工作員でなければその媚中媚韓度において殆ど変態かと思ふ程である。後半の集団的自衛権についての発言も、二人とも口を揃へて戦後の国の形を変へる恐れがあると繰返してゐる。戦後の国の形を変へなければ日本は生き残れないといふのに。 余りに馬鹿馬鹿しいからもう引用は止める。国民の受信料からそれなりの出演料も払ふのだから、もう少し勉強になるやうな人を呼んだらどうか。
つづく
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「かみつく4」は「沖縄民主主義4」と改題しました。
書店発売のお知らせとお詫び
発売日
A4版「沖縄内なる民主主義」(600円税抜)は2月3日(火曜日)、県内書店で発売します。
お詫び
「かみつく」から「沖縄民主主義4」に改名しましたが、勝手ながら、さらに普及版としてA4版「沖縄内なる民主主義4」にしました。
狼魔人日記でネット発売
書店ではA4版「沖縄内なる民主主義」(600円税抜)のみの発売ですが、狼魔人日記ではA5版の「沖縄民主主義4」も600円で発売します。ご了承お願いします。
ヒジャイ出版 代表者 又吉康隆
新発売・「かみつく3」は県内書店で発売中
狼魔人日記でネット全国販売しています。
申し込みはメールでできます。
ブログ 狼魔人日記
メール ezaki0222@ybb.ne.jp