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今朝の沖縄タイムスは合計13面を使って「公約を破った」として県知事非難の大合唱。
あたかも「オール沖縄」が依然として存在し全県民が「県知事の埋め立て承認」に大反対しているかのような印象の紙面つくりに必死の様相である。
だが周知の通り「オール沖縄」は既に空中分解しており、W翁長の1人翁長自民党県連会長は引責辞任に追い込まれ、次期県知事選では仲井真県知事の後継者を自認していた翁長雄志那覇市長と仲井真県知事の間には県知事の「埋め立て承認」により超えがたい大きな溝が出来てしまった。(「オール沖縄」の崩壊とW翁と県知事の間のくさび打ちについては名護市長選を辞退した島袋氏の大きな功績であるが、これについては別の機会に詳述したい)
沖縄タイムスが全社で大発狂するのも納得である。(涙)
沖縄タイムスの発狂見出しに逐一付き合うのは遠慮するが、結局、県知事の「埋め立て承認」は「民意背信」であり、県知事の説明は「筋通らず」「居直り強弁」ということらしい。
そこで三年前の県知事選挙で仲井真県知事の再選直後のエントリーを引用し、県知事の公約である「県外」を検証してみる。
ちなみに当時は民主党政権であることを念頭に回顧して頂きたい。
「釘打ち」で大童の沖縄マスコミ より。 ★ 2010-11-30今朝の沖縄タイムスの一面トップの大見出しはこれ。
仲井真氏「県外」貫く 知事再選で会見
普天間「県内はない」
仲井真候補が告示直前になって普天間基地の移設先を「県外がベストだが、辺野古も容認」から「県外」に変更したことに対し、「公約を実行しろ」と釘を打つのに大童である。
昨日の社説でも大きな釘を打ち込んだつもりでいるようだ。
[仲井真氏再選]「県外」の公約は重い まず日米合意の見直しを
2010年11月29日 09時24分 沖縄タイムス社説
県知事選は、現職の仲井真弘多氏(71)が新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)を大差で退け、再選を果たした。
最大の焦点だった米軍普天間飛行場移設問題で、仲井真氏は、移設先を名護市辺野古とした日米合意を見直し、「県外移設」を訴えた。日米両政府は見直しを迫られることになった。
仲井真氏は1期目は条件付きで県内移設を容認していたが、今回は選挙直前になって県外移設にスタンスを大転換した。名護市長選・市議選で辺野古反対の民意はすでに示されている。仲井真氏の課題は公約した県外移設をどう実現するかにある。
仲井真氏が再選されたのは、県外移設を主張することによって支持層を広げたことが挙げられる。政権与党の民主党が候補者を立てることができず、「自主投票」を決めたことも有利に働いた。不況が長引く中で、経済重視の仲井真氏に期待が集まったこともある。
仲井真氏は当選後、「県内は事実上ない。県外だ」とあらためて語った。真っ先にしなければならないのは、県外移設を菅直人首相に要求し、日米合意の見直しを正式に要請していくことである。
政府との対話を否定しない仲井真氏が当選したことで、政府内には翻意させる可能性があるといちるの望みを託す向きがある。実際、8月に北沢俊美防衛相が「仲井真氏に勝ってほしい」と本音を漏らしていることからも分かる。
仲井真氏はことし1月の名護市長選で条件付きで移設を容認していた現職市長を支援、9月の市議選でも条件付き容認派の市議らにてこ入れしていた。
仲井真氏の姿勢に疑問の声があるのも事実である。仲井真氏はこれらを一掃するためにも、県外移設の先頭に立ってもらいたい。
県内の政治トレンドは、民主党に政権交代した昨夏の衆院選を境に一変した。
県内移設を容認した自民党議員が沖縄の全4区で誰もいなくなった。初めてである。1月の名護市長選、9月には名護市議選で市長支持派が圧勝した。
象徴的なのは7月の参院選沖縄選挙区。当選した自民党候補は日米合意を批判し、県外移設を訴えた。党本部の方針と異なる対応をとらざるを得なかったのである。
これまで県内移設を容認してきた保守陣営も、沖縄ではもう県内移設を掲げて戦うことはできなくなったということである。
移設問題では保守、革新の対立の構図は消滅し、県外、国外に収斂(しゅうれん)しつつある。仲井真氏が県外移設にかじを切らざるを得なかったのもその延長線上にある。(略)
☆
沖縄タイムスのどの面をめくっても、知事に対して「県外の民意を実行せよ」といった意味の記事があふれている。
ではここで言う民意とは一体何か。
いまさら何を言うのか、「県外移設に決まっているじゃないか」という声が聞こえて来そうである。
なるほど「県外がベスト」という声に異論を唱える県民は一部軍用地主や軍雇用員等の例外を除いて皆無であろう。 その意味では「県外」は民意と言うことができる。
だが、仲井真県知事が当初主張した「県外がベスト」の後に続く「現状では県内も容認」という現実路線も民意であったはず。
では、何故仲井真知事は告示直前に「現状では県内容認」を切り捨て「県外」だけに変更したのか。
前にも述べたように「国外」を主張する伊波候補を支援する沖縄二紙を敵に回して選挙に勝つのは困難と判断した苦肉の「対マスコミ戦略」だったのだ。
何しろ相手は名うての「反戦平和」の活動家であり、マスコミは免罪符を与え「ラウンドワン疑惑」にも「海軍病院の給水拒否事件」にも黙殺で援護する伊波候補だ。
マスコミを敵に廻すのは、得策ではない。
そもそも仲井真県知事が「県外が民意」と認識したのは、鳩山前首相の妄想に煽られた名護市民が三代も続いていた「容認派」市長の代わりに、「国外派」の稲嶺市長を選択した事実と、マスコミの扇動もあって熱に浮かれたように名護市議会選挙でも「国外派」が多数を占めるようになった事実からである。
この二つの選挙での名護市民の判断を、県内マスコミが「民意は決まった」と連日大々的に報道するのを見て、仲井真知事も苦渋の決断で「県外」に路線変更したのだ。
だが、この仲井真知事の判断の奥に潜む本音を、賢明な有権者なら皆理解していた。
現実主義者で実務家の仲井真県知事の本心は、あくまで「県外がベストだが現状を考えれば県内も容認」ということを。
前にも新聞によって作られた民意と書いたが、そもそも普天間移設について県民投票をしたわけではない。新聞が連日民意、民意と騒ぐので、何となくその気になったに過ぎないのだ。
その証拠に、今回の県知事選挙で全県的には仲井真候補の圧勝だったが、少なくと稲嶺市長を選んだ名護市民の民意は、稲嶺市長と全く同じ主張の伊波候補が圧勝して当然のはずだった。
で、実際はどうだったのか。
今回の知事選の名護市民の選択はこうた。
有権者数 45,022
仲井真弘多 15,213
伊波洋一 13,040
何と、稲嶺市長と相似形のように同じ主張の伊波候補が、2173票の差で、敗れているではないか。
しかもこの票差は稲嶺市長が容認派の島袋候補を破ったときの票差よりも大きいのである。
前回の市長選挙で示した名護市民の民意は覆ったのだ。
これで、マスコミは名護市民の判断をもって「民意」「民意」と喧伝することはできないはずなのだが、昨日の地元各局テレビは当選したばかりの仲井真県知事をゲストに呼んで「県外の民意を変えてはならぬ」と釘を打ちっぱなしであった。
その中でももっと偏向の激しい「QAB朝日テレビ」で、象徴的シーンが見られた。 沖縄のキャスターの中でもサヨク偏向度ナンバーワンと言われる三上智恵キャスターが、知事にしつこく容認から県外に変更した理由を迫ったが、これに対して知事は、「名護市長選と名護市議選で県外派が勝ったのだから事実上県内は無理でしょう」と軽くいなした。 だが、これで引き下がるような三上女史ではない。
「絶対県外の公約を守って下さい」と最後に太い釘を打ったが、知事はこれにも堪えて「政府に強く要求します」と結んだ。
偏向度ナンバーワンで沖縄移住者の三上女史が憎むべき仲井真知事が勝利の会見を終えて帰るのをそのまま見過ごすはずは無かった。
「政府に要求するだけではだめです。 県民の民意を受けて知事自身がリーダーシップを発揮してもらわないと」。
さすがの仲井真知事もこれには多少切れ気味になったが、そこは貫禄でぐっと堪えて、
「名護市長選には私も島袋候補を応援に行ったが、多くの民主党議員団が稲嶺候補を応援した。『県外』にしたのは民主党政府ですよ!(怒)、政府が主体的に解決するのが当然ではないですか」とまくし立て、三上女史も返す言葉を見つけられなかったようだ。
仲井真知事は口にこそ出さなかったがきっとこのように言いたかったのだろう。
「民主党政府が応援した稲嶺候補が市長になり、それを支援していた君達クサレマスコミが、実現不可能な『県外』を民意であるかのように捏造したのではないか」。
「それを今になって『民意を実行せよ』と私に迫るのは筋違いで、県外を煽った君達クサレマスコミと民主党政府こそ責められるべきだ」と。
もっとも仲井真知事が「クサレマスコミ」と下品な罵詈を内心でも言ったかどうか。 いや、あの三上女史の慇懃無礼な態度をみたらきっと言ったと思う。
さて、本論の沖縄タイムス社説の批判だが、連日のテレビキャスターの釘ウチ作業の象徴として、知事と三上女史とのインタビューを前置きにしたつもりが、社説の問題点は語りつくした感がある。
>仲井真氏は1期目は条件付きで県内移設を容認していたが、今回は選挙直前になって県外移設にスタンスを大転換した。
>名護市長選・市議選で辺野古反対の民意はすでに示されている。仲井真氏の課題は公約した県外移設をどう実現するかにある。
>仲井真氏は当選後、「県内は事実上ない。県外だ」とあらためて語った。
>仲井真氏の姿勢に疑問の声があるのも事実である。仲井真氏はこれらを一掃するためにも、県外移設の先頭に立ってもらいたい。
同じことの繰り返しはさけるが、稲嶺名護市長の当選と、名護市議会選挙の結果をもって「沖縄の民意」と主張するマスコミの根拠は、今回の県知事選の結果でもろくも崩れ去った。
全県的得票数はさておいて、名護市民に限っても国外の象徴とも言える伊波候補の敗退が何よりの証拠である。
仲井真知事はRBCテレビのインタビューで「県外が変わることは無いでしょうね」と念を押され、苦笑しながら「当選したばかりで当選証書も貰わない内に、県内といえるはずが無いでしょう」と答えていた。
名護市民の賢明な選択を見てもわかるとおり、民意は永久不変ではない。
活動家の扇動による熱狂から覚めた名護市民は「作られた民意」を翻したのだ。
【おまけ】
名護市民にも見放されたこの市長、いつまで「その気」になっているのでしょうか。
⇒普天間撤回要請に政務三役応ぜず=「誠意ない」と批判−名護市長
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