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沖縄2紙に掲載される沖縄戦関連の記事を見るたび、疑問に思うことがある。
「二度と戦争を繰り返さないため、沖縄戦の実相を記録に留める」との謳い文句は立派だが、読者がそこで目にするものは、徒(いたずらに)に日本軍への憎悪をかき立てるような、「日本軍の悪行」を」糾弾する記事ばかりである。
これらの記事を連日読まされた読者にとっては、沖縄戦とは「沖縄住民を虐殺するため沖縄に来た日本軍から米軍が沖縄を解放した戦争」などと錯覚するくらいの酷い記事のオンパレードである。
だが、実際はどうだったのか。
日本軍は連日沖縄メディアが糾弾するほど「残虐非道な日本軍」だったのか。
いやいや、そうではない。
少なくとも、沖縄メディアに「残虐非道な日本軍」が登場するのは、祖国復帰以後である。
サヨク学者や援護金を受給したプロ市民の中には「援護法のカラクリ」という言葉を常用し、国が歴史を捏造し県民の口封じのため「わずかな金と、靖国の『英霊』に祀られという美名で、沖縄戦の実態が隠蔽される。」(「靖国合祀訴訟」の原告金城実氏)などと主張する者がいる。
果たして援護金は「わずかな金」だったのか。
沖縄戦の歴史を歪曲した真犯人は反日サヨクではなかったのか。
援護法の研究者を自認する石原昌家沖国大名誉教授は「産業らしい産業がない(復帰前の)沖縄で大きな収入になったのは、軍用地料と援護金だ」と証言している。
自身も援護金申請の手助けをしたという石原氏によれば援護金は、「ここ何十年からは、年間一律でおよそ196万円(1人頭で)」受給しているという。
「慶良間(諸島)で家族のうち四人が集団自決をした場合は、196万円かける四人で、800万近く」になるという。
金城実氏の言う「わずかな金」どころか、膨大な金が、「援護金の拡大解釈」により「本来は適用されない」はずの沖縄の民間人に支給されてきたことになる。
だが、沖縄戦にからむ援護法の実態を検証すればするほど援護法のカラクリを利用して沖縄戦の歴史の捏造を企てたのは、これら反日サヨク陣営であることがわかってくる。
反日左翼陣営が付け込んだ援護法のカラクリとは、援護金申請に際し、国(厚生省)が示した沖縄に対する「善意」であった。
本来なら軍人・軍属にしか適用の出来ないはずの援護法を沖縄戦で戦没・戦傷した民間人に適用しようとする国の善意は、「沖縄の民間人は軍人並に、軍人以上に戦った」という「口実」が書類記入上不可欠であった。
勿論、申請する側の遺族側にも「軍人に負けないほど立派に戦った」という自負と誇りがあった。
彼らは、昨今反日サヨクが喧伝する「残虐非道な日本軍」などとは微塵も考えていなかった。
では、沖縄県民に対する国の「善意」は何処から出て来たのか。
先日、西村眞悟講演会に参加したとき、一番印象に残ったのは、「沖縄戦の(歪曲された)歴史を取り戻す」という言葉だった。
そして沖縄戦の実相を解明する第一級資料は大田実海軍中将が残した長い電文だという。
通常軍人が報告電文を書くときは、できるだけ簡潔にしかも内容は軍事に限られる。 だが自決を決意した大田中将は、「本来は県知事の仕事」と断りながらも、止むにやまれぬ沖縄県民の奮戦に対する気持ちを伝えるべく「沖縄県民斯ク戦ヘリ県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と、最後を結んだ。
大田中将の遺志は国の援護法の「県民への大甘適用」という「善意」となって、国(厚生省)へと受け継がれた。
筆者は大田中将の遺志が、いきなり厚生省に直接引き継がれたのではなく、2人の人物を経由して引き継がれたと考える。
これについては後で詳述する予定である。
さて、援護金申請書に「軍命による」あるいは「隊長命令による」と記入した援護金受給のための方便に着目したのが、本土復帰後の沖縄と本土との分断を目論む反日サヨク勢力である。
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「沖縄に内なる民主主義はあるか」の内容紹 沖縄戦「集団自決」の謎と真実
秦 郁彦
PHP研究所
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